第551話 洞窟の奥へ


 集まってきてたサンショウウオは、放電が伝わる範囲のは倒し切った! 放電が届かずに倒し切れなかったサンショウウオやコウモリも、縄張りの畏怖の気迫で追い払えたから問題なーし!


「んー、この奥ってどうなってるんですかねー? というか、そもそも縄張りで洞窟のマップは埋まるんですね!」


 その辺は全然考えずに使った縄張りだけど……表示されるようになった範囲で行き止まりなのかな? もしそうなら、鍾乳洞の部分を抜けた先が一番奥になりそうだけど……。


ミツルギ : 埋まるけど、具体的な地形までは不明だぞ?

こんにゃく : あと、縄張りの効果範囲内までしか有効ではないな!

咲夜 : だから、必ずしも埋まった範囲が洞窟の全容が分かる訳ではない!


「あ、そうなんですか! なら、まだ奥がある可能性も……縄張りってもっと範囲が広いですし、この奥で行き止まりじゃないです?」


 もっと奥もあるのかと思ったけど、よーく見たら……うん、やっぱり行き止まりっぽい!


金金金 : そうかもしれないが……まぁそれはそれでいいんじゃね? それより、俺としては先のエリアに集まっている赤い印が気になるんだが?

水無月 : 確かに、何か結構な数がいるね! 洞窟の端に逃げてる敵も多いけど……そうじゃないって事は、サクラちゃんより格上の敵?


「あ、それは私も気になってました! これ、私に向かってきてるんですかねー? でも、何かに足止めされている感じです?」


 んー、私より強い敵がいるのは間違いなさそうだけど、なんで近寄ってこないのかな?


ミツルギ : あー、可能性はいくつかあるけど……ネタバレ案件だな。

ミナト : うん、間違いなくネタバレ案件だね! という事で、咲夜さんは発言には要注意!

咲夜 : 俺、名指し!? ……気をつけるけども!


「あ、そりゃネタバレ案件にもなりますよね! それなら自分の目で確認しに行くだけですけど……とりあえず、鍾乳洞を抜けないとですか!」


 ステータスが縄張りで強化されてても、滑りやすいものは滑りやすいもんね! 足元に要注意で、先に進んでいこー! とりあえず立ち上がってみて……。


「わっ!? わわっ!? やっぱり滑りますし、伏せたままの方がよさそうです!」


 危ない、危ない! 立ち上がった瞬間に転びかけたし、ここは下手に立ち上がらずに進んでいこー!


ヤツメウナギ : 鍾乳洞は、大型動物系だと滑りやすいからなー。

神奈月 : 伏せて進むのが無難だろうよ!

いなり寿司 : こういう場所は、ヘビとかカエルとかトカゲとか、そういう種族が進みやすいぞ。


「確かにそういう種族だと進みやすそうですね! ライオンだと進みにくい……あ、これってもしかして、水への適応進化があれば進みやすかったりします? ほら、『水化』で滑って移動は出来てましたし!」


 あれなら元々滑って移動してるんだから、今みたいに滑って転びそうになる事はない気がする!


富岳 : そこはサクラちゃんの思ってる通りだな。ある程度の凸凹は無視出来るし、滑って移動してるから、そのバランスさえ保っておけばスムーズに進めるぞ。

イガイガ : ただ、鍾乳洞を進む為だけに適応進化を切り替えるのはな……。

こんにゃく : 元々、水の適応進化の状態であれば気にしなくてもいいんだが……わざわざやるのは勿体無い。

真実とは何か : それが真実なのであるが、まだ別の真実もあるのだ!


「んー、別の真実……あ、そういえば、ここの鍾乳洞だと宝石系アイテムは手に入るんですかねー?」


 洞窟で採取がしやすいって話の宝石系アイテム、是非とも手に入れたいもん! 多分、真実ってそれだー! ……でも、足場が悪いのは大丈夫なのかな?


ミナト : んー、鍾乳洞にもあるにはあるんだけど……サクラちゃん、グルッと周囲を見回してもらえる? どういう場所にあるか、実物があれば教えるからさ。

サツキ : おー! ミナトさんからレクチャーが入るんだね!

ミツルギ : まぁ鍾乳洞だと、闇雲に探すと無駄に手間がかかるしなー。


「あ、そうなんですか!? えっと、とりあえずこんな感じで見回してみればいいですかねー?」


 伏せたまま移動はやめて、前方向で見える範囲をグルッと見回してみるのです! 自分でも何か異変がないか、ちゃんと確認しとこー!


「……あれ? なんかこの先の柱みたいなやつで、キラッと光ってる部分がありません?」


 上から下まで繋がってる柱みたいなやつの、真ん中辺りで何か反射してた気がする! はっ、もしかしてこれが鍾乳洞にある宝石系アイテムなの!?


ミナト : うん、それで間違いないんだけど……あらら、ちょっと位置が高いね。

いなり寿司 : これ、ライオンで届くか?

富岳 :足場がよければジャンプすれば届くだろうが……今の状態だと微妙だな。

チャガ : 鍾乳洞にある宝石系アイテムは、鍾乳石を破壊する必要があるから……これは、位置が悪いな。他を探したほうがいいかもしれん。


「えぇ!? 折角あったのに、これは取れないんです!?」


 待って、待って、待って!? 確かに高い位置にあるし、ジャンプして届きそうにもないけど……それって勿体なさ過ぎるよ!?


「あ、だったら、これはどうですかねー! 『獅哮衝破』!」


 ふっふっふ! あの柱を壊す必要があるというなら、これで壊してしまえばいいのです! 単純な話だよね!


咲夜 : サクラちゃん、待った! それは待った!?

ヤツメウナギ : あー、まぁそれでも出来なくはないけど……正直、お勧めはしないぞ?

金金金 : ん? 何か問題ありか?

水無月 : 壊す必要があるなら、これでも良いような気がするよ?


「……これ、駄目なんです?」


 もう溜めを始めちゃったけど、皆さんの反応がよくないよ!? 何かこれじゃ問題があるって事なの!?


ミツルギ : うーん、まぁこれは実際にやってみた方が分かりやすいか? 別に失敗しても、死ぬ訳でもないし……。

こんにゃく : 百聞は一見に如かずとも言うし、実際にどういう結果になるかを見た方が、理解はしやすいかもなー。

真実とは何か : 時に、真実は自分で確かめるべきものなのである!

ミナト : あはは、まぁそれもそうだね。必ず失敗する訳ではないし、もう溜めも始めてるから、ここはやってみよっか。


「……なんだか色々と気になりますけど、とりあえずやるだけやってみますね!」


 皆さんの反応的に、この手段に何か問題があるのは間違いなさそう! 広範囲技だから、他まで余計に破壊してしまうとかかな? でも、それなら当たるギリギリの距離まで凝縮していけばいいよね!


「えーと、溜めが終わるまで少しかかるので、少し質問です! 宝石系アイテム、何個も手に入ったりします?」


 さっき、チャガさんが他のを探した方がいいって言ってたもんね! そういう発言が出るって事は、手に入る可能性もあるって事だよね!


咲夜 : 複数の宝石系アイテムが手に入る事はあるぞ! 運次第だけど!

ミナト : 明確に洞窟の中に何個あるかってのは決まってないしねー。ただ、届かない場所ばっかだったり、逆に近くに集まってたりする時もあるんだよ。

G : 全く無い時もあるし……それこそサクラちゃんの体験した、洞窟そのものがすぐに行き止まりってパターンとかな。


「……あはは、確かにそれは運次第ではありますね」


 でも、運が良ければ大量に手に入る事もありそうだよね! 鍾乳洞の奥もまだあるんだし、ここの鍾乳洞でもまだ見てない場所の方が多いもん!

 うふふ、そう考えたら……無理に届くか分からない位置のを狙う意味ってないんじゃないですかねー? 少なくとも、他のを探してみても見つからなかった時にすればよかった気がしてきた!? もう遅いけど!


「とりあえず、溜めが終わるまで少し他も見てみましょうか!」


 ふふーん、まぁ既にやっちゃってるから止めようもないし、このままやるのでいいや! 問題があるっぽいのは……うん、実際にやってみて、どういうものか把握しちゃおう!

 それと、他にキラッと光る部分はないかなー? 狙いが付けられなくなると困るから大きくは移動出来ないけど、ここから見える範囲にあればいいよね! 近くにある時もあるのなら、探せば存在してる可能性はあるのですよ!

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