第534話 今日のサイコロタイム


 ふふーん、候補は出揃ったから、モンエボから和室の方へ切り替え!


「それじゃちょっとサイコロを取ってきますねー!」


 という事で、立ち上がって箪笥のところまで行くのです!


神楽 : あー! 何か雰囲気が違うと思ってたら、ガッツリと髪型が変わってる!?

ヤツメウナギ : マジだなー。後ろ髪を纏めて上げてるのか。


「あ、かんざしを自分で作ってみたんですよ! でも、配信中だと正面からしか映らないから、微妙に分かりにくいみたいですねー?」


 うーん、やっぱり今のかんざしと髪型は、配信用にはちょっと微妙かも? こうして配信用の和室で動いた時にしかハッキリと分からないと、なんか作った意味が薄い気がする……。


金金金 : 少しガッカリ気味な狐っ娘アバター。

神楽 : わー!? ガッカリさせる気はなかったんだよー!? 違和感はあったんだけど、自信がなかったの!

ヤツメウナギ : ……同じく。

ミツルギ : まぁ正面から映る状況で、後ろ髪はな……。

ミナト : ゲームの配信中だと、表情はコロコロ変わっても、どうしても極端に角度は変えられないしねー。

サツキ : サクラちゃん、もっと色々盛ろう! 髪飾りを山ほど!


「うーん、やっぱり後ろ髪だけだと分かりにくいですよねー。というか、盛ろうってサツキさんがそう言うと微妙に怖いんですけど!?」


 私でも1日で簡単なかんざしを作れたくらいなんだし、日替わりで次々と髪飾りが送られてくるとかありそうな……って、よく考えたら、着せ替えを狙われてるんだし、髪型変更も狙われるの!? その方向性、全然考えてなかったー!?


金金金 : というか、今更ではあるんだが、その狐っ娘アバターってそのまま髪を弄れるんだな? 安物なアバターだと、髪は決まった髪型にしか出来ないってのもあるが……。

ミナト : リアルみたいに髪型を自由に変えられるのは、作り込みがしっかりしてるんだよねー! 髪の動き方に物理演算が入ってるやつ!


「え、そうなんです? あー、そういえば作ってる時に『物理演算を反映させる』なんて項目もあった気がします?」


 全然意識してなかったけど、普通って髪型は変えにくいものなんだ? んー、でも家で使ってるリアルの姿と一緒なアバターの方は、普通に髪は弄れるような?


神奈月 : ホームサーバー用にデフォルトで用意されるリアルの姿のアバターって、割と出来はいいんだよなー。あれ、少しの体型や髪型や色くらいは変更出来るけど、それ以外はほぼ弄れないし。

ミナト : まぁあれは個人認証用のデータが元にはなってるからねー。自動生成ではあるけど、品質はかなり高いんだよ!

富岳 : 初回の個人認証の発行時に、色々とスキャンされるからな。何も弄らなければ、そのままリアルと同じようになるように設定されている。

イガイガ : 仮想空間で役所の手続きとかも出来るようになってるのは、地味にありがたい! まだ全部が全部じゃないけど、簡単な内容のはAIが受け付けてくれるから、下手な待ち時間もないしな!


「あー、そういえば役所で色々スキャンした覚えがありますね!」


 VR機器の認証の為に、個人認証を発行しに行った覚えはあるもん! あれ、何年前だっけなー? というか、普通にその時より色々と成長してるはずだけど……見た目の更新ってした覚えがないような? でも、その割にはリアルと変わらないような気がするのは気のせい?


「あのー、今思ったんですけど……リアルの姿のアバターって、成長するんです?」


 サイコロを出してきて、戻って座ったけど、気になる事を先に聞いちゃえー! 今思ったけど、相当謎なのですよ! 更新してないのに、なんで変わってるのー!?


サツキ : え、サクラちゃん、その辺の説明は受けてるはずだよ!?

ミツルギ : 個人認証を発行してもらった時に説明はあったはずだが……まぁその辺をスルーしてる人も多いか。

富岳 : まぁ意識してやるものでもないから、説明を受けてから時間が経ってたらそういう事もあるだろ。サクラちゃん、たまに家族からホームサーバーに触れろと言われる事はないか?


「それなら覚えがありますね! 毎年、認証の更新で触れるやつですよね?」


 兄さんに絶対にやれって言われるやつ! 新しいホームサーバーに変わった時にもその認証はやったもん! そういえば、毎年の更新って割に頻繁にやれって言われてた事もあるような?


富岳 : あれ、感覚的には手を置いているだけだけど、体格の情報も大雑把にだがスキャンはしてるからな。そこから個人認証に連動しているデフォルトのアバターに自動反映されている。

咲夜 : え、あれってそんな事もしてるのか!?

ミナト : まぁ子供は成長を反映させる為に頻度は多めだけど、大人は年1回で頻繁にではないけどねー。個人情報を取り過ぎだって、嫌がってる人も多いけどさ。

いなり寿司 : セキュリティや健康への配慮の為だから、その辺は仕方ないけどな。嫌ならフルダイブは使うなってだけだ。

チャガ : 実際に違法改造が最初期に出てたし、それを考えるとな……。


「なるほど、あれで私のリアルの方は更新されてたんですね!」


 そっか、そっか! この狐っ娘アバターの動きはあれを参考にしてたんだし、似たような感じにはなるよね! 確か、髪も同じように弄れるようにって色々と試行錯誤してた気がする! その結果が、今の出来に繋がってたんだ!


「あ、ちょっと脱線し過ぎているので、元に戻しますねー! それじゃサイコロタイムを始めていきましょう!」


 つい雑談になってたけど、今の目的はそっちだよ! 髪型を弄るのはいつでも出来るし、新しい別の髪飾りについてはまた今度考える!


サツキ : 今回の選択肢は『守護増強』と『分身』と『背水の陣』の3つ! さぁ、それになるかなー?

富岳 : 3択なら……出目が1か2なら『守護増強』、3か4なら『分身』、5か6なら『背水の陣』でいいか?


「はい、それで大丈夫です! 富岳さん、いつも整理してくれてありがとうございます! どれになっても今ある進化ポイントで解放出来るところまで解放して、足らずの進化ポイントを確保していく感じでやりますねー!」


 どれになったとしても、今の進化ポイントでは足りないもんねー! だから、進化ポイント狙いで動く事になるのは確実! まぁ探索していこうとしたら、絶対にそうなるけど!


サツキ : サイコロタイム、開始ー!

水無月 : 開始ー!

咲夜 : さーて、今回は何になるか!?

こんにゃく : この運任せ、どういう方向に行くかが予想出来ん!

真実とは何か : どのような真実の結果に至るのか!?


「私にも結果は分かりませんからね! それじゃいきますよー! えいや!」


 いつも通り、笊の中にサイコロを放り込んで振る、振る、振る! それで適度なとこで、机の上にドンと置いて……カランコロンと音がしてから、止まったね! さーて、出目はどうなったかなー?


「えーと、出目は1なので……『守護増強』に決定です!」


 おー、今回は一番進化ポイントが必要になる部分になった! ふふーん、サイコロ様はそろそろ堅牢を鍛えなさいと言っているのかも!


富岳 : 順当に堅牢のステータスを強化する方向になったか。

ミツルギ : とりあえず、すぐに可能なのは堅牢のステータス強化までだな。

いなり寿司 : 動き方が変わる訳ではないが、無難に強化になったもんだ。


「あはは、確かに動き方は全然変わらない選択肢になりますよねー! でも、これでかなり耐久性はアップです! それじゃモンエボの方に戻して、サクッと解放しちゃいますねー!」


 という事で、配信用の和室からモンエボの操作に切り替え! サイコロタイムはまだやる可能性もあるし、そのまま机の上に置いとけばいいや! ……って思ったけど、今日はサイコロタイムをまたやる事はあるのかな? んー、まぁいいや!


 とりあえずモンエボの操作に戻ったから、堅牢のスキルツリーを開いて、すぐに解放していこー!


<『堅牢』第8段階:ステータス強化『堅牢+15』を解放しました>

<『堅牢』第9段階:ステータス強化『堅牢+20』を解放しました>


 進化ポイントを55使って、残りは3! ……ほぼ使い切っちゃった状態だけど、まぁまた溜めればいいよね!


「さーて、これで耐久性は上がりましたし、本格的に平原エリアを進んでいきましょう! まずはマップの解放からですね!」


 あ、でもその前に遠距離から殺してきたライオンを探すのが先かな? でも、あれってマップが使えないとどこにいるのか分かんない! むぅ……適当に移動してたら見つかるかなー? 見つけたら、絶対に倒すのですよ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る