第510話 効果のほどは


 ふっふっふ! 水色だけど綺麗に透き通ったビー玉のような、溜めが終わった放水! 見た目が綺麗で、個人的には好きな感じ!


「あ、攻撃前にスクショを撮っておきましょう! これは良い感じの見た目ですし!」


 残念なのは、今は夜だから明かりが乏しいところ! これ、日の光があったら、もっとキラキラしてて綺麗なんだろうなー。まぁ今は仕方ないから、サクッとスクショを撮っちゃうよー!

 夜空を見上げる中に映るように伏せて、見上げて、スクショを撮るぞー! ……うん、撮れた!


サツキ : おー! そのスクショはいいね!

水無月 : 今ならではのスクショだー!

ミツルギ : 雷への適応進化に戻すんだから、確かに今のうちか。

真実とは何か : それが真実である!

ミナト : あ、サクラちゃん、水面に映った星空のスクショは……?

富岳 : そういえば、興味を示してたけど、そのままスルー状態か。


「あ、忘れてました!? よし、それもこの攻撃が終わってからやりましょう!」


 湖を突っ切って進むんだから、その途中でやればいいだけだもんね! ふっふっふ、色々やってたから完全に忘れてたけど、興味が消え失せた訳ではないのです!


「あ、その時に胃袋へのストック分も回復させましょう!」


 途中で止まる必要があるなら、そこでやるのもいいよね! 色々な採集での補充は、次のエリアでやるのでいいや!


神奈月 : これからの予定、決定だな!

イガイガ : 配信時間も半分以上を過ぎたし、最後の〆を考えれば残り40分くらいか。

金金金 : 気付けば、それなりに経っているという。


「わっ!? 思った以上に経ってますね!?」


 湖エリアで配信時間の半分以上いるつもりはなかったんだけど……時間配分って難しいねー。むぅ……宝石系アイテムの確保に時間がかかり過ぎたような気はする! あと、今回のエリアボスのワニは強かった!


こんにゃく : こうやって話すのはいいけど……放水の発動にも猶予時間があるから気を付けろよー!

ヤツメウナギ : 他事をしてて、不発に終わるのは悲しいぞ?


「わわっ!? それは確かにそうで……って、もうギリギリじゃないですか!? 急いで使います!」


 えっと、えっと! 敵のど真ん中で使うのがいいって言ってたから、看破で見えてる『聡明な蛾』を標的に、水の弾を動かすのです!


「これで、解き放つイメージですね! 放水、いっけー!」


 単純に何かが破裂したようなイメージで、解き放ってみる! これで……。


「わっ!? 水が……爆発しました!?」


 わわっ!? 私が水を持っていった場所を中心にして、バッと水が広がったよ!? 水だけど、なんか煙幕が広がるみたいな感じ! でも、木々を薙ぎ倒してるから、威力的には爆弾みたい!?


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


 おぉ! ちょっと爆発からタイムラグはあったけど、4体ほど敵を撃破! うーん、流石にちょっとLvが上がるには、差があり過ぎるのかなー? それなりに経験値は入ってるけど、Lv31にはちょっと足りない!


「あれ? でも、もうちょっと敵がいた気がしますけど……って、わー!? HPが減ったヘビやフクロウとかが迫ってきてるじゃないですか!?」


 ぎゃー!? ただ単に、全部は倒し切れてなかっただけだー!? マップを見てみれば、ヘビやフクロウ以外にも近付いてきてる敵がそこそこいるよ!? 威力は十分なほどあった気がするから、位置関係の問題ですかねー!?


ミツルギ : サクラちゃん、慌てる必要はないぞ? そこは縄張りの中だしな。

咲夜 : 戦う気がなければ、『畏怖の気迫』で追い払えばいい!

こんにゃく : いや、『畏怖の気迫』はデフォルトではオンだから、今はオンだぞ。攻撃したから、その効果が薄れて攻撃しに来てるだけだ。


「あ、そういえばここって縄張りの中でしたね! それじゃ迎撃して、進化ポイントと経験値をいただきましょうか! 可能なら、ここでLv31まで上げていきたいですし!」


 ふっふっふ! ここは私の縄張りの中で、ステータスの強化がはいってるんだから怯む必要はなーし! というか、私から攻撃したら縄張りから逃げ出してた敵も戻ってきたりするんだね!


「って、わわっ!? なんか石が飛んでくるんですけど!? あ、『巧妙なリス』です!? それも2体!?」


 位置的に縄張りの外から攻撃してませんかねー!? ぐぬぬ、縄張りの中に入らず、外から攻撃してくるとは卑怯な! 見切りで飛んでくる石を避けつつ、後退だー!


金金金 : ん? 屈強系統の敵と器用系統の敵だけか?

富岳 : まぁそうなるな。縄張り外に逃げてて、攻撃を受けて反撃をしてくるのはその2系統だけだ。

ミツルギ : 襲ってきにくい生命、堅牢、俊敏の3系統の敵は、無理に追ってはこない。知恵系統は、危険だと判断して去っていく。


「え、そういう違いがあるんです!?」


 とりあえず距離を取ってリスの射程範囲から出ようとしてるけど、進化の系統によって変わってくるんだね! そっか、好戦的な敵なら襲われれば縄張りに入ってくるんだ。知恵系統なら入ってこないのは、知恵があるからって気はするね!


「これ、追い払おうと思ったらどうすればいいんですかねー!? 畏怖の気迫、ここからじゃ効かないんです? あ、これは質問で!」


 今は迎撃するつもりでいるけど、その辺は気になる部分! ネタバレでもいいから、そこは聞いちゃおう!


「あ、でも畏怖の気迫は駄目でも『威嚇』なら……あー!? 発動する気はなかったのに、誤発動!?」


 ぎゃー!? 飛んでくる小石が止まったし、少し引き離し気味になってたヘビやフクロウが向きを変えて逃げていっちゃた!? 待って、待って!? 私の進化ポイントと経験値、待てー!


金金金 : 慌てている狐っ娘アバター。やらかしたな!

G : まさか、ここで『威嚇』を誤発動とは……。

サツキ : サクラちゃん、ドンマイ!

水無月 : ドンマイ!

ミツルギ : まぁそれでもそれなりに数は倒したし、今回は諦めてもいいんじゃないか?

こんにゃく : 縄張りの外まで無理に追いかけるのもなー。


「……確かにそれもそうですね。今回は仕方ないので、諦めてあげましょう!」


 逃げたのは4体だし、進化ポイント8くらいは見逃して……むぅ、それでもなんか悔しいよ!?


富岳 : ちなみにだが、さっきの質問の答えなんだが……一旦、『畏怖の気迫』をオフにしてから、再度オンにすれば少し効果は下がるが、効果は発揮するぞ。……既に意味の無い情報だが。


「確かにもう意味はないですよねー!? でも、富岳さん、情報ありがとうございます!」


 そっかー。そういう手段で効果を出し直す事は出来るんだ! ……どう考えてももう遅いけど! まぁ過ぎたものは仕方ないし、そこは気にしなーい!


「さーて、それじゃ水中に入って魚を食べて回復させていきましょう!」


 ふふーん、ちょっと失敗しちゃったけど、それでも少しやる事が早まっただけ! 進化ポイントは惜しいけど、それはまた他の機会で溜めればいいのです!


咲夜 : え? 威嚇が発動中だし、そもそも縄張りの中には……一般生物の魚って残ってる?

イガイガ : あっ、それは普通に逃げてるな!?

G : 縄張りを展開してから結構時間が経ってるし、泳げる魚は縄張りの中に残ってはいないはず。

こんにゃく : 『威嚇』も発動中だから、尚更じゃね? 効果が切れるまで、『縄張り』を解除しても近付いてはこないぞ。

真実とは何か : それが残酷な真実なのである。


「ちょっと待ってください!? え、そうなるんです!?」


 ぎゃー!? 縄張りが変な風に影響を与えてるっぽい!? しかもここで誤発動になった威嚇が邪魔してくるの!? ぐぬぬ、何をしてくれてるんですかねー!?


ミナト : 動きが遅い貝とかなら残ってるかなー? あ、一応真珠を持ってる貝も含むけど、普通に回復用に食べられるやつね!

富岳 : あとは『縄張り』を解除して『水化』を使えば、一般生物の魚くらいなら追いつけはする。まぁちょっと食べにくくはなるけどな。


「あ、手段は残っていましたね! よし、それじゃその方向でやっていきましょう! 縄張り解除で、とりあえず湖の方まで移動です! 『疾走』!」


 ふっふっふ、まだ手段はなんとか残ってた! でも縄張りの範囲だった場所には一般生物の魚はいないから、放水で一気に加速させて……って、放水はまだ再使用時間中だー!?

 むぅ……なんか変に段取りが狂っちゃってるよー!? とにかく、とりあえず湖の前まで移動しよー! 具体的にどうするかは、その後で考える!

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