第508話 放水を溜めて


 ふっふっふ、縄張りの外への攻撃だから強化の恩恵はないけども、それでも獅哮衝波の2段階目まで溜めておけば倒せるみたい! 溜めは長いけど、どっちにしても水化の再使用時間を待つ必要はあるから、問題なーし!


「あと少しで2段階目の溜めが終わりです! 今回は凝縮なしで……狙いはカブトムシかヘビですね!」


 どこを狙うべきかはミナトさんが教えてくれたし、どの敵もそこまで大きく動いた気配はないよね! うん、どこにいるのかよく分からない敵もいるけど、ミナトさんがいると言ったらいるのは間違いない!

 コウモリとか、本当にどこにいるんだろ? まぁ狙うべきカブトムシかヘビは見つけられてるから大丈夫!


こんにゃく : さて、カブトムシとヘビ、どっちを狙うか?

神楽 : ヘビはあからさまに赤い色だし、知恵系統の毒持ち?

ミツルギ : だろうなー。カブトムシは全身に白い模様があるから、堅牢系統か。

ミナト : 確殺するなら、ヘビ狙いかなー? 堅牢系統は状況次第で生き残っちゃう時もあるしね。


「あはは、確かに何度も生き残ってた事はありますもんねー。それを防ぎたいなら、3段階目まで溜めた方がいいです? あ、2段階目の溜めが終わりました!」


 ふふーん、攻撃準備は完了! この流れなら、狙うのはヘビが良さそうだけど……看破が切れてるのは痛いねー。再使用時間はとっくに過ぎたけど、溜めてる最中は他のスキルが使えないのがねー。


富岳 : まぁ絶対に仕留めたければ3段階目まで溜めてもいいが……シンプルに時間はかかるぞ?

ヤツメウナギ : 仮に生き残ったとしても、交戦状態になって縄張りに引き入れて、そこで仕留めた方が楽な気はする。

ミナト : 位置的に完全に奇襲にはなるし、そのカブトムシの防御は間に合わないと思うけどねー。生き残るとしたら、木の影に隠れて見えてない2体かな?


「あ、そういえば見えてないのがいるって言ってましたもんね! んー、まぁなるようになれですね! それじゃ攻撃を始めます!」


 凝縮はなしで、狙いは赤い模様の毒々しいヘビ! マップを見て射程を確認して……うん、見えてる赤い印の全部は網羅出来ないけど、それでも結構な数は巻き込めるね! まぁ横への幅はそれほど広くないから、そこは仕方ない!


サツキ : サクラちゃん、ぶっ放せー!

水無月 : ぶっ放せー!


「はーい! 獅哮衝波、発射です!」


 Lvに結構な差が出てるだろうから経験値はあんまり期待出来ないだろうけど、進化ポイントは大量に手に入るよね! ふっふっふ、一気に仕留めるのさー!


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


「わわっ!? 生き残りは出ずに全て倒せたっぽいですね!? えーと、何体倒せたんでしょう?」


 一気に表示が出過ぎて、何体倒せたのかが分かんない! えーと、数えてみよー! 1……2……3……!


ミツルギ : マップで射程に入ってたのは、全部倒せたか。

ミナト : 見えてなかったのもしっかりと倒せたみたいだし、撃破数は9体だねー。

咲夜 : 進化ポイント18ほど獲得だな!


「おぉ、9体もいたんですか! ふっふっふ、大乱獲ですね!」


 いぇーい! かなりの数を1撃で仕留められたのですよ! ふっふっふ、この感じなら湖を渡り終えて、次のエリアに進出する頃には何かスキルツリーを解放するのもいいかも?


「さてと、次に行きましょう! 今度は溜めた放水を使って攻撃ですけど……放水って溜めながら移動は出来ます?」


 『放電』の時は移動しながらでも溜められてたけど、こっちはどうなんだろ? スキルの仕様は近いみたいだし、可能そうな気はするんだけど?


ミツルギ : あー、言ってもいいけど、ネタバレ案件にはなるし、そこは使ってのお楽しみって事で!

富岳 : 先に切れてる『看破』やら『弱点分析』辺りは発動しとけー。


「あ、そういえばそうですね! 『索敵』『見切り』『弱点分析』『看破』!」


 使ってから思ったけど、索敵はいらない気がする! もう縄張りで交戦状態になって敵の位置自体は分かってるもん! まぁもう発動しちゃったから、別にいいけど!


「さてと、それじゃ溜めたこれをやっていきましょう! 『放水』!」


 ふふーん、ちょっと見上げるような位置から水を出して……えーと、溜める場合はそう意識すればいいのかな? おぉ、出てきてた水が球の形になって、どんどん大きくなっていってる!


金金金 : ほほう? これは……水を生成し続けて、その場に留めているような感じか。

水無月 : おー! どんどん大きくなってる!


「そうみたいですねー! あ、普通にこの状態で動けます! あ、でも……溜めてる水は動かないっぽいです?」


 ぐぬぬ、私自身は動けてるけど、溜めてる水が一緒には動いてくれない!? 『放電』の時は一緒に動いてくれてたのに!


富岳 : ん? おかしいな。その水は追従するように動かせるはずだが……。

チャガ : 自動照準だと無理だが、マニュアル操作なら可能だよな?

ミツルギ : サクラちゃん、水の球を前に動かすイメージはしてるか? 自分の身体から放つ『放電』と違って、一緒に動かすイメージがないとその場に留まったままだぞ!


「そういう違いがあるんです!? えっと、えっと、こうですかねー!?」


 そこの水、私に付いてきなさーい! うーん、これでいいのかな?


「あ、動き出しました! おぉ! 走っても付いてきてますね! 移動しながらの溜めが出来るのはありがたいです!」


 そっか、そっか! 放電の場合は自分自身と同じ位置にあるから気にしなくても勝手に動くけど、放水の場合は別々に分かれてるから移動には別のイメージが必要なんだ!


神奈月 : 本当にこの辺のマニュアル操作、あっさり使うもんだな、サクラちゃん。

こんにゃく : 苦手な人はとことん苦手で、全然扱えなかったりするのになー。

G : オンライン版で、操作系スキルをサクラちゃんに使わせてみたい。

イガイガ : それは思う。かなり凶悪な使い方が出来そうな予感はするし。

咲夜 : いや、どうなんだ? 逆にサクラちゃんは複数を同時操作がさっぱり駄目な気もするぞ?

ミツルギ : あー、それは否定が出来ないかも……。いや、その辺はオフライン版では分かりにくい部分だし、なんとも言い難い。

富岳 : 実際にやってみないと、判別がしにくい部分だな。


「えーと、話してる意味がよく分からないんですけど……とりあえず、溜めながら東側に移動していきますね!」


 オンライン版の話は、やってないから本当に分かんない! でも、今までの話を聞いた感じだと放電や放水のマニュアル操作が元になってるものがあるみたいだよねー? まぁそれはいいや!


「あ、そういえば放水の溜め方は2種類あるって言ってましたけど、今の状況以外に他の溜め方があるんです?」


 確かそんな話をしてたよね? うーん、今の状況とは違う溜め方ってなんだろ? どんどん水の球は大きくなってるけど、変わる要素って何かあるのかな?


ミツルギ : あー、それは……ネタバレ案件になるけど、いいか? 多分、普通にやってたら気付きにくい内容だし。

富岳 : マニュアル操作以外で使った場合の挙動を、マニュアル操作に反映させるやり方だからな。通常操作とマニュアル操作、両方を使って初めて気付く内容になる。


「そうなんです!? んー、ネタバレでもいいので教えてもらってもいいですか? このまま放水を使って攻撃に移るつもりなので!」


 マニュアル操作にせずに使ってみればすぐに分かる内容っぽいけど、説明してくれるなら教えてもらった方が早い気がする! もう少しで水化の再使用時間も過ぎるし、ちょっと時間を節約していこー!

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