第502話 ワニとの激戦
むぅ……水中の生物なだけあって、ワニの動きが速いよ! これ、麻痺にして動きを止めてしまいたいけど……うぅ、今の私のライオンじゃ無理!
「雷の適応進化が欲しいんですけど! 思いっきり雷纏いを使いたいです! わわっ!」
見切りに反応が出たから、出来るだけ大きく横に回避! 真後ろに下がるのは回避になってないから、絶対にしちゃ駄目!
金金金 : 防戦一方だし、雷纏いを使いたくなる気持ちはよく分かる!
ミツルギ : だなー、とはいえ、今からでは無理な話……。
富岳 : 『縄張り』を誤発動していなければ、陸地に回り込んで雷の適応進化に戻してから陸で戦闘って手段もあったんだがな。
咲夜 : 今更言ってもどうにもならない!
真実とは何か : それが真実なのである!
「あー!? そういう手段もあるんでした!?」
うがー! 何やってるの、私! 地の利を得た上に、雷への適応進化に戻す事も出来たのを台無しにしちゃってる!? うー、でもそれは本当に言っても仕方ないし……。
「わわっ!? あ、大口を開けましたね! これでも食らってください! 『放水』!」
ふふーん、その口を開ける攻撃を待っていたのですよ! 大きく開いた口の中へ、放水で毒の実を放り込むのです!
水無月 : おー! 口の中に、毒の実が吹っ飛ばされた!
サツキ : サクラちゃん、ナイス攻撃!
イガイガ : 有効な手段だろうけど……今の実、どの毒?
ミツルギ : さぁ? こうやっていくつもバラまいてたら、ぱっと見じゃ分からんし……。
金金金 : ミナトさん、その辺の見分け方は?
ミナト : ……あはは、どの毒になるかは明確に決まってる訳じゃないし、実はこの状況からだと見分ける手段はなかったり?
富岳 : 周囲にバラまくという使い方は、そうやる事でもないからな。まぁやるとしたら、混乱しないように同じ種類の毒でやるのが定石にはなるが……。
「あ、適当にバラまいちゃったので、どれがどの毒か私にも分かりません! おぉ、微毒になりました! ……まぁ一番弱い毒ですねー」
毒の種類を確認せずに適当にバラまいてたんだった!? むぅ……どうせならもっと毒性の強い『毒』か、『麻痺毒』が良かったんだけどなー。うん、まぁ毒の実自体、『微毒』のが一番数があったと思うし、適当にバラまいたらそうなるよね!
サツキ : 何の毒でも、毒が入れば問題なーし!
いなり寿司 : まぁ『微毒』でも、相手の動きが激しければ継続ダメージの量は増えていくからな。
こんにゃく : よし、『微毒』が切れるまでは逃げの一辺倒でも問題ないぞ!
ヤツメウナギ : なんというか、エリアボスの毒殺が割と多いよなー。
「あはは、毒は便利ですもんねー! 雷纏いや放電が使えない以上、毒を頼りにさせてもらいます! わわっ!?」
うがー! 微毒を受けてようが、お構いなしに突っ込んでくるよ、このワニ! むぅ……継続ダメージ自体はしっかりと入ってるし、ダメージ量も確実に増えてる。増えてるけど、元々が丈夫で中々思った感じに弱ってくれてない!
「もう何発か、毒の実を口の中に叩き込んでやりたいですねー。そこです! 『放水』! あ、やりました!」
ふっふっふ! 口を開けずに突っ込んでくる時は大きく距離を取って回避するしかないけど、口を開けた時は絶好の攻撃チャンスなのですよ! 今の口に入ったのも『微毒』たったっぽいねー。
サツキ : サクラちゃん、ナイス毒の実!
水無月 : 上手く口の中に入れられるね!
咲夜 : 正直、意外だ!? 外しまくって慌てる様子を期待してた!
「どういう期待をしてるんですかねー!? わわっ!? ぐふっ!」
むぅ……咲夜さんの言葉に反応してたら、回避が少し遅れて、尻尾での追撃を受けちゃった……。威力は低めだけど、この追撃は厄介だよ!
G : 少し回避が遅れたのは……咲夜さんのせいだな!
神奈月 : それは違いない。
咲夜 : ……今のはなんかすみませんでした!
「本当に今のはそうですよ! わわっ!? わっ!? わわっ!?」
ぎゃー!? 継続ダメージがどんどん増えていってるのに、そんなのお構いなしにどんどん攻撃してくるんですけどー!? 待って、待って、待って!? 連続での体当たり攻撃、方向の切り替えが早いよ!?
「これ、避け切れ……ぐふっ! あ、噛みつかないでください!?」
ぎゃー! 連続体当たりの最後が避け切れなかった上に、思いっきり噛みつかれた! ぐぬぬ……って、ちょっと待って!?
「わー!? このワニ、HPが回復してるじゃないですか!? それ、卑怯です!?」
うがー! ミシミシと音がしそうな感じで胴体に噛みつかれた上に、HPが回復するって何!? うぅ……いつまでもそうはさせないよ!
「離れてください! 『咆哮』! あ、やった! 萎縮が入りました!」
噛みついているのもキャンセル出来たし、とりあえずワニの口から脱出! ……今のは焦ったよ、もう!
うー、胃袋のストック分がまだあるから、HPは全快にすぐ戻ったけど……見切りの反応があっても回避し切れないとは思わなかった!
ミツルギ : 『連突撃』から『噛みつき』に繋げて、『捕食回復Ⅰ』で回復か。まぁワニで水中なら、使いやすいコンボだよなー。
富岳 : 確かにな。それにしても……このタイミングで出血は痛い。
いなり寿司 : 大急ぎで回復しろ!
「ぎゃー!? チドメグサ、チドメグサ!」
噛みつきがよっぽど鋭かったのか、私の方まで出血での継続ダメージが発生しちゃってる! 折角の萎縮だけど、今は攻撃よりも回復が優先! 大急ぎでアイテム欄からチドメグサを取り出して、パクっと食べる!
「……ふぅ、なんとか回復です!」
大きく動きはしなかったけど、胃袋のストック分がそろそろ尽きそう!? 縄張りで結構な強化になってるはずなのに、このワニの攻撃、相当痛いよ!?
イガイガ : ……このワニ、かなり攻撃の威力が高いな。
ミナト : まぁ屈強系統で進化してる、屈強が伸びやすい種族だしねー。
神奈月 : その上、エリアボスだしな。
G : 縄張りでの強化や、水への適応進化があっても、地の利の不利は早々覆せるものじゃない。
「……そうみたいですね。でも、まだまだHPは残ってますし、どんどん攻めていきますよー!」
胃袋のストック分は無くなりそうではあっても、まだHP自体は全快状態だもん! それになんだかんだで、ワニのHPは半分は切ったもん!
こんにゃく : その意気だ!
水無月 : やっちゃえ、サクラちゃん!
サツキ : 思いっきりやっちゃえー!
「はい! ここで出血も入れておきたいとこですね! 『爪撃』!」
出血は単発の方が入りやすいって話だったはずだから、まずは爪でワニの頭に1撃入れて……むぅ、硬いね!? でも、ダメージはしっかりと入ってるし、もう1回! 萎縮が切れるまで、可能な限り攻撃するのです!
「わっ!? もう萎縮から復活しました!? 早くないですかねー!? でも、ここです! 『双爪撃』!」
萎縮が切れて距離を取ろうとしてきたけど、その前にワニにもう1撃! 離された距離を詰めつつ、両方の爪を振り下ろすのさー!
「あ、やった! 出血が入りました! ぎゃー!? ぐふっ!」
爪を振り切ったと思ったら、思いっきり体当たりをしてきた!? むぅ……ちょっと強引に攻め過ぎ……ううん、そうでもなさそう! 私の胃袋のストック分は尽きたけど、ワニの方も今の攻撃でHPは4割を切ったもんね!
ヤツメウナギ : 屈強系統だから当然ではあるけど、かなり攻撃的だな。
チャガ : だが、その分だけ動きまくるから、『微毒』と『出血』の両方が入ってる状態は大きいぞ。
ミツルギ : でも、下手に噛みつかれたら回復されるから、無理に攻めるよりは回避重視がいいぞ!
「あ、はい! 分かりました! わっ! わわっ!?」
そう返事をしたのはいいけど……やっぱりこのワニ、攻撃的過ぎるよ!? うー、どうせなら自分から毒の実を食べてくれればいいんだけど……そう都合よくはいかないっぽいよね。
ともかく、口を開けるタイミングでバラまいてる毒の実を叩き込むとして、それまでは回避に専念! ……そういえば、左右に避けてるけど、これって上にも避けられる? 水中を駆けられるんだし、それは出来そうな気もしてきた!
「わわっ!? あ、やっぱり上にも駆けて避けられますね!」
ふっふっふ! ジャンプした感じで上に行って、そこに足場がある感じで止まれた! これ、左右に避けるよりも、ワニの動きを回避しやすい気がする……?
「って、普通に下から迫ってきてます!? わわっ!?」
ぎゃー!? 上手く避けたと思ったけど、全然そんな事なかったー!?
ミツルギ : まぁ水中は上下にも回避出来るのは大きい部分ではあるけど……それは敵も同じだしなー。
富岳 : 水中で機動力勝負をしても、勝つのは厳しいぞ。それをやるなら、せめて『水化』は使っておきたい。
チャガ : 今、まともに回避出来ているのは縄張りのステータス強化の恩恵と、『跳躍強化』を持ってるのが大きいからな。その辺が無ければ、もうあっという間にやられてる。
「そうなんです!? 縄張りのおかげ……って、縄張りが誤発動したから、準備が不十分だったんですけど!?」
あんまり意識してなかったけど、『跳躍強化』って効果があったんだ!? うん、よく考えたら左右にもジャンプしてるような回避だし、効果はあっても不思議じゃなかった! でも、水化があった方がいいんだね!? 再使用時間は……あ、あと少しで過ぎそうだよ!
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