第491話 宣伝、開始!


 ふふーん、今日から本格的に色々なものの宣伝を、自分の意思で

開始なのですよ! 前回のお茶は、なし崩し的にやるしかなかった状態だもんね!


「今日は、モンエボの開始前にこれをご紹介です!」


 という事で、ケーキ屋さんの新作ソフトクリームの紹介だー! とりあえず実物は見せたいから、試食データを出していくのです!


「ケーキ屋さんの『ア・ラ・モード』から、新作ソフトクリームですね! チョコ味ですけど、『大人な味わい』という事らしいです!」


 あ、支えになる輪っかみたいな台に乗って出てくるんだ? まぁそうじゃないと、そのまま置いておけないもんねー。写真では見てたけど、思ってたよりちょっと色が濃い気がする? それに、固形のチョコもちょこんと横に添えられてるね!


「コーン部分もチョコの色なのは、ちょっと珍しいですかねー?」


 この辺、味に関係なく一律同じような感覚でいたけど、コーン部分にもしっかりとチョコの味が付いてるのかな? うーん、今は紹介だけして後で食べようかと思ってたけど、なんかどんどん食べたくなってきた!


サツキ : おー! 最初はそれにしたんだね!

水無月 : あ、美味しそうなソフトクリーム!

ミナト : このお店、知ってる! 通販もやってたんだ?

咲夜 : チョコ味って、そう珍しくもないような?

ミツルギ : それは確かに? いや、でもノーマルでも店によって全然味は違うし、これもそういうのかもしれないぞ。

金金金 : チョコで大人な味わいとなると……酒が入ってるとか? あー、でも流石に未成年には出せないやつか。

富岳 : アルコールが入ってても、飲料でなければ大丈夫なはずだが……。


「あ、ウィスキーボンボンとかってありますもんね? その辺、どうなんでしょう?」


 貰った資料ではお酒入りとは書いてないけど……『大人な味わい』って曖昧な書き方しかしてないんだよねー。試食データだと酔っ払う事はなかったはずだけど……なんだか、説明としては微妙な気もするよ?


「えーと、とりあえず詳細が分かるお店のホームページを載せておきますねー!」


 巻き物にホームページへのURLを書いて、浮かせておこー! うーん、見た目も普通とは結構違うけど、具体的にどんな風に大人な味わいなんだろう? 


水無月 : あれ? なんで宣伝をするサクラちゃんが、どういうものか把握してないの?

サツキ : ふっふっふ! 具体的な味に繋がる細かな情報は意図的にシャットアウトしています! 素直な感想が欲しいから、先入観はなしで!

ミナト : あはは、理由がここにあったねー。

水無月 : そういう理由なんだ!?

ミツルギ : まさかの、情報の欠落……!? あ、サイトの方に普通に説明があるわ。


「『大人な味わい』だけでそれ以上の情報がなかったのは、そういう理由なんです!? えーと、ホームページの方に載ってるなら、そっちで紹介していきましょうかねー?」


 というか、そうさせるように動きが誘導されてなーい? まぁいいや、とりあえず私の視線にカメラを切り替えて、巻き物に載せてるホームページのURLを選んで、そっちを表示!

 うん、『ア・ラ・モード』さんの美味しそうなケーキの写真が出たトップページが表示になった! えーと、あ、宣伝中の今年の新作のソフトクリームってのが一番上に出てる!


サツキ : サクラちゃん、そっちを先に見ちゃダメー!? 先に味わってからじゃないと、情報を伏せてた意味がなくなっちゃう!?


「あ、まだ見ちゃダメなんです!? そういう事は先に言ってもらっていいですかねー!?」


 そんな話、全然聞いてないよ!? 必要な段取りがあるなら、先に教えておいて!?


サツキ : だって、出したらすぐに食べると思ったんだもん……。なのに、サクラちゃんはまだ手にも持ってないのは想定外!?


「私なりにしっかり宣伝しようと思ってやってるんですけど!?」


 食べる前にちゃんと説明してからって思ってたのに、それが全然求められてなかったみたいだよ!? ……というか、この様子だと実際に食べるのはもう少し後でとか出来ない気がする!


金金金 : しっかりと紹介しようとして、紹介の仲介者から手順にケチをつけられる件。

イガイガ : これは依頼側の、依頼の仕方が問題では?

チャガ : まぁ求める事があるなら、先に言っておくべきだろうな。

真実とは何か : それが真実である!

サツキ : わー!? みんなしてボロクソに言って……こっちでも頷いてるー!?


「今回はサツキさんに問題があると思います! そういう事は、先に言っておいて下さい!」


 まったく、自由にやってくれていいって聞いてたのに、手順で文句を言われるとは思ってなかったのですよ! 聡さんも頷いてるみたいだし、今のは姉さんが勝手に思ってただけな気もするけど!


サツキ : うぅ……サクラちゃん、ごめんなさい。私が余計な横槍を入れ過ぎました……。

ミナト : 今の感じだと、先に食べて欲しいのはサツキさん個人の願望かな?

サツキ : うん、そうなるね!

G : 酔っ払うサクラちゃんを見たいとみた!

ミツルギ : 試食データは、酒でも酔えないけどなー。

金金金 : 試食データの酒で酔えたら電子ドラッグになりかねないって規制になってるしなー。

サツキ : そのソフトクリーム、お酒は入ってないからー!


「あ、そうなんです? うーん、今は紹介だけして、後からサイコロタイムに食べようかと思ってたんですけど……試食データは2個あるので、もう食べちゃいましょうか! 素直に味は気になるんですよねー!」


 配信中は食べるまでの間、机の上に置いておこうかと思ってたけど……我慢が出来そうになーい! やっぱりこうして実物を見ると写真とは違うし、食べたい欲が刺激されるよね。


水無月 : あ、そんな予定だったんだ? でも、味は気になる!

金金金 : 新作だからまだ発売前かと思ったら、もう販売中か。試食データの配布は……あるにはあるけど、ほんの僅かな量だけか。

水無月 : あ、かなり少量のやつだね。サクラちゃんの分は、宣伝用に特別に発行したやつかな?

ミナト : んー、まぁソフトクリームとか、食べたらその場で満足しちゃうとこはあるし? ガッツリとオリジナルと同等のは無理なのは仕方ないね。

G : 旅行先とかで、フラッと買い食いするのはいいよな! まぁそういう場合、何度も食べるのが難しいという部分はあるが……。

ミツルギ : 近くじゃないと、早々何度もはなー。

富岳 : 仕方ない部分ではあるな。かといって、試食データだけで満足されても困る部分ではあるし……。


「あはは、まぁあくまで試食ですしねー! そこで満足されたら意味もないですし、量が少ないのは仕方ないですかねー? 私のは丸々、そのままみたいですけど!」


 これ、水無月さんも言ってるけど、宣伝用に発行されたやつなんだろうねー。宣伝だからこそ、しっかりと食べろという事! うん、やっぱり今のタイミングで1個、食べちゃおう!


「それじゃ、失礼して……いただきます!」


 ソフトクリームをちょっと食べてみて……あ、あんまり甘くない? ううん、ほのかに苦味がありつつも、その中に甘みもあって……なんだろう? 上品な甘さとか言うのかな?


金金金 : 笑みの浮かぶ狐っ娘アバター。美味そうだな、これ。

ミツルギ : 表情だけで、満足してるのはよく分かる。

水無月 : 美味しそう!

サツキ : サクラちゃん、どんな感じ!?


「えっと……中々言葉にするのって難しいですね? あ、でも、甘過ぎず、程よい苦味があって、でもそれがちゃんとある甘みを引き立ててる感じでいいです! これ、甘いものが苦手な人でも結構いけるんじゃないですかねー?」


 上手く説明出来たかどうかは分からないけど、今の私に出来る説明はこれが精一杯! 残りのソフトクリームを食べつつ、ホームページを眺めてみよー!


富岳 : なるほど。とりあえず試食データを食ってみるか。

G : 一定以上は美味いのは分かったし、それ以上は個人の好みの問題だろうな。

真実とは何か : それが真実である!

金金金 : だなー。


「あはは、まぁ結論としてはそうなりますねー! えっと……あ、カカオの量がかなり多いんですね! なるほど、それで苦味もある訳ですか!」


 そっか、そっか。苦味が結構あったのはそこなんだね! でも、そてが美味しさの邪魔にはなってないし、甘さの邪魔もしていないのは凄いよね! うん、普通に美味しかった!


「さてと、試食データはもう1個あるので、そっちはサイコロタイムに食べるとして……昨日の続きをやっていきますねー! あ、コーンの部分、ソフトクリームはバニラのみになってます!? これはこれで、味わいが変わっていいですね!」


 コーンの部分で味が変わってくるとは思わなかったけど、コーン自体がちょっと苦めだし、甘味が強めなバニラのソフトクリームが引き立ってる感じ! うん、美味しかった!

 さーて、それじゃ宣伝もしたし、満足したとこでモンエボの続きもやっていこー!

 

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