第478話 死にまくって


 2連続でエリアボスのワニの前に出た後は、特に変な場所に出る事もなく死亡が続いた! 残すところは、あと2回! ただいま、絶賛窒息中!


<サクラ【巧妙なライオン】が死亡しました>

<死亡した為、リスポーンとなります。リスポーンの手段を選んでください>


「これで29回目です! あと1回で適応進化ですね!」


 死亡還元を見るのも全然なくなったけど、まぁ3回も出たなら十分なのですよ! ふっふっふ、今までの頻度の低さを考えたら多いもんね!


ミツルギ : 最初の方こそ変なとこに出たけど、それ以降は無難だったなー。

咲夜 : もう少し変なとこに出るかとも思ったんだけど、そうでもなかった!

ミナト : エリアボスの前に2回連続で、十分変なとこに出てた気もするけどねー。

いなり寿司 : まぁ無難な方がサクサク進んでいいだろ。本命は進化する事そのものじゃなくて、その後の戦闘なんだしな。

イガイガ : でも、あんまりその時間もなさそうだけど……。


「……あはは、まぁここまで死ぬのに30分以上かかっちゃってますしねー」


 残り配信時間、もう15分ほど! ……エリアボスに挑む時間は、流石になさそうかな? 最後のランダムリスポーン先次第な気がする! あれ? でも、これって地味に知らないような?


「最後の1回の死亡の後って、リスポーンしてから進化するんです? それとも、リスポーンする前に進化するんです? 確か自動で発生するパターンなんですよね?」


 あ、そんな事を考えてたら、時間切れでランダムリスポーンになっちゃた!? まぁここは普通にランダムリスポーンすべきとこだから、別に問題なーし!


「えーと、普通に湖の水面ですね! 陸も遠いみたいですし、少しなら話してても大丈夫そうです!」


 うーん、この辺は何度も死んでる間に聞いておけばよかった気がする! まぁ今更それを言っても仕方ないから、聞けるタイミングで聞いておくだけなのですよ!


ミツルギ : 自動で発生する場合は、進化が先だな。進化が終わった後に、再誕の道標かランダムリスポーンか場所を選べる感じだな。

ミナト : そこで次のエリアに進む為に北の方に設置した再誕の道標を使うか、Lv30まで上げる為にランダムリスポーンを選ぶかはサクラちゃん次第だねー!

こんにゃく : まだLv27だから、湖で育てる余地はあるからな。

G : 無いのは、今日の残り配信時間の方か。あと15分程度……敵次第だけど、〆る時間も考えたらちょっと厳しい。


「……配信中で無理だったら、今日の実況外のプレイでLv30までは上げておきましょうかねー? 元々、あっちは間に合わない時用の時間でもありますし!」


 最近ずっと桜の木の育成をやってたけど、たまにはそういうのもいいよね! それにあっちなら、配信を気にせずに気兼ねなく湖で遊べるもん! うん、そうしよー!


神奈月 : おっ、今日の実況外のプレイはライオンの続きになるのか。

G : ツッコミ不在のライオンの動き、気になるとこではあるな。

ヤツメウナギ : 新たな進化後になるから、その要素も含めてだしなー。

サツキ : そこはサクラちゃんの自由だから、思いっきり好きなようにやっちゃえー!

水無月 : やっちゃえー!


「はーい! そうさせてもらいます!」


 ふふーん、これで今日の実況外のプレイの内容はこれで決定! それをやる為にも、まずは水への適応進化を終わらせないとね! 結局、宝石系のアイテムは手に入ってないけど……。

 可能であれば、途中で貝を見つけた湖の底の近くに行きたいかも! あ、でもどの辺だったか覚えてないよ!? むぅ……そこは誰かが覚えてないか、後で聞いてみよ!


「さてと、それじゃ残り1回の死亡をやっていきましょう!」


 何はともあれ、水への適応進化が終わらなきゃ色々と進まないもんね! という事で、最後の窒息をする為に水の中へと潜るのです! 


サツキ : 最後の1回、開始!

水無月 : あと少し!

咲夜 : ここから変な事が無ければいいけどなー。


「咲夜さん、不穏な事を言わないでもらっていいですかねー!? なんか実際にそうなりそうで怖いんですけど!?」


 具体的にどういう可能性があるのか、全然思いつかないけど! それでも咲夜さんが言うと、なんか不安になるよ!? 今まで色々と変なフラグになってたもん!


咲夜 : す、すまん……。

こんにゃく : この状況から失敗する要素って何かあったっけ?

ミツルギ : ここからの失敗となると、適応進化の条件のリセットだろうけど……水中での死亡は、基本的に『水中で死亡』にまとめられるしな。

いなり寿司 : 陸地の近くならそっちに引っ張り上げられる危険はあるけど、今の位置ならその危険もほぼないだろ。

チャガ : あり得るとしたら……空中に吹っ飛ばされて、そこで死亡か? その場合、水中での死亡カウントにはならないはずだが……。

ミナト : 特に強い吹っ飛ばし効果が出る突撃系の攻撃を真下から受ければ、その危険は少しだけあるかも? サクラちゃん、念の為だけど真下に要注意ね!


「そういう事ってあるんです!? 真下に要注意は了解です!」


 まさか、本当に変な事が起こる可能性があるとは思わなかったよ! ここまで頑張って水への適応進化が発生するように水中で死んできたのに、それが失敗になったら大惨事だよね!?

 うん、可能性は低い気はするけど、水の中で窒息を狙いながら真下を警戒! 咲夜さんのコメントは本当に時々おかしな事を引き起こしてくれるから、本当に要注意!


神楽 : わっ!? なんか真下にサメがいる!?

金金金 : 湖にサメ!? あ、なるほど。これはあれか。


「え、なんで湖にサメがいるんです!? 状況が状況なので、これを使いますね! 『看破』!」


 交戦状態にはしたくないから、識別は使わない! えーと、このサメは……Lv28の『頑強なチョウザメ』? あれ? なんかチョウザメってどこかで聞いたことがあるような?

 まぁいいや! とりあえず堅牢系統だし、少し距離はあるし、下手にこっちから手出ししなければ大丈夫なはず! 他にもブラックバスとかナマズもいるけど、更に距離はあるから大丈夫だよね!


水無月 : チョウザメはキャビアの……どう言ったらいいんだろ? えーと、キャビアがチョウザメの卵の塩漬け!


「あ、三大珍味の1つです!? なるほど、聞いたことがある訳ですね!」


 そっか、そっか! キャビアって食べた事ないけど、何かで名前を聞いたことがある訳だよ! ……まさかこんな形で、そのチョウザメを見るとは思わなかった!


ミナト : チョウザメは淡水魚だから、普通に湖にいるんだよねー。逆に海にはいないし、プレイアブルにもなってない種族だよー! ちなみに、サメという名前は付いてるけど、サメの仲間ではない!

ヤツメウナギ : 見た目が似てるからって名前にはあっても、分類したら全くの別種というのは結構いるよな。

いなり寿司 : ヤツメウナギさんが言うと説得力あるな。その1つだろ、ヤツメウナギ。

ヤツメウナギ : まぁな!


「あはは、ヤツメウナギはウナギじゃないって話も出てましたよねー!」


 確かその話が出てたのは昨日だっけ? そっか、そっか。チョウザメもそれと同じように、サメという名前が付いてるけど、サメじゃないんだね! ちょっと勉強になった気がする!


ケースケ : それはそうとして……この状況は大丈夫なのか?

富岳 : 堅牢系統の敵だし、下手に手を出しさえしなければ襲ってはこないはずだ。それにもう窒息になり始めたし、おそらく何かあってもそっちで死ぬ方が早い。

ミナト : 危険だとすれば、他の敵がチョウザメを襲って戦闘に入って、流れ弾を受ける事くらいかな? でも、周囲にはそういう気配はないから、多分大丈夫!


「堅牢系統だから安心してましたけど、危険性は残ってたんですね!?」


 わわっ!? まさかの、油断しちゃいけない段階だったー!? あ、でも窒息になってガンガンHPが減っていってるし、もうこのまま無事に死んでいけそう! ……やっぱり無事に死ぬって言葉がなんか変!


<サクラ【巧妙なライオン】が死亡しました>

<規定条件を達成したので、成熟体【巧妙なライオン】を成熟体【巧妙なライオン【水】】への適応進化が発生します>


「おぉ、始まりましたね、水への適応進化!」


 ふっふっふ、無事に30回の水中での死亡の条件は達成なのですよ! これ、皆さんに教えてもらってたから気楽に出来たけど、完全に何も知らずにやってたら慌てそうだよね!


サツキ : サクラちゃん、進化開始ー!

水無月 : このパターンの進化を見るのは初めてだよね!


「強制的なのは初めてですねー! どうなるかが気になります!」


 今の状態は、既にライオンが死んで中身の光だけでその場に漂ってる状態だもんね。復活先の選択はなかったし、ここからどういう風な進化の演出になるのかなー?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る