第466話 シジミの集団
わー!? シジミを何体か踏みつけちゃって、予想外に乱戦状態になっちゃってる!? 今、4体だけど、まだ増えたりは……気を付けなきゃしそうな予感!?
「ここからなら、多分届くはずです! えいや!」
そこまで湖には入ってないし、陸地は見えているもんね! 距離的に、多分いけると思う! 駄目だとしても、この近くを不用意に歩いてシジミを増やす方が駄目だもん! という事で、思いっきりジャンプ!
サツキ : サクラちゃん、いっけー!
水無月 : いっけー! あ、マップへの反応でもう1体増えた!?
ミナト : 砂利の奥に隠れてたシジミに、ジャンプした反動が伝わっちゃったかな?
金金金 ; あー、力の入り加減で微妙にその辺が違ってくるのか。
富岳 : あぁ、その辺はここが砂利の場所だからだな。砂浜ならそういう事は少ないぞ。
ミツルギ : 砂浜の場合は波の影響で剥き出しになったり、隠れたり、そういう要素で変わってくる部分になるけどな。この感じだと索敵のLv不足もありそうだ。
「あ、そういう感じなんですね! わー!? ギリギリ届かないです!? でも、ここまで来れば十分ですね!」
ちょっと陸地までは届かなくて水飛沫を上げちゃったけど、それでもなんとか陸地の前までは移動は終わった! ふっふっふ、陸地まで来たら有利なのは私の方だもんね!
でも、ジャンプをする前にシジミに何度も体当たりされて、胃袋拡大でのストック分はもう少しで無くなりそう!? うーん、まぁHP自体は全快状態だから、決して悪くはないのかな?
「とりあえずシジミを倒していきますよ! 噛みつきも終わったので、これは出しときます!」
噛みつきで口の中にいたシジミをペッと吐き出しておくのですよ! まだ萎縮が続いていたけど、下手に口の中に残して暴れられても困るもん!
そして、すぐに湖に向き直るのさー! えっと、交戦状態に入ったシジミは合計で5体? むぅ……Lv的には27か28の範囲だからちょっと格上! でも、どれも堅牢系統だし、サイズが小さいから攻撃はしにくいよ!? 全部が見えるように、もうちょっと陸地部分の奥へと下がっておこう!
金金金 : 陸へと下がるライオンと、そのライオンを追い詰めるべく湖から上がってくるシジミが5体! ……どれも堅牢系統なのな?
いなり寿司 : これは俊敏のスキルツリーにある『隠れ身』じゃなくて、堅牢のスキルツリーにある『保護色』の方だな。
水無月 : それって、どう違うの?
いなり寿司 : 『隠れ身』は元々の見た目が擬態するようになってる種族が持ってるけど、『保護色』は周囲の景色に合わせて色が変わるって違いだな。
咲夜 : ぶっちゃけ、看破に反応しない部分は同じだけどな!
「あ、地味に灰色の一般生物の反応も結構出てます!? あれ? これって、普通のシジミも踏みつけまくってました?」
交戦状態にならないとマップには表示されないはずだけど、こうやって表示が出てるって事はそういう事だよね!? でも、ぱっと見では一般生物の表示も出てなかった気がする?
普段は一般生物はスルーしてるけど、今回は素で出てなかったような? んー、これってどういう事なんだろ?
金金金 : 不思議そうな狐っこ娘アバター。そういや一般生物って、看破でも反応はなかったっけ?
ミナト : 同種の種族で群れを形成してる状態は、ボスになる知恵系統の敵がいる事が多いからね。そういう敵がいた場合は、一般生物も一部のスキルの影響を受ける事はあるよ。私が見間違えたのは、一般生物のシジミの群れで黒くなってた部分だったしね。
ミツルギ : 前にメダカの群れがいて、一般生物のメダカを魚雷にして飛ばしてくるとかあっただろ。あんな感じだ!
金金金 : あぁ、なるほど。
「あ、そういう感じになるんです……って、それって一般生物のシジミをぶつけてきたりしませんかね!? というか、湖の中にいたシジミが陸に上がってき始めました!?」
わわっ!? このシジミたち、体当たりをする感じで吹っ飛んで出てきてるけど、どうやって動いてるの!? 貝殻の中身がどうにか動かしてるんだろうけど、挙動が謎過ぎるよ!?
「ともかく、数を減らしていきますね! 『放電』『放電』『放電』!」
最初に弾き飛ばしたシジミも迫ってきてるから、まずは一番近くのそのシジミに放電を連発!
「あれ? 堅牢系統の割に、結構HPが削れてます? あ、地味に生命が弱点になってるじゃないですか!?」
あ、そっか。さっき、こんにゃくさんだったかな? 経験値は少ないって言ったのは、数が多い分だけ堅牢でも倒しやすいって意味なのかも!
こんにゃく : まぁ1体ずつは雑魚だからなー。この手のは、群れてるからこそ恐ろしいやつだ。
イガイガ : 群れる奴は、単体ではそう強くはないようになってるぞ。
神楽 : ねぇ、敵って基本的にランダム生成なんじゃなかったっけ? 同じ場所にこういう進化系統と種族の偏りって、そう発生するものなの?
富岳 : そこは順番が逆だ。群れを形成できる個体がランダム生成された時に、それに合わせて群れの一員になる敵が形成されるからな。
ミナト : この場合は知恵系統のシジミが最初に生成されて、それが群れを形成できるように他のシジミが生成されたって流れになるね。
神楽 : あ、そういう順番なんだね!?
ミナト : ただ、知恵系統の敵は様子見をする事があるから、今は襲ってこない可能性もあるよ。
神奈月 : ……自分たちが有利だと判断すると、途端に攻撃的になるやつ!
ミツルギ : アサリの場合だけど、一般生物のアサリもけしかけて袋叩きになる事もあるからな。まぁ陸に退避したなら大丈夫だとは思うぞ。
「そうなんですか!? 恐ろしいですね、貝の群れ!?」
やっぱりモンエボで出てくる生物って普通じゃないよ! まぁモンスターなんだし、普通じゃなくて当たり前な気もするけど!
「という事は、群れそのものを壊滅させれば進化ポイントが沢山手に入りそうですね! それならこれで……の前に、少しお試しです! 『覇気の咆哮』!」
ふふーん、昨日解放してから使う機会が無かったけど、どんどん迫ってきているシジミ達に向けて使ってみるのですよ! 萎縮になる確率は単純な咆哮よりも下がるけど、それでも可能性自体はあるはず!
えーと、発射の仕方は……あ、溜めはないっぽいけど、獅子咆哮と同じような感じなんだ! 凝縮率は変化させずに、素のままで発動しちゃえ!
「おー! なんか力強い咆哮って感じです!」
使ってみた感じは獅子咆哮の狙い方で放つ、咆哮って感じ! さて、近付いてきてるシジミには全部に当たったと思うけど、効果はどうだろね?
水無月 : おー! 新スキルだ!
金金金 : おっ、体当たりで移動してたシジミが2体落ちたな。
神楽 : 動いてなかったシジミ2体が萎縮になった!
チャガ : あー、待った。広範囲に届き過ぎだ。
ミナト : あらら、マップ表示に一気に表示が増えたから、群れの本体にまで届いちゃってるね。
富岳 : 『戦意の把握』で射程は見れていたはずだけど、確認せずにそのまま使ってたしな。
G : まぁその辺はサクラちゃんらしい事ではあるぞ!
神奈月 : それは確かに。
咲夜 : だよなー!
「ぎゃー!? 確かに全然射程は確認してなかったですよ!? でも、攻撃するつもりがないとこまで届いてるって、効果範囲が思ったよりも広いんですかねー!?」
待って、待って、待って!? 迫ってきているシジミ達の足止めだけのつもりでお試しで使っただけなんだけど、これは想定外だよ!?
うぅ、止まっているシジミも結構いるけど、迫ってきているシジミの方が多い!? 合計で10体くらいいない!? でも、1体ずつは弱いならなんとかなるかも!
「だったら、これです! 『雷纏い』『獅哮衝波』!」
1体ずつが小さくて攻撃しにくいし、放電だけじゃこの数は相手し切れないもん! 体当たりで攻撃してくるのが基本っぽいし、避け切れない攻撃はダメージ覚悟で麻痺させる! それでその後に、一気に殲滅なのですよ!
でも、攻撃は出来るだけ受けたくないから距離は取って動くのさー! その為に、1段階目の溜めの完了までは動けるこっちで!
ミツルギ : おっ、一気に殲滅する気だな!
富岳 : 距離を取りつつ、避け切れないのは麻痺させていく作戦だな。
ヤツメウナギ : 作戦としては、普通にありか。
G : やっぱり雷への適応進化は汎用性も高くて強いもんだな!
咲夜 : 流石は最強格の適応進化!
サツキ : サクラちゃん、一網打尽を狙っちゃえ!
水無月 : やっちゃえー!
「はい、そのつもりでやっていきます! って、飛んでこないでください!」
シジミの体当たりに思ったほどの勢いはなかったから、前脚で叩き落してみたら普通に落ちちゃった? んー、スキルを使わない状態での体当たりだったのかも?
うがー! スキルを使ってるか使ってないか、ぱっと見じゃ分かりにくいよ!? うーん、勢いがあるかどうかが見分ける基準なのかな? まぁいいや、とりあえず叩き落せそうなのは回避じゃなくて叩き落しちゃおうっと!
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