第440話 スキル同士の連携


 疾走の効果が切れたから、一旦ストップなのですよ! あ、思った以上に薙ぎ倒した木の範囲は進んでたみたい!


「薙ぎ倒した木々の端が見えてきましたねー! でも、今は一旦止まります!」


 ふふーん、雑談の中で『覇気の咆哮』が気になってるし、解放出来るだけの進化ポイントがあるかを確認なのさ! ……組み合わせて化けるスキルは、正解は分かってないままだけど!


サツキ : 今の進化ポイントの確認だー!

水無月 : 確認だー!


「まずはそこを確認ですねー! えーと、今の進化ポイントは41ほどあります! それで必要な進化ポイントは……」


 『覇気の咆哮』は第7段階のスキルで、そこまでに前提で第5段階と第6段階の『器用+10』の解放が必要になる状況! 第5段階で10、第6段階で15、第7段階で20の進化ポイントが必要だから……。


「微妙に足りませんね!? 足らずの進化ポイントは4ですか……」


 むぅ、敵2体分の進化ポイントが足りてなかった! でも、これくらいならそこまで時間もかからずに確保出来そうかも?


金金金 ; 微妙な足らなさ具合だなー。まぁすぐに稼げそうな範囲だけど。

ミツルギ : 索敵にも反応は出始めてるし、進化ポイント4くらいならそう手間はかからないだろ。

G : 手間はかからないだろうけど、そもそも『覇気の咆哮』を取るのは確定なのか?

富岳 : そこはまぁサクラちゃん次第だが、化ける組み合わせを把握してから決める方が良いとは思うぞ。

ミナト : 今日のサイコロタイムで色々確認したけど、使えるスキルは他にも色々あるしねー! 最終的には、サクラちゃんの好みでだけど。

神奈月 : 確かになー。今日見た中でなら、屈強のパッシブスキルはどっちも強力だったりするし、吟味するのもありだぞ!


「……そう言われると、確かにそうですよね!? むぅ……悩ましいとこです」


 『覇気の咆哮』は確かに気になるし、組み合わせて化けるって話だからそこを知ってからの方が良さそうなのは間違いないよね! それとは別の選択肢もありって話も良く分かる!

 うがー! 可能なら全部解放したいくらいなんだけど、それには全然進化ポイントが足りないよー!?


「……移動を続けながら組み合わせて化ける内容を考えましょうかねー。疾走はなしで、引き続き、薙ぎ倒した木々の上を駆けていきましょう!」


 とりあえずのゴールはもう見えてるし、まずはそこまで移動だー! ふふーん、サクサク移動はもうちょっと続くのです!


「あ、どうせなら辿り着いた時に続きを破壊出来るようにしましょう! 『獅哮衝波』!」


 ふっふっふ、駆けながら溜めを開始! 薙ぎ倒した木々の端まで行ったら、そこから更に薙ぎ倒して道を作るのですよ! 正直、そのままだと疾走が使いにくいから、この移動が楽なのです!


サツキ : 更なる破壊行為の準備を開始!

ミナト : サクラちゃん、何気に今の移動方法が気に入ってる?


「あ、はい! 警戒する範囲が少し減ってる感じなので、今の方が正直移動はしやすいですね! 移動速度も速いですし!」


 これが私の偽らざる気持ちなのですよ! あと、単純に吹っ飛ばして破壊するのが少し爽快ではあるよね! リアルじゃやろうと思っても絶対に出来ないし、仮にやれたとしてもやったらダメな事だもん!


いなり寿司 : これは……もしかするとシンプルに『移動速度強化』が便利なのか?

チャガ : あぁ、確かにそれはありかもしれんな。

こんにゃく : シンプル故に、効果はデカい?

富岳 : 今みたいな移動の時でも、普通に森の中を移動する時でも、恩恵は常に受けられるからな。

ミツルギ : なんだかんだで移動に専念してる事も結構あるし、『疾走』の移動速度にも上乗せになるからな。


「あ、そう言われるとそうなるんです? ……確かに、それはありかもしれませんね! というか、これも組み合わせて効果が強くなるタイプですか!」


 確か『移動速度強化』は第5段階のスキルだったはずだし、解放してもそんなに負担はないよね? シンプルな効果だからこそ恩恵は大きそうだし、選択肢としてはありな気がする!


ミツルギ : あー、パッシブスキルでの常時ある恩恵って、組み合わせて使うと言っていいのか?

ミナト : うーん、ちょっとそこは違う気がするね? ずっと出たままの効果な訳だし……。

咲夜 : 組み合わせてって言うのは、やっぱりアクティブスキル同士の相乗効果だよな!

ヤツメウナギ : その判断基準には俺も賛成だ。


「あー、そういう感じの判断になるんですか! という事は『覇気の咆哮』と組み合わせるスキルも何かのアクティブスキルになるんですねー!」


 今の理屈なら、そういう事になるよね! それに、ここまでの話的に、『覇気の咆哮』の解放だけを気にしてる感じだから、組み合わせて化けるスキルは既に私が解放済みのスキルになるはず!

 ふっふっふ、正解に至るまでのヒントを得たのですよ! 『覇気の咆哮』はそのまま使えば広範囲に影響があるんだし、組み合わせるのは広範囲に対して効果があるスキルかな? ……あれ? そもそも、そういうスキルってそんなに種類が無いような? はっ! 分かった気がする!


咲夜 : あー!? サクラちゃんに誘導尋問をやられた!?

富岳 : ……今のは誘導尋問か?

ミツルギ : 大きなヒントにはなっただろうけど、誘導尋問ではない気がする。どちらかというと、俺や咲夜さんの自滅なような……。

サツキ : 今のは自滅だと思います!

水無月 : 同じく思います!

G : まぁ自滅だな。

真実とは何か : それが真実である!

咲夜 : 容赦の欠片もないな!?

金金金 : そうやってバカやってる間に、ほくそ笑む狐っ娘アバター。答えを思いついたか?

神楽 : これは何か思い至ってる顔だね! 結構なドヤ顔!

神奈月 : おっ、これは正解が出るか!?


「ふっふっふ、確かに思いつきました! でも、2種類あるんですけど……とりあえず両方言ってみていいです?」


 2種類は思いついたんだけど、どっちが正解かが分かんない! 実際に使ってみないと、判断し切れないんだけど……。


「って、わわっ!? あ、1段階目の溜めが終わっちゃいました!? ……どうせなんで、2段階目の溜めにも入りましょうか!」


 もう普通に生えている木々が普通に見えるまでの距離まで来てるもんね! ここからなら2段階目で撃てば、結構な範囲の破壊は可能なはず!

 ちょっと射線上に赤い印が見えてるけど、それで進化ポイント4を稼げたら丁度いいよね! まぁまだ『覇気の咆哮』にするかは未確定だけど!


イガイガ : 1段階目までの溜めの完了は、まぁ早いもんだな。

富岳 : まぁ動きながら使う想定の段階ではあるからな。あまり長すぎると実用性が乏しくなるし、こんなもんだろうよ。

チャガ : そうだな。それで、サクラちゃんの導き出した2つの答えはなんだ?

G : 何と何が出てくるのか!?


「えっとですね。『威嚇』と『縄張り』のどちらかです! 寄ってくる複数の敵に向けて、動きを止めるのに使えると思うんですよ!」


 広範囲に対して使うんだから、広範囲の敵が集まってくる状況に有効だと思うんだよね! でも、どっちかが分かんない!


ミツルギ : あー、サクラちゃん? それ、どっちも正解だ。

富岳 : だな。どっちも組み合わせて使えば有効だし、使い方自体もサクラちゃんの想定で正解だ。


「……え? どっちも正解なんです!?」


 待って、待って!? 両方正解なんて事は考えてなかったんだけど!? え、そんな事ってあるの!?


金金金 : 驚く狐っ娘アバター。まぁそもそも正解は1つとは誰も言ってなかったか。

ミツルギ : まぁ『縄張り』の場合は、『畏怖の気迫』があればって条件もあるけどな。あれ自体が『威嚇』みたいなもんだし。

こんにゃく : 『縄張り』単体でもそれなりに効果はあるけど、効果を増すには『畏怖の気迫』が重要ではあるもんな。

咲夜 : まぁぶっちゃけると、サクラちゃんが雷纏いで麻痺させてるのと同じような運用方法だぞ! 乱戦にした状態で、麻痺の代わりに萎縮をバラまく!


「あ、そういえばそうでした! なるほど、そういう使い方になるんですね!」


 そっか、そっか! 私が雷纏いで麻痺させているのと、基本的なやり方は一緒なんだね! あれ? そうなると、雷纏いがある私としては微妙な選択肢になってくるの?


「……雷纏いがあれば、不要になってくるんですかねー?」


 もう答えは出たんだから、ここは素直に聞いちゃえ! 不要と言われたら、解放する意味もないもんね!


ヤツメウナギ : 全く不要って訳ではないけど、『覇気の咆哮』での萎縮はスキルLvが低いうちは確率が低めだからなー。雷纏いの麻痺の方が強力ではある。

ミツルギ : まぁスキルLvが低くても、雷纏いと併用するってのはありだぞ。遠距離攻撃を仕掛けてくる器用系統の敵を、何体かは少しの時間の行動不能には出来るからな。

咲夜 : 萎縮と麻痺の両方で、動き封じだな!


「あー、併用するって方法がありました! 器用系統の敵封じに使えるのはいいですね!」


 萎縮の効果時間は長くないけど、攻撃もキャンセル出来る事を考えたらかなり良い気がする! どっちかしか使えないって考えちゃってたけど、同時に使ってもいいんだよね!

 ふふーん、これは『覇気の咆哮』を解放は確定かな? 『移動速度強化』も心惹かれるけど、乱戦で役立つスキルは欲しいもんね! よーし、それじゃ今の2段階目の溜めで2体の敵を倒して、必要なだけの進化ポイントを用意しちゃおう!

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