第382話 効果的な倒し方
ふっふっふ! いくら硬くても、出血と毒の前には無意味! 防ぐ為の手段が根本的に別のステータスになってるんだし、知恵が弱点なんだからこうなって当然だよね!
「起き上がらせません! 『振り回し』!」
ちょいちょい起き上がりそうになるカメの頭を、後頭部側から先の方へと払う感じで前脚を振り切る! なんか、ちょっと違うけど、だるま落としでもしてる気分!
金金金 : こうしてみると、エリアボスでも形無しって感じだよな。
ミツルギ : まぁエリアボスだからって、弱点がないって訳じゃないからなー。
G : 今回は知恵が極端に低そうなのと、サクラちゃんが2種類の継続ダメージを与える手段を持ってたからこそだぞ!
咲夜 : 噛みつき攻撃をしない相手に毒の実を食べさせるのって難しいもんなー。
「確かに毒の実を食べさせるのは一苦労しそう……って、出血の効果が切れましたけど、なんか妙に早かったですね? 『爪撃』! むぅ……出血になるのは確定ではないみたいですし、次はこれです! 『連爪』! またなりませんでした!?」
うがー! 出血は便利だけど、絶対に決まる訳じゃないのが面倒! むぅ、こうなれば、頭を攻撃しまくって、意地でも出血にしてやるのですよ!
「数が多ければ、可能性も上がりますかねー!? 『爪刃乱舞』!」
爪での連撃、いっくよー! うりゃりゃりゃりゃりゃりゃー! これで、どうだー!
「……出血になってくれないんですけど!」
富岳 : あー、まぁその辺はちょっとした仕様があるにはあるんだが……ネタバレという程でもないからいいか?
いなり寿司 : そういや、出血になりやすいスキルとなりにくいスキルってのもあったな。出血が回復しやすいパターンもある。
水無月 : そんなの、あるんだ!?
ミナト : うん、あるねー。『出血効果』自体にはLvが無いから、効果の出るスキルの種類で成功確率が変わってくる仕様だよー。サクラちゃん、この辺は聞く?
「あ、それは気になるので教えてもらってもいいですかねー!?」
さっきから全然成功しない理由と、出血の方だけもう切れちゃってる意味も知りたいもん!
富岳 : おし、聞くなら説明しようか。まぁ単純に、連撃攻撃よりも単発攻撃の方が出血にはなりやすいぞ。生命が高いと出血効果は回復しやすいって要素もある。
いなり寿司 : 生命が高いと傷口が塞がりやすいって感じだな。
G : 地味に『自己修復』には……あー、これはネタバレ案件か。
「あ、言われてみればそれはなんとなく分かる気がします! そのネタバレ案件は気になりますけど、そこは聞かない事にしておきますねー!」
どういう内容かは気になるけど、自己修復って名前からして修復してるって事なんだろうね! という事は、地味に自己修復を使われてたの!?
でも、もうHPは残り3割まで減ってるよね? 毒のダメージが、回復量を上回ってるのかも!
ミツルギ : 『自己修復』のネタバレ案件は触れない事にして……連撃攻撃だと出血になりにくいのは、まぁ単純に1撃ずつの威力が低めだからだな。あと、噛みつき攻撃よりは爪での攻撃の方が出血にはなりやすい。
ミナト : サクラちゃんの今のスキルでなら、『爪撃』と『双爪撃』の確率が高めになるねー。
「連撃だと出血にはなりにくいんですか!? 噛みつき攻撃より爪攻撃の方が効果的なのはなんとなく分かります!」
全部のスキルで同じように効果は発揮してくれないんだ。んー、でもよく考えたら、連撃攻撃と単発攻撃が同じだけの確率だったら、回数が多い方が圧倒的に確率は上がりそう! あ、だから連撃の分類にはなるけど、実質2回同時攻撃の双爪撃は出血になりやすいのかも!
「そういう事なら、これでいきます! 『双爪撃』! ……あれー?」
いけそうな気がしたんだけど、出血効果になってくれなかった! むぅ……今日はとことん運要素の部分が悪い方ばっかり引き当ててる気がする……!
サツキ : サクラちゃん、ドンマイ!
神奈月 : まぁこの辺は運要素だからなぁ……。
チャガ : 基本的には知恵での耐性で防ぐもんだけど、出血の場合は敵の防御力の高さも多少は影響してるぞ。
ヤツメウナギ : 確か、1撃のダメージ量が多いほど効果が出やすいんだよな。
神楽 : 硬い亀はダメージが出にくいから、そもそも出血が入りにくくなる感じ?
富岳 : そういう事になるな。まぁそれでも、今みたいに攻撃が通りやすい部位があったりもするから、全く無意味って訳でもない。
「あ、そうなんです!? それなら、なんとか頑張って攻撃を続けていきたいとこですね! 『連爪撃』! むぅ……また駄目です」
このカメ相手には出血効果が出にくいのは分かったけど、それでも可能性がある限りは攻撃していくのみなのさー! 頭を攻撃しても、甲羅よりはマシってくらいにHPの減りはよくないけど、この辺が出血効果が出にくい要素なのかも?
「あ、そうしてる間に残りHPは2割くらいまで減りましたね! 毒の効果は偉大です!」
自分が使われると嫌だけど、自分が使う分には便利だよねー! 採集し過ぎて完全体の敵には殺されたけど、それでも沢山補充が出来てよかったのですよ!
金金金 : ふと思ったんだが、こういう出血狙い用に屈強の単発系のスキルを解放しておくのはありなのか?
ミツルギ : ありといえばありだけど、それを狙うなら知恵の『凝固妨害』もセットで欲しいとこだな。
水無月 : あ、なんかそんなスキルもあったね!? 結構スキルツリーの先の方だった気がするけど。どういう効果なの?
「それは私も気になります! それなりに進化ポイントが溜まってたはずなので、内容次第では解放するのもありな気がしますねー。あ、でもそこは自分で確認した方が良いような……?」
なんでもかんでも聞くのはなーし! 多分スキルの説明欄を見れば分かりそうな気もするし、スキル名が『凝固妨害』なら、何かが固まるのを防ぐって効果みたいだよね? うーん、そこから思いつく効果の内容は……はっ、これだー!
「えっと、もしかして『凝固妨害』って出血の効果時間の延長だったりします?」
サツキ : サクラちゃん、大正解!
ミツルギ : おっ、案外とあっさり答えに行きついたか。まぁ名前から想像出来るタイプのスキルだしなー。
「やった、正解です! 確かに出血を狙っていくなら、効果時間を延ばすスキルがあるなら欲しいとこですよね! だから、起き上がらせません! 『振り回し』!」
悪足掻きをして起き上がってこようとするカメをまた邪魔するのですよ! ふっふっふ、このエリアボスのカメは私相手に何も出来ていない! ただデカくて硬いだけの、雑魚な感じ!
「あ、毒が切れました。残りHPが1割ですし、そのまま効いてて欲しかったですけど仕方ないです! 『投擲』! ちゃんと毒はすんなり入ってくれますね!」
うふふ、ちょっとその辺が心配だったんだけど、そこは杞憂だったのですよ! でも、出血効果も効いててくれたらもう倒せてそうなのになー。
こんにゃく : 毒の実って、投擲の弾として使えば基本的に成功率100%だよな?
ミツルギ : 知恵が高くなければ、まぁそうなるな。食わせても同じだが、そもそも食わせるのが難しい行為にはなる。
ヤツメウナギ : この辺はアイテムとして消費するからこそだなー。
G : スキルでの毒の方が、結果的には強いけどな! 自前での毒持ちは自然と知恵が高くなるから、毒の凶悪さは増していく。
真実とは何か : それが真実なのである!
富岳 : まぁ知恵が低くても一定の効果が見込めるって意味では、毒の実を使った投擲は有用だぞ。
「あはは、まぁそうなりますよねー! そうなると、もっと大量に毒の実が欲しくなりますけど――」
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<エリアボスを討伐しました>
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が成熟体:Lv8に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを4獲得しました>
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が成熟体:Lv9に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを4獲得しました>
「わっ!? 一気にLv2も上がりましたね! あ、そういえばこのカメ、Lv10だったんでした!」
途中からすっかり忘れてたけど、格上のエリアボスだったよ! ふふーん、それならこの経験値の量の多さにも納得! これでまた強くなったのです!
出血効果が役に立つ敵に遭遇したし、その辺を強化するのもありかも? あー、でも昨日解放した連撃攻撃のスキルLvがまだ全然上がってないし、スキルを増やしてばっかりも駄目なのかな? うーん、まぁその辺も考えながら、東端のエリア切り替えの場所まで移動だね!
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