第378話 現在地の確認


 最終進化やその名前の話とかをしてて、思いっきり脱線しちゃってたけど、改めてランダムリスポーンをした先の場所を確認! マップを最大表示なのですよ!


「えーと、現在地は……南西の端の方って、随分と遠くに飛ばされましたね!?」


 むぅ……目的地が南側ならすぐにでも次のエリアに進める位置だけど、そこは東側から進んで行く事にもう決定済みだしねー。うーん、でも端から端までの移動になるよね、これ。


ミツルギ : 南北の位置は気にする必要はないにしても、東の端を目指してるのに西の端とは……。

富岳 : 『再誕の道標』は出なかったし、ほぼ同じ場所にランダムリスポーンするし、その後にこれか。……今日は運が悪い日か?

サツキ : 咲夜さん、何か運が良くなるような事を言ってフラグ立てちゃって!

いなり寿司 : やめろ、サツキさん! それは逆にそうならないフラグにしかならん!

咲夜 : 俺の扱い、どういうものなんだよ!?

ミナト : 実際、本当に『再誕の道標』は出なかったしねー。あれだけ採集しても1個も出ないのは、早々ないんだけどなー?

水無月 : そうなんだ!?


「……やっぱり咲夜さんのせいですかねー? 私の物欲センサーより、咲夜さんの物欲センサーが働きまくってませんでした?」


 もう途中からは、確実に私よりも出て欲しがってたもんね。でもまぁ絶対に必要って訳でもないし、『増幅草』は手に入ったし、特に問題はないのですよ!


咲夜 : うぐっ!? 視聴者の物欲センサーって反映されるもんなのか……?

G : まぁ元々、実際にゲームのシステムとして組み込まれてるものでもないからなー。

神楽 : 本当に物欲を読み取って出ないようにしてるシステムなんて、実在するのが分かったら……大炎上だよね! 盛大に燃やしに行くよ!

金金金 : それは間違いない。まぁ過去の課金が酷い時代には、ランダムでの有料アイテムなのに絶対に出ないような細工なんてのも実在してた訳だが……。

サツキ : 実際に問題になったのもあったねー。……でも、お金は返してくれないんだよね、ああいうの。大体、ゲーム内通貨で払い戻し!

ミナト : フルダイブの一般普及に合わせて色々と今は規制されたけど、よくもまぁまかり通ってたもんだよね、あれ。

富岳 : 新規実装のキャラを確実に手に入れるのに数十万とか、当たり前のようにあったからな。基本無料のゲームは色々とヤバかった。


「昔のゲームって、そんなのがあったんです!? なんというか……無茶苦茶ですねー?」


 なんか姉さんは実感が篭ってる感じだし、身に覚えがあったりするのかな? というか、姉さんに身に覚えがあるのなら、そこまで極端に昔の話でもなかったりするの!? フルダイブの普及に合わせての規制なら、私の小学生の低学年の頃くらい?


「というか、基本無料のゲームとかあったんですねー! でも、何十万って何がどうなったらそうなるのか謎です……」


 そんなの、高校生の私じゃまともにプレイも出来そうにないよ! ひと昔前のゲームって、なんか怖いよ!? 


イガイガ : 過去のゲームは、時期によってはとんでもなく闇が深い……。

真実とは何か : それが真実なのである!

ミツルギ : 今はオフラインゲームなら新作なら買い切り、旧作なら大幅な値引きか月額での遊び放題、オンラインゲームなら月額制が標準だからなー。

ミナト : AR表示が標準になってるから、物理的なモニターが不要になってるのも大きいよねー。

富岳 : AIの発展で、開発支援にもなって開発費自体の大幅削減になってるのも大きい部分だな。技術発展の恩恵は色んなとこで出てる。

ミナト : だけど、重要な部分はやっぱり人のセンスによるからねー! 開発責任者がダメなら、今でもダメなゲームは出る!


「あはは、確かにビックリするくらい面白くないゲームってありますもんね!」


 旧作を月額で遊び放題で色々やってた時期もあったけど、その中にも酷いのはあったっけなー。ストーリーが訳分かんなかったり、色んな表示が重なり過ぎてまともにゲーム画面が見えなかったり、バグが多くて進行不能に陥ったり!

 技術がどれだけ発展しても、それを活かす事が出来なきゃ意味がないって事なんだね! うん、当たり前といえば当たり前の事だった!


 姉さんが少しでも関わってたり、業界の友達の人が関わったりしたゲームをくれる事が増えてからは、月額でのやり放題はやらなくてなったんだよねー。今やってるモンエボも、旧作だからその中にあるのかな? 私は大幅値引きになってたのを買ったけど!


「って、また脱線してても仕方ないですね! えーと、普通に移動ですかねー? この距離なら、いっそもう1回死んでランダムリスポーンをした方が早そうな気もします」


 流石に目的地が遠いもんねー。この辺ならこのエリアの最大Lvが出てきそうではあるけど、それを確認しつつ死んでしまうのもありかも?


いなり寿司 : まぁ手段としては普通にありだが……エリアボスの捜索は?

神奈月 : この辺にいる可能性もあるから、即座に移動するのもどうかと思うぞー。

G : まぁいるという保証もないが……。

真実とは何か : 真実はまだ分からない!


「あ、確かにそれもそうですね。それなら、しばらくこの辺を探索といきましょうか! 『見切り』『看破』!」


 エリアボスを探すなら、すぐにここを離れたら意味がないのは確かだもんね! という事で、色々とスキルを発動してから移動開始!

 今いる場所はライオンより背の高い草むらの中だから、視界は悪い! ついでにちょっと移動もしにくい! うがー! この草むら、邪魔ー! 疾走しようにも、これじゃやりにくい……。


「あ、草むらが邪魔なら吹き飛ばせばいいだけですね! それじゃこれの出番です! 『獅子咆哮』!」


 ふっふっふ、邪魔ならそのまま消し飛ばせばいいのですよ! あ、でも草むらの中に敵はいると思うけど、それはどうしよう? んー、まぁいっか! えーと、『衝撃凝縮』はどうしよっかな?


ミツルギ : あー、その手段自体はいいんだけど……『索敵』は?

水無月 : サクラちゃん、敵の位置を把握する手段を忘れてるよー!?


「あー!? 完全に使うのを忘れてました!?」


 うがー! まだ使い慣れてないスキルだから、存在が抜け落ちてたよ!? うぅ……見えてない敵をマップに表示する事が出来たのに……ついさっき、自分でもどうしようか考えたとこなのに、完全に忘れ去ってたー! 何やってるの、私ー!


金金金 : なんだか複雑そうな表情で悶絶する狐っ娘アバター。忘れ去ってた事に気付いて、後悔中か。

咲夜 : まだ使い慣れてないから、存在が抜け落ちてたんだろうなー。

G : それは普通にありそうなパターンだな。

真実とは何か : それこそが真実なのである!


「確かに真実ですけど、もう少し早めに思い出したかったです! 具体的には獅子咆哮を発動する前!」


 うぅ……『衝撃凝縮』の使用の有無のチェックが出てるとこで止まってる段階だけど、スキル自体はもう発動しちゃってるからどうにもならないよー!

 はっ!? このカウントダウンされてるのは何!? 何か妙に目立つように出てきてるけど……あー!? 早く『衝撃凝縮』を使うかどうかを指定しろって事だー!? 溜め自体ももう始まってるよ!?


水無月 : なんか見たことない表示が出たよー? 指定時間の猶予期間?

富岳 : 『衝撃凝縮』を使うかどうかの確認だな。指定せずに今みたいに放置すれば、こうして出てくる。それもスルーすれば、オフの状態でそのまま『獅子咆哮』が発動だな。

こんにゃく : これ、前方だけに絞って放てばいいんじゃね? それなら草むらの上の方だけ削り取って、攻撃を当てる可能性も下げられるはず。

ヤツメウナギ : それならいっそ、前方にいる敵諸共、消し飛ばすつもりで最大まで凝縮した方がいいんじゃね?

G : どっちでもありだと思うが、急がないと時間切れで通常の発動になるぞ?


「わわっ!? もうそれなら、目の前の敵を消し飛ばす気でいきます! 『衝撃凝縮』ありで凝縮率100%で!」


 大急ぎでその設定にしたら、溜めが終わって目の前に撃ち出された! ふぅ、なんとか間に合ってよかったー!

 それにしてもすごい威力だねー! 凝縮した獅子咆哮が当たった部分の草むらは、塵となって消し飛んでるもん! その消し飛んだ草むらの上側がパラパラパラと落ちていく状況!

 それが少し先まで続いて……って、あれ? なんか岩があって、そこで止まってる感じだね。流石に岩までは壊せなかった……って、違うよ!?


「ここでエリアボスが出てくるんですか!? Lv10の『頑強なカメ【硬】』……って、名前に表示に【硬】があるんです!?」


 待って、待って、待って! その表記の仕方には覚えがあるけど、何か違うよ!? 私のライオンの雷への適応進化の表示に似てるけど【硬】って何!? これも適応進化の証なの!?

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