第374話 配信前の雑談


 今日はずっと寝てたか、出かけていたから、庭のデザインの続きは出来なかったけど……それでも色々有意義な事はあったもんね! それはともかく配信開始にはなったし、18時までは和室で待機! 今日の一番乗りは誰かなー?


水無月 : 一番乗り! サクラちゃん、こんにちはー!

サツキ : 今日も配信開始! 私の出ている、昨日の実況外のプレイもご覧あれ!


「水無月さん、こんばんはー! サツキさんは何をいきなり宣伝してるんですかねー!?」


 早かったね、水無月さん! 少し前まで偶然に偶然が重なって実際に会ってたのを考えると、なんだか不思議な感じ。姉さんは自重で! コメントが無いだけで、なんか人の集まり方が今日は早いから!

 むぅ、もしかして、来るのが早かった見覚えのある名前の方々が姉さんの同志……? その可能性はあり得そう!?


サツキ : 今度、機会があればこっちにも出させてねー!


「なにか盛大に乗っ取られそうな予感がするんですよねー。なので、お断りで!」


サツキ : 中々手強いね、サクラちゃん!

水無月 : どういうやりとりなの、これ!?


「なんなんでしょうねー? いまいち私にも分かってません!」


水無月 : そうなの!?


 姉さんが乱入を狙ってるのは確実だし、私を着せ替えようとしてるのは分かってるもん! 内容が内容だから、ここでは言えないけども! 水無月さんには後でリアルの方のメッセージで相談してみようかな?


 それにしても、私の衣装の着せ替えかー。今は桜の花びら柄の和服だけど、確かに色々着せ替えてみるの自体は楽しそうかも? でも、それを姉さんを筆頭にプロの人達にされるのは気後れが……!?

 というか、普通は私が衣装データを作ってもらう為にお金を払う側じゃない? 何故、私にお金を払って着せ替えの権利を買おうという流れになってるのかが謎!


ミツルギ : おーっす、サクラちゃん。どうした、自分の服を見て?

金金金 : これはあれか!? 夏に向けて、水着へ衣装替えか!? あ、こんばんは!

ヤツメウナギ : あー、もう夏だしな。でも、普段が和服なら浴衣というのもありなのでは……?


「水着に浴衣ですかー。確かにそういう季節ですもんね」


 そっか、全然その辺は気にしてなかったけど、季節的な衣装ってのもあるもんね。私が自分の和服を見てただけで、そういう話題が自然に出てくるんだ。うーん、そう考えてみると衣装替え自体は要望されても不思議でもないのかなー?

 でも、謎なのはやっぱり私にお金を払って……はっ!? お金が発生すれば、割と無茶な衣装でも強引に着るのを強要させられるから!? 何か危険な可能性がある気がしてきた!?


金金金 : ん? なんか妙な反応だけど、そういう計画をしてた訳ではないっぽい?


「えっと、まぁ今の時点で明確に計画してる訳ではないですねー。庭を作る予定にしてますし!」


 浴衣や水着なら自分で作るって手段もあるけど……そうなると姉さんがどういう反応をしてくるかが予想出来ないし……。


金金金 : それは残念……。

ヤツメウナギ : まぁ庭を作るのは前から言ってた事だしな。そっちが優先か。


「はい、そうなります! まぁ検討するだけはしてみますねー!」


 多分、自分で衣装替え用の物まで作る余裕はなーい! うーん、衣装替え自体には興味は出てきたけど、着るのが嫌な衣装は拒否できるような条件を付けて、色々と覚悟が決まったら姉さんの提案を受けてみるのもありかも?

 まぁまだすぐに決めなくてもいっか! それにしても、姉さんが食いついてきそうな話題な気はしたけど、そうでもなかったね? どうしたんだろ?


ミナト : サクラちゃん、こんばんはー! 昨日の実況外のプレイは、予想外の事態になってたね!?

いなり寿司 : まさかサツキさんが、声だけだけど出演してたとはな……。

水無月 : あれを見た時はびっくりしたよ!

サツキ : ふふーん、そうでしょうとも!

富岳 : それも驚いたが……なんだか最初の方は悩んでた様子だったが、大丈夫なのか?

ミナト : 確かに悩んだ感じの後に百面相をしてたけど……そこは心配ではあったんだよね。悩みがあるなら、相談できるような内容なら聞くよ?

イガイガ : こんばんは! ん? サクラちゃんのお悩み相談会か?


「あ、それは大丈夫です! ……というか、そんなに悩んだ様子ってありましたっけ?」


 んー? 確かに実況外のプレイの前には色々言われて悩んでた気はするけど、それって……よく考えたら録画を開始した後にも姉さんが乱入してくるまで悩んでた気がする!?


サツキ : その辺は今日も色々とあったんだけど、乗り越えたから大丈夫!

いなり寿司 : サクラちゃんが言うならともかく、サツキさんが言うのはどうなんだ?


「あはは、まぁ本当はそうなんでしょうけどねー! 悩んでた内容は姉さんも絡んでたのと、もう解決した内容なので本当に大丈夫です!」


 まだ完全に飲み込み切れた話ではないけども、それでも私なりに前に進めるようにはなったんだもんね。それに、自覚は無かったけども、前よりも確実に前を向けるようになってたんだしね!


真実とは何か : 何かを乗り越えた……それが真実のようだ! サクラちゃん、こんばんは!

ミツルギ : 確かに、何か今の表情は吹っ切れた感はあるな?

富岳 : 具体的な内容までは聞かないが、今は悩んでないなら良かったぞ。流石にちょっと心配だったからな。


「なんだかご心配をおかけしたみたいで、すみませんでした! でも、もう大丈夫なので今日も元気に配信をやっていきますよー!」


 なんか私的にも、今まで以上にやる気に満ち溢れてるもんね! うふふ、和室の庭のデザインもざっくりは出来始めてるし、明日にはもう少し詳細を練ってから、実際に作成に入ろうかなー?

 あ、でも明日は姉さんが帰っちゃうんだ。……もう少し色々と直接話はしたかったけど、流石にそれは我儘だよね。昨日も今日も、なんだかんだで色々してくれたんだし、ここから先は私が自分で頑張らないと!


咲夜 : おわっ! おぉ、今日は間に合わないかと思ってたけど、何とか間に合った!

水無月 : そんなに慌てなくても、まだ時間はあるよ?

咲夜 : ちょっと出かけてたんだけど、思った以上に混雑してたから焦ってなー。あー、間に合ってよかった。

こんにゃく : おーっす、今日も来たぞー! サクラちゃん、昨日の夜の飯テロは酷いぜ……。


「ふっふっふ、飯テロは容赦しませんからね! あ、お昼も食べに行ってて美味しかったですし、どうせなら飯テロをすればよかった気がします!?」


 色々とそれどころじゃない状況だったから、そういう発想が出てこなかった! 水無月さんの家のお店なんだし、宣伝もしちゃえばよかったのかも? うーん、でも個人経営のお店だから住所が分かっちゃうし、その辺はどうなんだろ?


水無月 : 飯テロ!? あわわ!? それは大変だー!?

ミツルギ : あー、外食か……。店次第では住んでる地域がある程度は特定出来るから、その辺は注意した方がいいぞ。

ミナト : 確かにそれはそうだねー。サクラちゃん自身が住んでる地域が分かるのは別に構わないというなら、問題はないけどさ。

富岳 : まぁリアルの顔を出して活動してる人もいる訳だしな。その辺はサクラちゃんの方針次第だ。

サツキ : その辺は気を付けよー!


「……確かにその辺はよく考えて動かないとですね」


 うん、私も少し気になった点を思いっきり注意された! でも、もし試食データでの感想を言うっていうお仕事を受けるなら、多少はその辺の覚悟をしておいた方がいいのかも?

 どこのお店かとかはまだ聞いてないけど、そういうのは少なからず影響してくるはずだもんね。あ、でも試食データを配ってるとこなら、基本的には通販はしてるかも? うーん、SNSで私が上げる写真に気を付ければいいだけかなー? この辺は配信が終わってから、聡さんに相談してみようっと!


「あ、そういえば、昨日皆さんが何を気にしてたか分かりましたよ! いやー、まさか麻痺毒を使えるようになってたのを見落としてるとは思いませんでした!」


 姉さんに言われるまで、本当に気付かなかったやつ! そりゃ皆さんが気にする理由も分かるよ! なんで気付かなかったかな、私!


ミツルギ : あぁ、結局サクラちゃんが自分で気付きはしなかったやつか。

イガイガ : 気付いたの、サツキさんだしなー。

水無月 : あれはサツキさんのお手柄だよね!

咲夜 : え、色々と時間が無くてまだ最新の実況外のプレイは見れてないんだけど、サツキさんの名前が出てくるってどういう状況!?

富岳 : まだ見てない人もいるみたいだし、具体的な内容への言及は避けておくか。


「……あはは、その方が良さそうですね」


 この話題は、私が全然気付かなかった事への深堀りになりそうだから、そういう意味でも中止した方が良いような気がしてきた! もう18時になるし、待機時間の雑談はここまでで!

 そういえば、試食データの話ってこの時間でやるって事なのかな? 配信時間というよりは、配信待機中なんだけどそれで良いの……? うーん、分かりません!

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