第351話 弱点の基準


 うがー! 『衝撃凝縮』の効果で思った以上の威力の獅哮衝波にはなったけど、その後にカウンターを受けちゃった! むぅ……厄介な!


「今度こそ……って、あと少しで倒せそうなのに、身構えてません!?」


 うぅ、さっきはそんなのを確認せずに思いっきり攻撃しちゃったけど、カウンターを食らったばっかなのに、それってありなの!?


咲夜 : ん? あれ、なんで追撃しない?

ミツルギ : あ、そうか。サクラちゃん、知らないのか!

いなり寿司 : まぁ実際に自分で使わないと、そこはよく分からんとこだしな。

G : あー、それは確かに。


「……え? これ、追撃しちゃって大丈夫な感じなんです? というか、何か知らない事がまたあるみたいですね!?」


 えーと、えーと!? この状況で私が知らない事ってなにー? 内容的に追撃をして大丈夫な理由? うーん、まぁいいや!


「考えるのは後にしましょう! 追撃して大丈夫なら、これです! 『放電』! あ、これは普通に身構えてるだけですね!」


 ふふーん! ダメージ量は少ないけど、カウンターで飛んでこないなら大丈夫! 残りHPは1割も無いから、半減されてても回数で押し切っちゃえ!


サツキ : どんどんやっちゃえ、サクラちゃん!


「はーい! ひたすら、死ぬまで連発です! 『放電』『放電』『放電』『放電』『放電』!」


 ふっふっふ、半減されていようともダメージが通らない訳じゃないもんね! 普通にやると硬いけどね、このカタツムリ! でも、もうあと少し!


「これでトドメです! 『放電』!」


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


 ふぅ、なんとかカウンターを1撃受けただけで倒せたー! Lvは……まぁ今日はまだそんなに戦ってないし、流石に上がらないよね。


「なんというか……普通に戦う気が起きなくなりますね、この硬さ!」


 今回のは初手で思いっきり削れたからいいけど、そうじゃなければかなり時間がかかった気がする! あ、それでも身構えを解くタイミングに合わせて溜めた放電とかでも良かったのかも?


ミツルギ : まぁその気持ちは分かる。

こんにゃく : 耐久性が高いからな、堅牢系統の進化個体。

富岳 : 防御自体は時間がかかるだけで済むが、カウンターがあると痛いからな。面倒なら、『弱点分析』で見た内容次第では避けてもいい相手だ。

チャガ : 今回のは、避けてもいいタイプの奴だぞ。


「え、そうだったんですか!? ……それ、どういう基準なんですかねー? あ、今のは質問じゃなくて、ちょっと自分で考えてみます!」


 聞いてばっかじゃ駄目だし、ここは自分で考えよう! えーと、今回のは避けてもいいパターンって事は……要は危険な状況だったって事だよね。 そういう要素になる部分は、多分私が見た中にあったはず!


金金金 : 考え始める狐っ娘アバター。さぁ、答えは出るのか!

イガイガ : ヒントとしては、弱点と表示されていても、必ずしも弱点とは限らない!

神奈月 : 流石にそれは言い過ぎじゃね?

ヤツメウナギ : まぁそのくらいのヒントはいい気もするけどな。今までに出てる話題でもあるし。


「……必ずしも弱点にはならないですか。確かにそんな感じの話をしましたよね」


 うん、スキル基準とステータス基準の片方だけにしか出てこない部分は弱点とは言えないって話を少し前にしたはず! あ、思い返してみたら、それっぽい答えを既に聞いてる気がするよ! それに、その影響自体も体験した気がする!


「ステータスの屈強は低くないから、普通に攻撃を受けたらダメージ的に危険だったりするんですかね!?」


 多分だけどカウンターでの威力が私の堅牢の低さは関係なく、根本的に威力が高いんだ! カウンターへの対策方法が分からないから、下手に長期戦になって、何度もカウンターを受けたら……って、あー!?


「……今気付きましたけど、さっきの追撃した方がいい理由って、単純に再使用時間に入ってたからです?」


 というか、迷う余地なしでそうだよね!? あんなカウンターを、そう気軽に連発されたら攻撃が出来ないもん! 強力な効果だと、その分だけ再使用時間は長いもんね!


ミツルギ : サクラちゃん、どっちも正解だ!

富岳 : 『身構え』と『返しの突撃』は見分けがつかんが、使用直後ならそういう判別が出来るからな。構えを解いた瞬間が一番の狙い目だが、それ以外でも半減だとしてもさっきみたいな時は追撃はありだぞ。

ミナト : カウンター用のスキルは、再使用時間が長めって仕様でもあるからねー。ここは実際に自分で使ってみたら分かるんだけど、サクラちゃんはまだ使った事ないし。


「やっぱりそんな感じですか! それなら色々と納得です!」


 他にも何かカウンター用っぽいスキルもあったような気もするけど、多分その辺は皆さんはまだ言及してこないっぽいよね! でも、これで狙い所のタイミングは分かったのです!


いなり寿司 : 単純にステータスの弱点に『屈強』が出てない敵は、近接攻撃の威力は高めだぞー。

咲夜 : 屈強は遠距離攻撃以外には、全ての攻撃の威力に影響するからな!

チャガ : 堅牢系統とは長期戦になりがちだから、その辺は要注意だ。


「私でも結構な威力になってますし、そこは了解です!」


 ステータス基準の弱点に『屈強』が存在してなければ近接攻撃には要注意! うん、覚えた!

 なんというか『弱点分析』で情報が増えた分だけ、戦略性が増した気がするね。進化階位が上がれば上がるほど、何が育っているかって情報が重要になってくる感じがする!


「ところで、カウンターを防ぐ手段ってあるんですかねー?」


 カウンターって咆哮での攻撃キャンセルにも反応してきてたもん! 根本的にどうやって防げばいいのか、さっぱり不明なのですよ!


ミツルギ : あー、手段はあるにはあるんだけど……これは言ってもいいのか?

神奈月 : うーん、これもネタバレ案件だな……。

神楽 : ネタバレ案件、多いね!?

チャガ : スキルの種類が結構あるし、それによって出来る戦法も対応手段もバラバラだからな。そりゃネタバレ案件だらけにもなる。

ミナト : ネタバレでも良いなら教えるけど、サクラちゃん、どうするー?


「いえ、防ぐ手段がある事さえ分かれば大丈夫です! その辺は自分で探ってみますねー!」


 モンエボで色んな戦い方があるのは、ここまでやってきた中で実感済みだもん! 手段さえあるのが分かれば、なんとか自力で探してみよー! 新たにスキルが必要なのか、それともスキル無しでもいけるのか、その辺も含めて自分で試行錯誤もしていかないとね!


ミツルギ : おー、それなら了解っと。

ミナト : そういう事なら、頑張って手段を見つけてねー!


「はい、そのつもりです! さーて、それじゃ改めてマップの解放をしに出発ですね!」


 そういや、今は何時だろ? あー、もう19時を過ぎちゃったし、配信時間はもう半分を切っちゃったかー。うーん、この感じだと今日の配信中では次のエリアに行く準備が整うか怪しいね。まぁそれでも別にいっか!


「えっと、看破はまだ効果中なので……切れてるこっちは再発動でいきます! 『見切り』『弱点分析』! マップの解放を目指して駆け巡りましょう! 『疾走』!」


 色々と効果が切れてたから再発動してから移動再開! そういえば、見切りってカウンターの時にはあんまり役立ってないよね。赤く見えた瞬間には、もう攻撃が届き始めてるもん!

 あのカウンターって回避が間に合わないタイミングでの攻撃だから、本当に厄介だよねー。まぁだからこそのカウンターな気もするし、耐える方が……。


「あー!? カウンターの対処方法って『身構え』を使って耐えればいいんじゃないですかね!?」


 カウンター攻撃を避ける方法ばっか考えてたけど、耐えるって方向もありなはず! 堅牢のスキルには、堅牢のスキルで対抗なのですよ!


いなり寿司 : おっ、早速カウンターへの対策が出たか。

ミツルギ : 結構タイミングがシビアになるけど、対応策の1つだな。

富岳 : まぁいつでも使える対応策ではない点は要注意だがな。


「え、使えないタイミングってあるんです? あ、連撃系の攻撃でカウンターが発動したら駄目そうです!?」


 例外になる一部スキルもあるけど、基本的にスキルは同時には使えないもんね! 連撃の1撃目でカウンターが発動された時は、どうやっても『身構え』は発動出来ないよ!

 うーん、でもまぁそれでも対応策の1つがあるなら良し! というか、他にも手段がありそうな感じがするよね!

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