第338話 山麓エリアの探索


 色々な要素が混ざってるっていう山麓エリアへとやってきた! 戦闘もやっていきたいけども、その前にマップの解放を目指しながら確認しておきたい事を確認中! 


「わっ!? あ、危ないですね!?」


 目の前に丸い赤い表示が出たから、そこから飛び退く! あ、回避した後の着地で疾走が止まっちゃった。着地しようと踏ん張る動作が、そのまま疾走の停止にもなるんだったよね。

 むぅ、今の攻撃は何かの遠距離攻撃だったみたい? えっと、攻撃してきた敵はどこかな? 遠距離攻撃を仕掛けてきたからって、私のライオンと同じとは限らないんだけど……。


「あ、結構遠くに『巧妙なリス』を発見です! 『巧妙な』は、私自身がそうだから、器用系統って分かってますから出てこなくていいですって!? わっ!? わわっ!?」


 うがー! どんどん小石を投げてきてるよ、このリス! 疾走をしながら敵の名前を確認していこうとしてるのに、ここで邪魔してくるとは! どうやら倒して欲しいみたいだねー!


「わわっ!? 小石の連続投擲って避けにくいんですけどー!?」


 攻撃の間隔が早いから、何度も連続して飛び退かないと回避し切れない!? なんか前はもう少し避けやすかった気がするんだけど、攻撃が早くなってませんかねー!?

 ともかく、回避、回避、回避ー! うーん、瞬発力自体は上がってる感じがするし、回避自体が難しい訳じゃないけど、反撃するタイミングが掴めない!


金金金 : Lv2のリスか。これは……敵の攻撃速度が上がってるのか?

咲夜 : 敵も進化してるから、その辺は当然上がっている!

ミツルギ : プレイヤーで強化された部分は、敵の方でも強化されると考えたらいいぞ。

いなり寿司 : まぁイージーならそこまで極悪な命中精度はしてないから、細かく回避行動を取れば大体は避け切れるけど。

富岳 : 大きな動きで避けるとその分だけ隙が出来るから、相手の狙いが追いついてくるけどな。見切りの範囲以上の回避は無駄が多いぞ。


「わわっ!? あ、そういう感じなんです!? ちょっと!? わっ!? 私は回避の範囲が!? 大き過ぎる感じですかねー!? わわっ!?」


 次々と飛んでくる小石を避けながらだと、意識が散ってて喋りにくい! とりあえず回避に専念するとして……そういう風に言われてみれば、確かに大きく回避し過ぎてた気はする!


「一旦大きく距離を取ります! えいや!」


 ちょっと慌てない為にも、考える余裕を取るのです! という事で、盛大にジャンプ! ふぅ、とりあえずリスからは距離が取れた! すぐに射程範囲には戻るだろうけど、少し落ち着く時間が欲しいだけだから、それくらいで大丈夫なはず!

 近くには見えるところに敵の様子は他にはないし、これならリスに集中しても大丈夫なはず! ……近くにいて、見えてないだけの敵がいるかもしれないけど、そこまで考えてたらどうしようもないし!


「すーはー! ふぅ、見切りの大雑把さにも慣れないとですね!」


 うん、ちょっと落ち着いた。見切りの範囲内にしか攻撃がこないんだから、大雑把な範囲とはいえそれ以上の回避は必要ないんだ! それなら必要以上に大きく回避しないように意識しつつ、やっていけばいいだけ!


「はっ!? きましたね! ……ここです! わっ!?」


 ぎゃー!? ギリギリで右方向にズレて躱したつもりが、左足に掠ったー!? むぅ……避けきれなかった。今のは躱し切れたと思ったのに!


サツキ : サクラちゃん! ライオンが少し大きくなってるのを忘れないでー!

ミナト : 今のは、これまでのライオンの大きさでの回避範囲って感じだったよー!

こんにゃく : そういや、さっきまでの回避も今までよりも回避距離が長かったな。


「あー!? そういえばライオン自体が大きくなってたんでした!?」


 うがー! 進化した事でライオンのサイズが変わって、色々とステータスも上がったから感覚が違ってるのかも! 回避自体はしやすくなって理由は分かった!


「わわっ!? それにしても! 攻撃が! 途切れないですね!?」


 うーん、離れる感じで回避してるけど、これは距離を詰めながら回避した方が良いのかな? 多分、それはやろうとしたら出来そうな気はするけど……。


「というか! 普通にこうすれば! いいだけですよね!? 『放電』!」


 すぐに放つんじゃなくて、溜め状態にしておくのです! この状態で、回避、回避、回避ー!


「そこです! 放電、いっけー! やった! 当たりました!」


 そんなに長くは溜めてないけど、ちょっと溜めくらいでなら当てられるね! 今くらいの溜めなら再使用時間も短めだし、HPを2割くらいは削れたし、そんなに時間はかからずに倒し切れるよ!


ヤツメウナギ : 今のは上手いな。

サツキ : 巧妙同士の、遠距離での撃ち合いが開幕だー!

こんにゃく : リスとライオンが遠距離で撃ち合うって、一体……。

咲夜 : そこはモンエボでは気にしてはいけないところだぞ!

水無月 : それはそうだよね! 実際にはあり得ない挙動とか、山ほどあるもん!

イガイガ : そもそも設定上、普通の動物じゃないしなー。

いなり寿司 : 作品名にもあるが、モンスターだからな。

こんにゃく : まぁそれもそうだな。


「あはは、確かにそれはそうですね! モンエボに限らず、ゲームでそういうのを気にするのは無粋な気もしますし! ふっふっふ、この感じでいけるのなら余裕が出てきましたよ! 『放電』!」


 ライオンの大きさの変化は慣れるしかないんだろうけど、操作感自体は変わらないから距離感覚の問題だけ! それの放電を溜めながらでいけるなら、大きく回避しても問題なーし! 直接反撃する余裕はなくなってるけど、別に躱せなくなる訳じゃないもんね!


「いきますよー! 放電、発射! 逃げろー!」


 ちょっと溜めた放電を当てて、リスの残りHPは6割! あと3回、同じ攻撃を当てれば倒せるはず! でも、リスからの攻撃の手が止まらないから、放電で攻撃する時以外が回避で!


「これ、近接の場合だとどう倒せばいいんですかねー!?」


 今は放電があるから倒せそうだけど、近接だけだとそうもいかないよね!? その辺を参考までに聞いておきたい!


ミツルギ : それなら、回避しつつ距離を詰める感じだな。距離を詰めれば、器用系統は強みを発揮出来ないしな。

富岳 : 近付くコツとしては、敵の死角に回り込む事か。今のリスを相手にやるなら、疾走で周囲を走りつつ、背後へ回ろうとすればいい。

チャガ : 完全に死角を取れなくても、どんどん狙いが荒くなって、攻撃が止まる瞬間が出てくるから、そこで一気に距離を詰めるのがいいぞ。


「おぉ、そういう感じなんですね! 折角なら、ちょっとやってみましょうか! 『疾走』!」


 参考までに聞いてみたけど、聞いてみたら意外と普通にすぐに実行出来そうな内容だったもんね! うふふ、リスの周りを一気に駆け抜けていくのです!


咲夜 : 早速やってる!?

ミツルギ : ……まさか、すぐにやるとは思わなかった。

G : まぁ別に悪い事でもないし、いいんじゃね? 器用系統での進化とはいえ、近接も出来ない訳じゃないんだし。

ミツルギ : それもそうか。

サツキ : サクラちゃん、いっけー!


「はーい! おぉ! これは確かにリスの猛攻が届かなくなってきてます!」


 リスの方を見ながら周囲をグルっと回るように走ってたら、見切りに反応が出てもすぐに範囲から外れるようになったね! しかも、どんどん見切りの反応が出る頻度が下がってきてる!

 うふふ、リスが私に狙いを付けきれなくなってきてるんだ! ……その間にちらほらと他の敵の姿が見えたけど、攻撃してこないなら今は無視で! 名前の確認はしたいんだけど、それは後回し!


「今ですね! 急加速からの『強牙』!」


 完全に見切りへの反応が無くなってきたから、そのタイミングでリスへと一気に距離を詰めていく! 途中で見切りに赤い円と、リスが手を振りかぶってる様子が見えたけど、その前に疾走を止めて、思いっきり噛みつくのに成功! ズサッと止まりながらの噛みつきはいいね!


「これでHPは4割を切りましたね! 『爪撃』『連爪』!」


 ペッと噛みついたリスを放して、爪での連続攻撃だー! うりゃりゃりゃりゃー!


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


「これで成熟体の初討伐は完了……って、倒した時に貰える進化ポイントが2に増えてます!?」


 待って、待って、待って!? 進化ポイントの消費量が多くなったと思ったけど、入手量自体が根本的に増えてくるの!?


サツキ : ふっふっふ、そうなんだよ、サクラちゃん! 良い情報でしょ?

金金金 : 確かにこれは良い情報だな。

水無月 : 戦闘を始めたらすぐに分かるっていうのも納得!


「確かに戦ったらすぐに分かりましたね! これは本当に嬉しい内容です!」


 いぇーい! 成熟体の上限Lvがいくつかは分からないけど、進化ポイントの増量は本当に嬉しいね! これなら進化の為以外にも、他のスキルツリーをどんどん伸ばしていけるのかも! うふふ、頑張っていこうじゃないですか!



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