第315話 狙いを付けて
思ってた以上に溜まってた進化ポイントだけど、今回は使うのは見送りという事に決定! 必ず使わないといけないという訳でもないのですよ! ……まぁこういう結論になるのなら、確認自体を後回しにすればよかった気もしてきたけど、そこは気にしない!
「さーて、それじゃ今度こそエリアボスのウサギの討伐……って、そういえば今は何時です?」
なんだか色々と脱線しまくってた気がするから、時間の確認! わわっ!? もう19時半過ぎてるよ!? これ、確認して正解だったかも!
ミナト : あらら、もうあと30分もないんだね?
ヤツメウナギ : 気付けば、今の縄張りの設置分の再使用時間も過ぎてるし。
神奈月 : あ、マジだ。
こんにゃく : まぁ色々やってたもんなー。
「……ちょっと脱線し過ぎました?」
縄張りを再設置する前に一度時間を確認した覚えがあるけど、その時はまだ19時を過ぎたくらいだったもん! そこからあれこれやってる間に、結構経ってたんだー!?
ミツルギ : まぁ無駄な脱線って訳でもない気はするけど……今のこの会話も脱線になるぞ?
イガイガ : そりゃそうだ。時間を気にするなら、もう戦闘開始した方が良いんじゃね?
富岳 : 準備は終わっているし、その方がいいだろうな。雑談するにしても、獅哮衝波の溜めの間でいいだろうよ
「確かにそれはそうですね! それじゃそうしましょう! 『見切り』『看破』!」
どっちもいつの間にか効果が切れてたし、これでウサギの情報を確認していこー! ウサギがいる方を向いて……えーと、縄張りの少し外にある赤い印がウサギのはずだけど見えるかなー?
「……まだ微妙に見えない距離っぽいですね。もう少し近付いた方が良さそうですけど、近付きながら溜めていきましょう! 『獅哮衝波』!」
1段階目までの間なら移動が出来るから、これでちょっと時間の節約になるよね!
咲夜 : 見える距離に行くまでに溜めが終わったらどうなる!?
名無しのカカシ : いやいや、確かにその可能性はあるにはあるけども!?
金金金 : あー、そういうリスクもあるのか。
「言われてみればそうですけど、何も今言わなくても良いんじゃないですかねー!?」
ぎゃー! その事は全然考えてなかったー!? 移動が出来る間に急いでウサギを視認しないと! 急げ、急げー!
水無月 : サクラちゃん、急げー!
富岳 : 慌てなくても大丈夫だぞ、サクラちゃん。むしろ、今焦って近付き過ぎる方がまずいから落ち着け。
ミナト : そだねー。最悪の場合でも、ウサギは見えてなくてもこの距離なら当てられる距離だから、近付き過ぎて交戦状態に入る方が良くないよ。
水無月 : あれ、そうなの?
ミナト : うん、そうなの。交戦状態に入ったら、まず間違いなく獅哮衝波の3段階目までは溜められないし。流石に身動きが取れない状態で交戦状態に入ったら危ないよ?
咲夜 : あっ、そういやそうか!?
「はっ、そうなんですか!?」
うがー! 慌てて移動速度を上げてたけど、速度を落とすのです! あ、でもウサギっぽいのが薄っすら遠くに見えた! 看破の情報が出てきたし、このウサギは『強烈なウサギ』で上限のLv30のエリアボスで確定! でも咲夜さんは、私の邪魔でも――
「あ、1段階目の溜めが終わりました!? ……地味に咲夜さんが焦らせてくれたおかげで、ギリギリ見える範囲に行けた感じです?」
ちょっと咲夜さんが邪魔してきてるって思い始めてたけど、タイミング的に割と大真面目に危なかったの!? むぅ……見えなくても攻撃出来るとはいえ、見えた方が良いのは確実だもんね。
うーん、結果的に助かった感じだし、これはちょっと文句が言いにくいかも……。あそこで急いでなかったら、実際に咲夜さんが心配してた内容になってたもんね。
サツキ : 咲夜さん、命拾いしたね!
咲夜 : 何が!?
ミツルギ : 結果的にはセーフだったけど、サクラちゃんを慌てさせてた訳だしなー。
サツキ : 一瞬、サクラちゃんの目が据わってたからね! 本気で怒る一歩手前だったよ!
咲夜 : マジで!?
「……サツキさん、何を言ってるんですかねー?」
確かに一瞬、邪魔してるのかって怒りかけたけど……それをわざわざ姉さんが言う必要ってあるの? 流石にちょっとそろそろ本気で自重してほしくなってきたんだけど……。
サツキ : ……ごめんなさい、サクラちゃん。
咲夜 : 余計な事を言って戸惑わせて、すみませんでしたー!
神楽 : ……わぁ、アバターでこんな冷たい目って出来るんだ……。
イガイガ : あー、うん。さっき、チラッとだけこういう表情は出てたな。
水無月 : サクラちゃん、落ち着いてー!?
「……サツキさん、明日を楽しみにしてますねー! さて、それじゃ狙いを外さないように気を付けていきましょう!」
うん、明日は姉さんが家に帰ってくるんだから、その時にじっくりと話せばいいや! 旦那さんも来るんだから、心強い味方もいる訳だしね!
サツキ : ……はい。
いなり寿司 : 姉より妹の方が強い。
金金金 : まぁサクラちゃんの気持ちも、何となく分かる。
ミナト : ……あはは、サツキさんはちょっと色々言い過ぎだしね。
咲夜 : 俺は!? 俺はセーフ!? アウト!?
こんにゃく : 今回のは結果的にはセーフ? いや、でもこれまで散々ネタバレをやってるしなぁ……。
イガイガ : サクラちゃんの裁定次第だなー。
咲夜さんに関しては……うん、先に言えっていうのはネタバレになりかねないから、そこは難しいかも? 今回のは完全な杞憂じゃなくて、実際に危なかった訳だし……さっきみたいな事が発生するのは、私のネタバレ厳禁との兼ね合いで仕方ないのかも。
「うーん、ネタバレ厳禁でやっていますから、先に忠告して欲しいとも言えませんし……今回はセーフって事で! というか、私も変な反応をしてすみませんでした!」
咲夜さんが悪意でやってる訳じゃないのは何となく分かるし、今回のは私の方が悪かった気もする! うん、そこは大真面目に反省……。
咲夜 : セーフ! いや、余計な事を言った俺も悪かった!
ミナト : はい、それじゃこの話はここまででお終い! エリアボスの方に集中しようね!
「はい、そうしましょう! とは言っても、今は待ちですけども」
獅哮衝波の3段階目の溜めまで待つんだから、正直する事はないんだよねー! うーん、色々と話してる間に2段階目の溜めが終わりそうなくらいにはなってるけど、それでもまだ時間がかかる!
「溜め攻撃をサクッと済ませる手段って無いんですかねー? 威力は良いんですけど、待ってる間がどうも暇です……」
ミツルギ : まぁその気持ちは分かる。
イガイガ : 気持ちは分かるけど、威力を考えたら多少は仕方ないんだよなぁ……。
金金金 : その辺って、軽減用のスキルとかねぇの?
ミナト : そこら辺はネタバレ案件だから、下手に触れられない部分なんだよねー。
金金金 : あー、そりゃそうか。
「当然と言えば当然ですけど、まだまだネタバレ案件って山ほどありそうですよねー」
あるとも言えないし、無いとも言えない、ネタバレ案件! まぁ触れられないって言い方だけで、その手のスキルがあるような感じはするけどねー!
あ、別にスキルとも限らないのかな? スキルLvが上がって、追加効果で溜め時間が短くなるとかは普通にありそうな効果だよね! まぁすぐにどうこう出来る内容でもなさそうだけど!
富岳 : 今すぐに触れても影響が少ない範囲のネタバレ案件でも、成熟体でのスキルツリーの内容とかもあるからな。
チャガ : 他の種族の分も考えたら、未成体まででも相当な量になるぞ。
「あはは、まぁ確かにそれはそうなりますよねー! ネタバレ厳禁そのものは止めませんけど、その中でネタバレに触れずにいるのは難しそうです」
私だって自分で配信を始める前に、他の人の配信を見てた頃はネタバレ的なコメントをしたくなる事はあったもんね。その時の事を考えたら、本当にネタバレ厳禁を守るのは難しいのはよく分かる!
一番簡単なネタバレ防止の方法って、コメントをしない事だもん! でも、それじゃリアルタイムで配信してる意味がないもんね! ……姉さんのリアルの内容だけは除くけど!
「あ、2段階目までの溜めが終わりました! あとは3段階目の溜めですけど……ここが長いんですよねー」
いなり寿司 : まぁまだ時間はあるし、のんびりやっていけばいいぞ。
ミツルギ : 成熟体への進化に関しては、無理に今日やる必要もないしな。ぶっちゃけ、明日だと思ってたし。
神奈月 : あー、確かにそれは同感。まさか今日辿り着く可能性があるとは、欠片も思ってなかった。
ミナト : あはは、雷雲は完全に予想外だったもんね。まぁ進化の事を先に考え過ぎたら油断に繋がるし、今は目の前の事に集中だよ!
「それもそうですね! ここで負けたら意味がないんですし、しっかりと倒す事に集中します!」
溜めてる最中にはどうしても気が緩んじゃうけど、油断大敵は少し前にも言われた事! この先制攻撃はしっかりと当てて、エリアボスのウサギとの戦闘に突入なのですよ!
これ、縄張りの中からの攻撃だから、即死とかになったりしないかなー? ステータスが大幅に強化されてる状態だし可能性はあるよね! あ、でも流石にエリアボスだとHPが多いから削り切れないかな? まぁ大ダメージにはなるはずだし、しっかりと当てていかないと!
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