第239話 上達の程度


 次の目標は決まったー! とりあえず第7段階の『器用+10』を解放してから、第8段階の『獅哮衝波』を解放する! その次にどうするかは、そこまで行ってから考えるのです!


「さーて、どこか近くに敵はいませんかねー?」


 移動を再開したけど、この辺は結構動きやすい場所! その辺を抜ける前に、戦いやすい敵がいたらいいなー。でも、看破でもこの近くには敵は見つからないんだよね。もしかして隠れてる?


「うーん、見落としてるだけですかねー?」


ミツルギ : 今はそんな事はないぞ。単純に渓流エリアだと、そういう休憩場所では敵が出てきにくいだけだ。あくまでイージーではだけど。

いなり寿司 : あー、なんで敵が出てこないのかと思ったら、そういやイージーだとそういう設定だっけか。

石突 : ほほう、難易度か。ちなみにこの配信って、何段階ある難易度のどれ?


「あ、そういう理由なんですね! えっと、難易度はイージー、ノーマル、ハードの3種類と、追加の有料DLでその上にヘルでしたっけ? それで1種族目をクリアするまではイージーのみだったはずです」


 確かそんな感じだった! あれ? おかしいな、1番簡単なはずのイージーでびっくりするほど死にまくってるよ!? うん、まぁ別にモンエボに限った話じゃないし、そこは別にいっか!


ミツルギ : まぁそんな感じだな。

石突 : なるほど、今はイージーって事か。

水無月 : ヘルって有料DLなんだ!?

イガイガ : ヘルは元々発売当初は想定されてなかった難易度って話だったよな。

G : ハードでも物足りないって要望が結構あったらしくて、後から本当に追加で作られて販売になった難易度だ。お値段なんと300円!

ケースケ : あ、意外とお手軽価格。


「値段は見てませんでしたけど、思った以上に安かったです!? え、かなりお手頃価格なんじゃないですか!?」


 私はまだ1種族目だけど、ここから先には他の色んな種族があるんだよね!? それで物足らない人向けに300円で難易度追加は、やり込ん出る人には優しい気がする!


富岳 : その分、難易度はえげつないけどな。クリアできないほどではないが。

チャガ : 油断すればあっさり死ぬが、まぁそれでこそヘルの名にふさわしい。やりごたえはあった。

ミナト : え、そう? あれでもまだ物足りなさはあったけど。

神奈月 : サラッとクリアしてるっぽい人達がここにいたー!? しかも物足りないとか言ってる人すらいるー!?

G : あれでまだ足りないって、どんだけ!?

サツキ : そういえばヘルは買うだけ買ってみて、1回も進化まで辿り着けなかったっけー。先に回りが成長体に進化しちゃって、詰んじゃった覚えがあるね!

金金金 : ちょ、最初の進化ですら詰みかねない難易度なのか!?

ミツルギ : そういう難易度だからな。買ってやってみたいけど、クリアできなくても損だとは感じない程度の価格設定ってとこだろ。


「とんでもない地獄みたいですね!? なるほど、確かに300円なら駄目でも諦めもつく範囲ですかー」


 これが1000円とか、もっと高くて3000円とかなら、難易度が高過ぎてクリア出来なかったら金返せって言いたくなってくるもんね。でも、300円くらいならちょっと試しに買ってみようって気分にもなるし、駄目でも仕方ないって気分にはなる……ような気がする?

 いずれ挑戦してみたいとこだけど、今はまだそもそも難易度選択が出来ないもんね! 全然クリア出来る気はしないけど、チャレンジする事自体が配信のネタになりそう!


「まぁとりあえず、この辺で敵が出てこないのは分かりましたー! 話してる間に足場の悪いとこまで来たので、ここから要注意ですね!」


 イージーでは休憩出来る場所では敵は出てこないって事は、それ以外では普通に出てくるという事! というか、それで色々と疲れそうだから休憩場所が用意されてるような気がしてきた!


「あ、早速敵を発見です! Lv11の機敏なカエルですねー!」


 岩の隅から顔だけチラッと見えてるから、これは絶好の奇襲チャーンス! それに休憩場所のすぐ近くなのは嬉しいかも! カエルを見失わないようにしつつ、足場に気を付けながら後ろに下がって、元の場所に戻るのです!


ミツルギ : お、無茶はせずに戦いやすい場所に移ってから攻撃か。

富岳 : わざわざ相手に有利な場所で戦う必要もないしな。その為に使える手段もある。

サツキ : サクラちゃん、いっけー!


「放電は多分ここからでも届きますからねー! それじゃ戦闘開始です! 『放電』!」


 コイに殺されて学んだこと! 絶対的に相手が有利な場所での戦闘は避けるに限る! 機敏なら特に移動が速いし、足場の悪い場所で戦うのは無し! カエルならこの足場の悪さって結構無視出来そうだしね。

 放電をすぐにぶっ放したいけど、ここは我慢して最大まで溜めるのです! 先手必勝! 早く溜まれー!


イガイガ : お、最大威力からの奇襲でいくか!

金金金 : 獅子咆哮じゃないんだな?

富岳 : 威力的に獅子咆哮でも良いんだが、場所を考えたらこれで正解だ。

水無月 : そうなんだ!?

ミツルギ : 死角が多い場所で、広範囲攻撃は危険だしな。特にここは別の理由で……おっと、これは言い過ぎか。

神奈月 : まぁギリギリセーフ?

名無しのカカシ : サクラちゃんはその辺を考えて放電にしてるんじゃないか?

いなり寿司 : それは……どうだろうな?


 ふっふっふ、ここで私が放電を選んだのは正解だったみたいだね! まぁ何となくこっちの方が良さそうな予感がしただけではある! 私の直感がそう囁いたのですよ!

 放電を使えというよりは、獅子咆哮を使うなって感じだったけど、なんでだろ? なんかミツルギさん達の発言が地味に気になる?


「あのー、参考までに聞きたいんですけど、ここで獅子咆哮を使ってたらどうなりました?」


咲夜 : その辺、全然考慮に入ってなかった!?

こんにゃく : ただの偶然かい!

いなり寿司 : やっぱりか。まぁらしいと言えばらしいけども。

ミツルギ : 聞かれたなら問題ないか。簡単に言えば木をへし折るのと同じようなもんだ。獅子咆哮だと、余波でその辺の岩を盛大に崩すぞ。

富岳 : その時の崩れ方次第だが、その後に滑るところしか通る場所がない状態になる危険性は高いな。

ミナト : まぁその場合は崩れてない対岸側に移ればいいんだけど、崩さない方が安全ではあるよねー。

石突 : あー、そんな危険性があるのか。

サツキ : そうなんだね!? サクラちゃん、ナイス回避!


「思いっきり使ったら駄目なパターンでしたね!? まぁ結果的にそうはならなかったので良しとして、最大まで溜まったので放電開始です!」


 まさか獅子咆哮を使ってたらそんな危険性があったなんて! 今回は私の直感は凄いナイスな仕事をしてくれたよね! ナイス、私の直感!

 よーし、それじゃ顔だけ見せてるカエルに向かって最大まで溜めた放電と解き放つのです! いっけー!


「やった、直撃です! 今ので4割は削れましたよ!」


 ふふーん! 私の放電の威力もかなりのものになってきたよね! さぁカエルがピョンピョンと跳ねながら近付いて……って、跳ねるのが速い!? でも、複雑な動きをしてる訳じゃないから、飛び跳ねた瞬間を狙って……。


「今です! 『咆哮』!」


 やった、咆哮が直撃して萎縮になったカエルが落ちたよ! ふっふっふ、ジャンプしている空中では避けられるはずがないよね! でも、少し距離があるからもうちょっと引きつけてからの方が良かったかも? 


こんにゃく : おー、良い狙いだな!

神奈月 : 1体ずつなら、相当戦闘は安定してきたか。

イガイガ : まぁなんだかんだで乱戦しまくってるからなー。厄介なタイプの敵でなければ、大体は大丈夫だろ。

ミツルギ : 初めはキャラの操作すらまともに出来なかったというのに……。人は成長するもんだと実感する。


「確かにそうですけど! 間違ってはいないんですけど、あんまり褒められてる気がしないのはなんでですかねー!? 『強牙』!」


 なんだか釈然としない気持ちだけど、ともかくカエルに噛みついて攻撃! おぉ、これで2割くらいはHPは削れるんだ! 結構な威力だし、使い勝手はやっぱりいいね。でも噛みつく状態でスキルは維持されないし、次の攻撃をしていこー!


「とりあえず平たい場所まで吹っ飛ばすのです! 『体当たり』!」


 休憩出来る場所の方に向きを変えて、咥えたままのカエルを離して、即座に体当たりで吹っ飛ばす! おー、何気にこのコンボは結構良い気がする! うん、それに適度に良い感じで吹っ飛ばせた!


「萎縮になってる間に、仕留め切りますよー! 『爪撃』『連爪』!」


 体当たりで吹き飛ばした分だけの距離を一気に詰めて、爪で連続攻撃だー! うりゃりゃりゃりゃりゃ! あ、これで倒し切れるかも?


<未成体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<サクラ【巧みなライオン【雷】】が未成体:Lv11に上がりました>

<基礎ステータスが上昇します>

<進化ポイントを3獲得しました>


「機敏なカエル、撃破完了です! なんか凄い弱かった気がしますねー?」


 私よりLvが1だけど上だったはずなのに、ノーダメージ撃破だった! うーん、コイには殺されちゃったけど、やっぱり周囲の地形って大事なんだね! 多分、滑りやすい場所で戦ってたらこんなにあっさりは終わらなかった気がする!


サツキ : それだけサクラちゃんが強くなったのさー!

ミツルギ : それは間違いない。

いなり寿司 : まぁあくまでもイージーでの話だけどなー。

咲夜 : 確かに、これってイージーなんだよなぁ……。

神奈月 : 一番簡単な難易度……。


「そこは素直に褒めてくれても良いじゃないですかねー!?」


 むぅ、確かに一番簡単なイージーだけども! うがー! そのうちノーマルとかハードでも敵を完封できるようになって、その発言を撤回させてやるのですよ!

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