第210話 惨状の影響
さーて、HPは全快になったし、そろそろ行動再開! もう今日の配信時間は半分以上は過ぎてるし、この湿原エリアの攻略を進めていかないとね!
「雑談はここまで! それでは張り切って、エリアボスの探索と行きましょう!」
サツキ : エリアボスの探索、再開!
金金金 : さて、どんなのがボスに出てくるか……。
ミツルギ : 何が出てくるかは、ホントにランダムだからなぁ。
富岳 : 植物系が出てくるか、動物系が出てくるか……。
G : 湿原エリアなら、水棲系も可能性としてはあるよな。
ミナト : うん、その可能性は充分あるねー。
「あ、そういう可能性もあるんですか! 確かにそれもそうですよね。河川域でのエリアボスはザリガニでしたし……」
なんか無自覚で水中にはエリアボスがいないような感じがしてたけど、よく考えたらそんな事は欠片もなかったよ! うん、既にザリガニという前例があるんだから、そこは注意しておかないと見落とすね!
「とりあえず川沿いを上って進んでいきますけど、川の中も要注意ですね! それじゃ出発です! 『看破』!」
いつの間にやら切れてた看破を再発動! 休みながらの警戒用に使ってたはずなのに、効果が切れてるのに気付いてなかったのは気を付けないと……。
前に休憩中にヘビに襲われたことがあるし、いつ襲ってくるか分からないもんね! あ、でも結局看破があっても見えてない位置なら意味がない? うーん、まぁいっか。
「さてと、とりあえず川まで戻ってきました!」
川の対岸側までへし折れた木の残骸が沢山吹っ飛ばされてるけど、というか私が吹っ飛ばしたやつだけど、意外と川の中には入ってない……訳でもなかったみたい。わー、無事な木に隠れて見えてなかっただけで、思った以上に被害が酷い!
「微妙に吹っ飛ばした木が、川をせき止めてる部分もあるにはあるんですね。というか、川の対岸側以外にもあちこち道を塞いでます……」
そりゃ、全部の木が真っすぐ前にしか吹っ飛ばないなんて事はないもんねー。あの樫の木の根も潰しちゃってたんだし、真正面こそ一番酷いけど、他の位置にも影響はあるんだ!
咲夜 : みたいだなー。
神奈月 : 思ってた以上に破壊の範囲が広い? 獅子咆哮ってここまで威力あったっけ?
G : 元々折れてたのを吹っ飛ばしたんだし、威力以上の規模にはなるだろ。
ミナト : Lv2の獅子咆哮だけなら、ここまでにはならないねー。
「あ、そうなんです? 獅子咆哮だけだと、どの程度の破壊規模になるんですかねー?」
そういう風に言われてると、実際にどの程度の威力になるのかが気になってきた! どうせもうこの周辺はボロボロなんだし、もっと盛大にやっちゃう? 多少、被害が増えたところで問題ない気もするよ?
こんにゃく : 更に破壊する気だ!?
いなり寿司 : いや、今度こそ死ぬぞ? 雷纏いを使い切ったばかりなんだし。
「あ、そういえばそうでした……。流石に雷纏い無しじゃ、沢山の敵の相手は厳しいですもんね」
うーん、獅子咆哮で巻き込む敵の大半の即死を狙えるならともかく、流石に適性Lvのところでそんな真似は出来ないよね。どう考えても、それをやるなら格下相手じゃないと自分が死ぬだけなのさー!
「実行に移すのは無しにしておきますけど……あ、機敏なトカゲを発見です! 『咆哮』!」
ふふーん、Lv4のトカゲが少し離れたとこの木の幹を登ってるのを見つけたよ! 進化ポイントは大事だし、機敏は経験値が多い可能性があるみたいだからしっかりと仕留めていかないとね! あ、でも木から落ちたら倒れた木が邪魔になってる!?
「邪魔ですね、この木! 『体当たり』!」
目の前の邪魔な倒れた木は体当たりで吹っ飛ばす! あれ? 思った以上に吹っ飛んだ気がするけど……あ、萎縮になったトカゲの上に落ちて潰した!?
「わわっ!? トカゲを潰しちゃいました!? あー!? なんか強烈なカモとかが出てきたんですけど!?」
潰した事自体はダメージになってそうだからいいんだけど、見えなくなって看破が効かなくなってる! うがー! カモとか、一体どこにいたの!?
イガイガ : このカモ、倒れた木の後ろ側にでもいたか?
ミナト : 死角が多くなってるから、多分そうだと思うよー!
「あ、そういう感じになるんです!? わっ! このカモ、くちばしで突いてくるんですか!?」
一気に飛びかかってきてそんな攻撃をしてきたけど、後ろに飛び退く感じで回避! って、あれ!? これ以上、後ろに下がれない!
「こっちにも邪魔な木がありました!? 『身構え』!」
今更回避先を変える時間は無かったから、ここは防御で! ふぅ、やっぱり取ってよかったよ、身構え。それにしても川の辺りまでやってきたら、この周辺は荒れ過ぎてて動きが取りにくい!
それに、流れでカモと戦闘になっちゃってるけど、さっきのトカゲが勿体ないよ! どうしよう? もうトカゲは諦めて、カモだけに専念する?
富岳 : 相当動きにくそうだな。
ミツルギ : まぁ大型種族じゃ、この状態はなー。
サツキ : サクラちゃん、頑張れー!
水無月 : 二兎を追う者は一兎をも得ずだよー!
「あ、確かにそれもそうですね! 今は目の前のカモに専念します!」
うん、中途半端に両方を相手にしようとしたら失敗しそう! あのトカゲとは交戦状態にはなってるから、カモを倒した後からでもトカゲが逃げたとしても追えるはず。うん、その方向で決定!
「そこです! 『爪撃』『連爪』!」
くちばしで突いてくるカモの攻撃を身構えで軽減しながら、効果が切れたタイミングを狙って、爪での連撃を入れる! あ、やった! 出血効果は入ったし、思った以上にダメージも入って6割くらいまで削れた!
「わっ!? わわっ!? 連続で突いてこないでください!? 『身構え』!」
うぅ、回避するには周囲の状態が悪すぎる! それにこのカモ、なんだか思ってた以上に素早いよ!? 生命や堅牢が低い代わりに、俊敏が高めになってるのかも!
屈強と俊敏が高いと、地味に厄介な気がするよ! ある意味、私のライオンと近接での戦闘スタイルが近い気がする! カモなのに!
ミツルギ : 防御面は弱めっぽいな。
富岳 : ただ、少し攻撃や移動が速めな気はするな。
G : 屈強での進化かつ、俊敏が高めか。
チャガ : 近接攻撃にバリエーションがあって、それでいて威力もあるパターンだな。
いなり寿司 : 動きを封じる手段が欲しいところだけど……。
「うぅ、あのトカゲで咆哮が無駄撃ちになってるのが痛いですね……」
今、咆哮が使えたら相当楽になったはずなのに、再使用時間の最中なのが悔しいよ! ともかく今は身構えで防御しつつ、着実に仕留めていくのみ!
まだ私のHPは7割は残ってるから大丈夫ではあるけど、このカモの攻撃は地味に痛い! 強烈の敵は、本当にダメージ量が凄まじいよ! 身構えで減らしててこれだもん。
「でも、出血効果でどんどん弱って……って、何か食べました? え、出血効果が回復してるじゃないですか!?」
え、なんで!? あー!? カモの足元に、チドメグサがあった!? わっ!? カモが消費したから、消滅しちゃった!? えぇ、敵がそんな風にアイテムを食べるのってありなの!?
ケースケ : まさかの回復!?
ミナト : あはは、未成体からは敵も状態異常の回復が出来る時はしてくるからねー。
咲夜 : まぁイージーでは果物でHPの回復はしてこないだけマシなんだけどなー。
「何やってくれてるんですか、このカモは!? 未成体から変化してくる要素が多いですね!?」
うがー! それだけ相手も強くなってきてるって事なんだろうけど、まさか回復されるとは思わなかった! でも、毒の実を狙って食べさせようとしたら出来るんだから、そういう可能性は考えておくべきだったかも?
「ともかく、削り切るしかないですね! 『振り回し』!」
既にHPは4割くらいまでは減ってるんだし、多少のダメージ覚悟で押し切るのみ! また突いてきてるくちばしにカウンター気味に、右前脚を叩き込む! これで残りHPは3割!
「これで終わってください! 『噛みつき』!」
威力的には削り切れるかどうか怪しいラインだけど、ともかくカモの首に噛みついていく! わっ!? 暴れまくってる!? あ、でも噛みつきで出血効果がまた入ったみたいで、暴れれば暴れる程に継続ダメージがどんどん効いていってるよ!
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
「カモの撃破、完了です!」
ふー、元々狙ってたトカゲとは違う敵を倒す事になったけど、なんとか無事に済んでよかった!
サツキ : サクラちゃん、お疲れ様ー!
ミツルギ : 想定外の敵だったけど、お疲れさん。
咲夜 : この辺の敵は放置して、荒れてないとこに移動した方が良くない?
G : ここまで死角が多いと、その方が良いだろうな。
「確かにそれはそうですね。そうしましょう!」
こうも折れた木があちこちにあると本当に邪魔でしかなかった! まぁ半分は私がやった事だけど、そこは気にしない方向で! 進化ポイントが欲しいから戦闘しながらエリアボスを探すつもりだったけど、この辺を離れるまで移動に専念しようっと!
その先にさっきのトカゲがいたらいいんだけどねー。全然何も仕掛けてこなかったから、多分逃げちゃったんだと思うけど……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます