第120話 クラゲから逃げ出して
ふふーん! 未成体相手に、何とか逃げ出せたー! 思ったほど果物も使わなかったし、大勝利ー!
ふっふっふ、あのクラゲは追ってはきてないみたいだね! とりあえずマップのこの周辺の赤い矢印には注意しとこ。そして、疾走の効果中だからどんどん走り回れー!
「そういえば、あのクラゲって地面に引っ張り出しても、全然平気そうでしたよね? というか、湖にもクラゲっているんですねー!」
クラゲって海にしかいないものだと思ってたー! ん? でもゲームだからこそって可能性もあるのかな?
あ、クラゲで水面に浮かぶのとか、楽しそう! そのうち選べるようになったらやってみたいかも! クラゲで川下りとかも面白そうだねー!
ミナト : リアルでもマミズクラゲってのがいるからねー。まぁ大きさはもっと小さいから全然違うけどさ。
金金金 : というか、普通にオフライン版でも出るんだな、淡水のクラゲ。
ミツルギ : 敵としては出てくるけど、プレイする種族としては選べないやつだぞ。
金金金 : あー、そういうやつか。
富岳 : そういうやつだな。
「さっきのクラゲは選べないって事ですか!? むぅ、クラゲで川下り……」
折角クラゲでプカプカと浮かぶ想像をしてたのに、そもそも種族として選ぶことそのものが出来ないっぽい……。
金金金 : あ、狐っ娘アバターがなんか寂しそうな表情をしてる。
咲夜 : 地味にさっきのクラゲを操作してみたかったのか。
イガイガ : 淡水のクラゲは、操作したいって声は結構あったよな。
いなり寿司 : まぁ海のクラゲを強引に持ってくる事が出来るけど。
え、あれ? 淡水のクラゲ? 海のクラゲ? ん? もしかして別々にいるの!? え、そういうパターンが存在してるの!?
「あの、もしかして海のクラゲなら普通に操作出来ます?」
ミツルギ : おう、ロックされてる種族の中にいるから、アンロックすれば出来るぞー。
ミナト : 海のクラゲを淡水……まぁ普通の水に適応進化させる必要はあるけど、やろうと思えば淡水で活動出来るクラゲに進化はさせられるよー!
「おぉ、そうなんですか! というか、水への適応進化もあるんですね!」
そっか、そっか! 適応進化って、そういう風にも発生するんだ! 同じ死因を繰り返せば発生するんだし、淡水で生きられない海のクラゲならそれは発生するよね!
ん? あれ、それだと私のライオンももしかして……? あー! 川で色々やってた時、水の中で戦う方法があるみたいな話が出てたような気がする!?
「ネタバレでも良いので質問です! もしかして陸地の動物でも、溺死しまくれば水への適応進化って発生します?」
理屈としてはそういう事になるはず! というか、それが適応進化の使い方な気もする!
サツキ : 発生するよー! いやー、川で流されて海まで行っちゃって、海で溺死しまくった事を思い出すねー!
咲夜 : ……サクラちゃんと同じような事をしてた!?
ミナト : まぁそういう事で、発生はするよー。ただ、適応進化の状態は重複しないから、今のライオンで水への適応進化をしようとしたら『雷纏い』『放電』『麻痺耐性』は使えなくなるから注意ね!
「そうなんですか!? ……雷纏いと放電を無くすのは惜しいですね」
でも、これは聞いておいて正解だったかも。聞かずに水中へと適応進化やってみようと考えてたら、多分台無しになってた!
よーし、とりあえず雷への適応進化を維持で行くぞー! あ、これも聞いておいた方が良さそうな気がする!
「もう1つ質問です! 適応進化の状態で、未成体への進化になったらどうなるんです?」
未成体に進化した途端、雷への適応が無くなりますとかはいやー! でも、もしそうならそこに依存し切らないようにしないといけないしね。
いなり寿司 : えーと、確かそのまま継続で行けたよな?
咲夜 : なんか条件なかったっけ?
ミツルギ : 適応進化の引継ぎに条件があるのは未成体からその上への進化からだ。成長体から未成体へは特に制限なし。
咲夜 : あ、そうだっけ?
ミナト : うん、そうなるねー。サクラちゃんと、その辺の条件は聞いておく?
「あ、いえ、まだ先の方みたいなんで聞かないでおきます! とりあえず未成体への進化の時に問題がないなら今はOKですし!」
何か条件があるというのは気にはなるけど、それは今はまだ早い情報! それを聞いたとしても、正直必要な時には忘れてそうな予感もするからね!
「さてと、そうやって話してる間に疾走の効果が切れましたね! 一旦止まります!」
ふぅ、今回は足元を気にしながら走ったから、転ぶことはなかったよ! ふっふっふ、私にだって学習能力はあるのです!
いなり寿司 : ……一回も転ばなかったな。
イガイガ : 少し期待してたんだけどなー。
金金金 : ……残念だ。
「なんで私が転ばなかった事を残念がってるんです!? それは失礼じゃないですかねー!?」
うがー! そこでがっかりされるのはなんか釈然としなーい! 釈然としないけども、まぁそこを気にし過ぎても仕方ないので、流していこー!
サツキ : えー、折角の見所なのにー!?
油断をすればからかいたがるね、姉さん! うん、姉さんのコメントはスルーで! 配信が終わったら、姉さん対策にちょっと兄さんに頼ろう! ……姉さん相手は力を貸してくれるかなぁ?
まぁいいや、それは後回し! えーと、なんだかんだで配信を始めて40分くらいだから、配信時間の3分の1が終わったとこだね。
うん、雷纏いの再使用時間はそろそろ過ぎから、大暴れも出来そう。
「さーて、次は何をしましょう? とりあえずエリアボスを探しながら探索ですかねー?」
咲夜 : エリアボスかー。今回は何がエリアボスになってるんだろ?
ミツルギ : そこは固定じゃないからなー。見つけてみるまで分からん。
いなり寿司 : その前に、ちょっと質問。今、進化ポイントっていくつになってる?
イガイガ : そういやいくつになった?
金金金 : それなりに溜まってそうではあるな。
真実とは何か : 真実は如何に!?
「あ、確かにいくつになったか把握してないですね。それじゃその確認をしていきましょうか!」
いなり寿司さんの要望ではあるけど、私自身が今の進化ポイントを把握してないから、ここで一度確認するのは良い事だー! 何ポイントあるんだろ?
「えっと、今の進化ポイントは36ですね! おぉ、目的の半分は超えましたよ!」
うふふ、目的は60だから、順調、順調! 思いっきりパーッと使ってしまいたい衝動はあるけど、ここは我慢! 60を超えたらパーッと使うんだ!
いなり寿司 : あ、結構溜まってきてるな!
富岳 : 虫のボーナス場所が大きかったのかもな。
「多分そうですねー! うーん、またボーナスの虫とかいませんかねー?」
いたら、結構良い感じの進化ポイント稼ぎにはなりそうなんだけどなー。あ、でもあれは割り込んでた分だけ経験値は少なめだったっけ。んー、Lvを上げる事も考えるなら順当に普通の敵を倒すのが良いのかな?
ミツルギ : あれは中々発生しないからなー。
イガイガ : だからこそボーナスとも言えるけどな。
「確かにそれはそうですね。それじゃ、普通に敵を探していきます! とりあえずこれですね! 『放電』!」
ふっふっふ、放電を溜めながら虫を誘き寄せる作戦! これなら私が見つけなくても、虫の敵の方から向かってきてくれる!
サツキ : ねぇ、サクラちゃん? ちょっと疑問だったんだけど、なんで看破を取らないの? 敵を見つけるの、相当楽になるよ?
ミナト : え、サツキさん!?
ミツルギ : ちょ!? それは!?
咲夜 : それはネタバレ過ぎる!?
チャガ : あえて、直接的に誰も触れてなかったところを……。
富岳 : 自分で取る選択をするまで、口出しは無しだと思ってた部分だぞ……。
サツキ : えぇ、そうなの!? サクラちゃん、今のは聞かなかったって事にして!
え、姉さんも含めて皆さんのその反応はなーに? え、看破って確か知恵のスキルツリーの第6段階にあるやつだよね?
「えっと、流石にスルー出来ないんですけど……」
姉さん、思いっきりネタバレ禁止の部分に突っ込んできたっぽい! 皆さんの反応的に、これは確実に有益なやつ!
そういえば敵の判別をしやすくする方法の話を前にした覚えもあるけど、具体的な内容は聞いてなかったはず? その答えが看破なの?
サツキ : あわわ!? やらかしたー!?
イガイガ : 流石というか、なんというか……。
咲夜 : 流石はサクラちゃんのお姉さん。
チャガ : ……は? あっ、何かあったのはサクラちゃんの姉の降臨なのか!?
富岳 : あー、まぁそういう事だな。……ここにも迂闊な発言の常連がいるな。
咲夜 : はっ!? しまった!?
ミナト : あはは……どうしよっか、この状況?
「どうするのがいいんでしょう?」
看破の事は非常に気になるし、取ろうと思えばすぐに取れるだけの進化ポイントはある。だけど、それをしたら折角溜めてた進化ポイントが一気に減る! ……本当にどうしよう?
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