第47話 のじゃロリ元賢者×新・賢者①
ラニャの家から離れた森の中。
話すのはラニャと竜人のティア。
「いいんですか?皆さんに声かけなくて……」
「いいんじゃよ。とりあえず挨拶代わりじゃし。一応身代わりも置いといたからのぅ」
「身代わり?んーまぁラニャさんがいいっていうなら大丈夫ですよね!」
「そうじゃ。わしは元賢者じゃからのぅ。」
「そうですよね!それじゃへんしーん!」
グワーーン!
ズトーーン!!
少女は人から巨大な竜の姿に変化する。
「さぁ乗ってください!」
「まてまて、これじゃ世界の終わりみたいじゃろ。今見えんように魔術をかける。」
ラニャはティアの身体に乗り、自分の身体より大きな杖で詠唱、それによって二人は透明になった。
「では、出発!」
「行きまーす!」
目指すのは
新しい賢者のところだ。
・・・・
~翌朝~
「うーん。むにゃむにゃ。」
「うへ、うへへへ」
ラニャはサロに抱きつきながら眠る。
これは日常の風景。
「ご主人様~暑いです~……」
「うへ、へへへ……」
「んもぅ。そろそろ私は起きますよ~ふぁ~……」
パジャマ姿で一階に降りていくサロ。
ベッドで寝たままのラニャ。
「(うへへ……サロ姉さんいい匂いっす……)」
「サロ、おはよう。」
「おはようございます、ルーちゃん。早いですね~」
「うん。鍛錬もあるからね。」
ルーは猫又の師匠の元、日々体術に磨きをかけている。
「頑張ってるルーちゃん、素敵ですよ♪」
「師匠……うーんこの場合はお母さんか。お母さんを守れるように頑張らないと!」
ここで言うお母さんはラニャの事。
最近は師匠が増えたのでお母さん呼びになることがおおい。
「うふふ。」
「お母さんはまだ寝てるの?」
「まだ寝てましたねぇ~」
すると階段から降りてくる音がする。
「あ、お母さん。おはよー」
「おはよーございまーす」
「おはよう」「ございます?」
「はっ……おおう!おはようなのじゃ!二人とも!」
「「???」」
「ご主人様、やけに元気ですね」
「そ、そうか?い、いつも通りじゃぞ?」
「昨日お酒飲まずに寝たから調子がいいんじゃない?やっぱり晩酌は控えた方がいいよー」
「そ、そうなんじゃよ!いやー最高の目覚めじゃ。ほんとに。うん。」
「さ、朝食の準備をいたしましょうね~♪」
「あれ?ミルカさんは?」
「そういえば朝から見てないや。離れの方見てくるね」
ルーは玄関をでて離れにむかう。
昔は倉庫に使っていたが、ミルカのために部屋にしたのだ。本人はそれなりに快適に暮らしている。
「ご主人様、コーヒーいれますね。」
「うむ。」
キッチンにたつサロは朝からとてつもない色気を漂わせている。これが日常。彼女はサキュバスなのだから。
ガチャッ
「ミルカさん、いなかったよ~どこ行ったんだろ?」
「んー珍しいですねぇ。何も言わずにいなくなる方ではないのですが……」
「もしかして、何か事件に巻き込まれたのかな?」
「……たしかに。テトラさんもおそわれたと聞きましたし……ルーちゃん、少し家の周りを見てきてもらえますか?」
「はーい。」
ルーは再び外にでる。
「はい、コーヒーです♪それで、ご主人様、これからどうするおつもりなんですか?」
「え?これから?」
「はい。リリーさんたちご一家を一度匿うにしても、場所がありませんし……問題の根本もどうにかしないとですし……」
「うーん。考え中?」
「あら、珍しいですねぇ。こういうときは秘策があるって思ってました。」
「も、もちろん!秘策はあるぞ!」
「やっぱり♪どんな秘策なんです?」
「えっとーうーんどこから説明しようかなー……」
どうも歯切れの悪いラニャ。
ガチャッ
「サロ!大変!」
ルーが戻ってきた。
「あら、どうしたんですか?」
「えっと森の方からティアの臭いがしたから追っていったら、お母さんの臭いもして、そこにすごい大きな足跡があって……多分ティアの竜の姿の足跡だと思うんだけど……」
「うーん?どういうことです?ご主人様……ん?」
「えっとー……」
「ご主人様」
「はい?」
「顔が真っ黒ですけど?」
「あ、やっべっ……」
ラニャ?の肌は褐色~黒色の肌に変化していた。おそらく飲んだコーヒーの色。
「……ミルカさん?」
「………さーてお風呂でも入ってこようかのぅ~♪」
「ルーちゃん」
ガシッ
「……確保」
「ううう……違うんです……サロ姉さん……」
さっきまでラニャだと思っていたのはスライム女でここのメイド二号をやっているミルカが変身した姿だった。スライムは摂取したものによって色が変化することがある。
「ということは」
「本物のご主人様はどこに?」
「うう……話しますから、離してぇ~……」
ミルカは昨日の夜の話をする。
つづくのじゃ!
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