デスゲイズとアムリタ

小波ここな

デスゲイズとアムリタ。市長選で競う。


 ザルカスの町の名士であり、罪人を捕らえて刑に処する、裁きのサーバクの神官長こと、デスゲイズ神官長が、重い腰を上げて権利団体に背中を押され市長に立候補した。


 現職のザルカス市長が、度々現れる魔物から町の民を守りきれてなかった為、好人物として名高いデスゲイズ神官長が雛壇に立ち、魔法"耳をカタムケール"をひそかに使い、民に演説をしたところ、拍手喝采を浴びた。


 デスゲイズ神官長の市長就任はほぼ確定となり、権利団体数名と居酒屋で早い祝杯を上げていた!

 そうした所に...


『あ デスゲイズ 。何をしてるんだ?


 デスゲイズの腐れ縁である、冒険仲間の赤いおさげ髪の少女"アムリタ"がデスゲイズ神官長に声をかけながら近づいて、一堂が集うテーブルの空いた席にちょこんと腰掛けた。


 権利団体の人々は、初対面故に知らないアムリタに、立ち去る様にうながした。


 しかし


『まーまーみなさん。アムリタ?俺さまは市長になるぜ?


 アムリタはデスゲイズ神官長の市長選の話を聞いて‘ふーん’と興味なさげだった...しかし、テーブルに集うデスゲイズの知り合いに彼女は告げた。


『じゃあ..わたしも出てみようかな!


 デスゲイズ神官長の知り合いたちは腹を抱えて笑った。

 デスゲイズも面白い冗談で、高級酒を3杯おかわりしてホロ酔い気分から


『面白い!受けてたとう…


 にやにやと笑うデスゲイズ神官長に、店を去り際のアムリタが明るく手を振ると彼の仲間たちも、にやにや笑いながら手を振り返した。



 後日、アムリタと名乗る無名の少女が市長演説会場に入って来た。


 権利団体やデスゲイズ神官長は、どんな事を言い出すかにやついてアムリタを見たら...


【 身なりを整えたアムリタは、ガチの美少女だった 】


 赤毛の美少女アムリタが雛壇にのぼると、民からどよめきが上がる。


 アムリタは魔法"音響ヨクナール"を発動した瞬間!


 拳を空に突き出しながら叫んだ!


『おじさんより美少女は強い!



 デスゲイズ神官長の市長選〔敗北集会〕にて。

 

 去りゆく権利団体に対して、お詫びの‘イカゲソの乾物セット’を差し出しながら..彼はつぶやいた。


『やってらんねーぜ...



 ザルカス市の市長はアムリタが3期に渡り市長を続けている。

 デスゲイズ神官長が<嫌がらせに魔法で召喚した魔物たち>を討伐しながら♪

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