冥府を孕む

凍えるような冬の夜に、布団にくるまってただその暖かさを享受する。


体温が染みだしたその内にいるわたしは、まるで羊水に浮かぶ胎児のよう。


そしてふと、その氷のような臓腑の冷たさに気づく。


そのときわたしは、そのはらに冥府を孕んでいるような心地がするのだ。


……


(おなかがすいたから夜食にしよう)

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