【漫才】 流行り物
二人「はい、どうも~」
ボケ「ほんと最近いろいろありましてね、なかなか外にも出られないでしょ」
ツッコミ「そうね。何するにしてもまずマスクせなアカンしね。帰っても手洗いうがいとか」
ボケ「そう。だからね、気軽に外に出て流行りもんとかも食べられへんのよ」
ツッコミ「ほう、流行りもん。なんやろ、チーズハトッグとかか? ほら、韓国の」
ボケ「近い! ええとこついとるわ! 外国のスイーツやね」
ツッコミ「外国のスイーツ……あ、わかった! タピオカやろ!」
ボケ「おしい! その親戚や!」
ツッコミ「親戚……? ごめん、わからんわ。正解教えて」
ボケ「ナタデココや」
ツッコミ「古っ!? え? ちょ……古っ! それめっちゃ前に流行ったやつやんけ!」
ボケ「アホか! 今俺の中で再燃しとんねん! ブームが!」
ツッコミ「知るか! 誰がそんな超局地的に再燃してるやつ把握しとんねん!」
ボケ「アキコや!」
ツッコミ「すまん、こういう事言ったらアレやけど……アキコっておまえの家出したオカンやんけ!」
ボケ「あ、バレた?」
ツッコミ「ツッコミづらいボケかますな! てか、ナタデココがどうしてん」
ボケ「いや、ナタデココ食べに行かれへんからな、せめてその雰囲気だけでも味わっとこ思て。せやから俺がナタデココ屋やるから、お前客やってや」
ツッコミ「急やな! しかもなんやねんナタデココ屋って」
ボケ「え? 知らんの? ナタデココ屋。俺の地元やとマクドと同じくらい店舗数あるけど」
ツッコミ「地元一緒! 俺ら地元一緒やから! なんなら幼稚園からの腐れ縁やから! しかもそんなもん見た事ないわ! どこにあんねん!」
ボケ「らっしゃせー!」
ツッコミ「うわ、いきなりスイッチ入ってるやん。まあええか……すみません、ナタデココ食べたいんですけど」
ボケ「……ウチはそんなチャラチャラしたもん置いてへんわああああああ! ボケえええええええ! クォラああああああああ!!」
ツッコミ「え? え? なに? なんでいきなりそんなキレてんの?」
ボケ「ホラホラ、うち、表ではラーメン屋やけど、常連客にはたまにナタデココ出してる硬派な店やから」
ツッコミ「ホラホラとか言われても、そんな設定分かるワケないやん。しかも硬派ってなに? 意味知ってる?」
ボケ「お客さん、どこでうちがナタデココ出してるって聞いたか知らんけど、ウチにはウチのルールっていうもんがありますから」
ツッコミ「帰ってええか?」
ボケ「もうちょっとだけ付き合って」
ツッコミ「……あの、どうしてもナタデココ食べたいんですけど、どうしたらいいですか?」
ボケ「せやなぁ……どうしてもって言うんなら、お客さんにその資格があるかどうか確かめさせてもらうけど、ええか?」
ツッコミ「わかりました。けど、確かめるって、どういう方法でですか?」
ボケ「そりゃもう身の毛もよだつほどの過酷な試練や。血反吐にまみれるくらいの覚悟がないと乗り越えられへんで」
ツッコミ「おかしいやろ! ナタデココ食べるだけやぞ! ……まあ、ええわ。ちなみに、その試練ってどういうものですか?」
ボケ「聞いて腰抜かすなよ? ……お客さん、財布持っとるか?」
ツッコミ「あ、はい。ここにありますけど……」
ボケ「百円玉出してみぃ」
ツッコミ「は、はい……どうぞ」
ボケ「毎度ありがとうございます。こちらが当店自慢のナタデココでございます」
ツッコミ「いやいや、いろいろ安いな!」
ボケ「ス……(ナタデココを上へ掲げる)」
ツッコミ「雑! 安いからって物を高く上げて『高いですよー』っていうボケもそうやけど、いろいろと物凄く雑!」
ボケ「冷めないうちにお召し上がりください」
ツッコミ「もともと冷めてるもんやから! これ以上冷ますとなると、故意に冷まさないとあかんから! ……それで、これはナタデココの何ですか?」
ボケ「ナタデココをそのまま、ナタデココであえた物でございます」
ツッコミ「それただのナタデココやんけ! ゼリーとか、飲み物の中にいれるとか、そういうのじゃなくてむき身かい! そのままかい! ダイレクトかい! 産地直送かい!」
ボケ「ツッコミがしつこい」
ツッコミ「え、ご、ごめん」
ボケ「なんか飽きてきた」
ツッコミ「いやいや、おまえが飽きてどないすんねん! おまえが言い出したんやから、せめて最後までしっかりやれや!」
ボケ「悪いけど、これから俺女にナタデココ作って食べさせるっていう予定があるから忙しいねん」
ツッコミ「おまえ今すっごい印象悪いぞ。てか、いつのまに彼女できたんやおまえ」
ボケ「この前や」
ツッコミ「へー、名前は?」
ボケ「アキコ」
ツッコミ「ってそれ、おまえの家出したオカンやないかーい!」
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