1.佐々木先生との関係
今日の私の勤務はフリーで、肺癌の患者を手術室へ送る事になった。麻酔前投薬を打ち、患者を手術室までベッドごと連れて行った。スタッフ以外立ち入り禁止の所まで来ると、患者の家族は頭を下げた。
手術室の受付まで来て、患者は別の部屋へ移された。私は、受付の看護師に患者の状態を申し送った。
術後、患者はICU(集中治療室)へ移動されたようだ。
「あ~、疲れた。」
佐々木先生がナースステーションまで上がってきて、頭をかいた。おそらく、執刀医は彼女だったのだろう。呼吸器外科医の唯一のアラフォーの女医さんだ。
身長は女性としては高いほう。私とほとんど同じくらいだった。ただし、小顔で足が長い。
髪は顎くらいのボブで、黒髪。
「そういえば...。」
看護師の半分は食事に行っていた。
佐々木は当たりを見回した。
「吉田君、今日も家へ来る?」
私は男性の頃、誘われていたのだ。その時は、私の好みどストライクの女性だった。
「ええと、今日は用事があって...。」
私は誤魔化した。
「ないって言ってたじゃない~。意味わかんない。」
佐々木先生はそう言うと、そっぽを向き、パソコンを見てキーボードを叩いた。
私の体は男、頭脳は女性。
いくら体は男だとしても、女性とのHなんて考えられない。
ただ、男性同士のHは絵的にちょっと...。
私は男性と女性、どちらを愛せるのだろう?
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