第4話 月曜日の後
金曜日、家庭教師が終わり未羽君は帰る。次に会えるのは月曜日、土曜日と日曜日は学校もないし部屋に引きこもっていればいいだけだからまだ耐えられる。
問題は月曜日、次に会えるのは金曜日、火曜日・水曜日・木曜日は学校に行かないといけないし…いろいろ辛いことが多い。何より3日も未羽君に会えない。それが一番辛い。
「死にた……」
「こらっ」
「いたっ…」
月曜日の家庭教師が終わり未羽君を最寄り駅まで送る途中、私は無意識のうちに呟いていた。今日、お姉ちゃんは家にいなかったので私と未羽君2人きりだったから、つい本音を出してしまったのかもしれない。
「痛くないでしょう」
「えへへ〜全然痛くなかった〜」
私を軽く叩いた未羽君はやれやれ。と言った様子で私を見つめる。
「もし、辛かったら電話してくれれば話くらい聞くよ」
「毎日電話しちゃうよ…」
「マジか」
「未羽君といる時以外…ずっと辛いから……」
「水曜日、学校終わってから暇?」
「え、あ、うん…予定はないけど……」
「じゃあ、少しだけだけど遊びにでも行く?」
泣きそう。え、突然すぎるけど……え、幸せ。やばい。泣く。え、それをモチベに私は生きていられる。
「あはは、やっぱ…嫌かな?」
「い、嫌じゃない。すごく嬉しい。行く!絶対行く!」
馬鹿みたいに高いテンションで私は未羽君に答える。一度提案されてしまったのだ。実現されなかったら私、ショックで本当に死んじゃう。
「じゃあ、お出かけしようか。あ、でも、お母さんとお姉ちゃんには内緒にしてね。変な気を遣わせたりしたら申し訳ないからさ」
「う、うん。わかった!」
私と未羽君の関係は生徒と家庭教師、親からすれば一緒に遊びに出かけたりするのは、どうだろう。と思われるかもしれないし、せっかくの未羽君とのデート、親にもお姉ちゃんにも邪魔されたくないからどちらにも言うつもりはない。
「じゃあ、水曜日また会おうね」
「うん!おかげで水曜日まで生きてられる」
「大袈裟だなぁ」
「大袈裟じゃないもん」
未羽君は笑いながら言うが、全然大袈裟ではない。私にとって未羽君はそれほど特別だから……
「そっか、じゃあ、僕も楽しみにしてるね」
「うん!約束だからね!」
「うん。約束」
未羽君とゆびきりをして約束した後、未羽君は改札を通って駅に入って行く。私はスキップで家まで帰るくらいテンションが高くなっていた。水曜日がすごく楽しみ。
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