出発
「次はどこに行くんだ?」
ロビンが次の行き先を尋ねる。
俺はマッピングした地図を魔法スキルで発動させる。一番東にエルフの町アルフがマッピングされ、その南西にドワーフ国がマッピングされてある。
だから、次の行き先はアルフの北西、ドワーフ国イルーヴァタールの北にある場所に行こうと思っている。
俺はまだマッピングされていない場所を指して、
「ここに行こうと思う」
「アルフの北西、獣人族の町だな」
じゅ、獣人族⁉あの獣人族か?猫耳や犬耳、ウサギ耳など多数の動物の耳や尾がある人の形をしている獣人族か?
異世界に来て獣人族の耳や尾をふさふさしてみたかったんだよ。それは楽しみだ!
「じゃあ、支度を済ませませたので、出発しましょう!」
ウキウキのクリハ。そのクリハを止める。
「何ですか?」
「実は、ロビンが
「おい!聞いたぞ!ここを出発するそうじゃないか!」
ドアをノックなしで勢い良く開け放ち、入ってきたのはトーリンさん。
「ええ、もう出るつもりです」
「そうか。いろいろ、ありがとな」
急に寂しそうな表情を浮かべるトーリンさん。
「いえ、お世話になったのは俺なんで、気にしないでください」
「そうか、そうだな。そんな坊主にアドバイスだ。その敬語やめておいた方がいいぞ。貴族なら分かるが、冒険者同士ではなめられるからやめておけ」
「分かったよ、ありがと」
「おう」
トーリンさんはニカッと笑った。
その後俺たちはドワーフ国イルーヴァタールを出発した。
その道中
「ご主人様、宿での話の続きを聞きたいのですが」
あ、すっかり忘れていた。
「実はロビンが結構なドジでよく蜂に追いかけまわせるんだ」
「わー!助けてタクミ~!」
期待を裏切らず今回も蜂に追い回せれているロビン。俺はその様子を見て、すぐにクリハの手を握って言う。
「逃げるぞクリハ」
「はい!」
とても危険な状態なのに、嬉しそうな表情を浮かべているクリハ。
そんなクリハを見ているとなんだがおかしくなったのか、俺も笑ってしまう。
新しい仲間との最初のピンチだった。
「笑ってないで、助けろー!」
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