夜と踊る

夢を見る


夢の中の君は笑って怒って困って悩んで

コロコロ変わるその顔を本当は好ましく思っていた

絶対に口には出さないけれど

出さなかったけれど


微笑みながら僕の名前を呼ぶ君


久しぶりにみた笑顔はどことなく翳って見えた

それに僕は気付かなかった

見ていなかった

見たくなかった

気付きたくなかった


だから

君の変化を見ないふりした

その結果がこれで


夢を見る

君が笑って僕を呼ぶ夢を

それでも僕は何もかえせない

かえらない日々

『どうして』なんて

その理由は僕が一番わかっている


返せなかった

たった一言

君への言葉

たくさん貰った言葉はすべて宝箱にしまって

仕舞って閉まって終ってしまった

後悔してももう遅い

たった一言

一言だけでも返していたら

その結末は変わっていたのかな


後悔してももう遅い

そんなの僕が一番わかってる


君の夢を見る

夢の中の君は泣いていて

僕は何も言えなかった


当たり前だ

だってこれは僕の妄想

その時そこにいれたらなんて


そう、僕はそこに居なかった

見ないふりした代償をこんな形で突きつけられる


もう君は還らない

これが僕の罪

真っ暗な世界

夢と躍りながら僕は生きていく

永遠の極夜

この夜は開けない

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