第2話 始まりの場所

大津おおつ ゆい

私は今年の春から、大学進学をきっかけに

1人暮らしを始めた。

大学は同じ県内なのだけど、

私が生まれ育ったのは

ど田舎で、未だに村にコンビニもない。

20時を過ぎたらお店も閉まるし

冬には2メートルも雪が積もるし

外でたむろなんてしないし

不良なんて異世界の話だと本気で

思っていた。


そんな田舎にずっと住んでたから

市内にでて、大学って言ったら

もうそりゃぁ、やりたい事は

たくさんあるよ。

実際は、市内でも端っこの

自然豊かな立地の理系大学なんだけどね。


「まぁまずは、バイトかな」


早々に引っ越しをして

入学を前にバイトを始めることにした。


「カフェバイトとか憧れるけど

言うてもここも田舎の方だしな

そんなの近くにないよね…」


とまぁ、おしゃれな接客も

ちょっといきなりはレベルが高いし

近くのラーメン屋でバイトを開始。


これがすぐ後悔したよね(笑)


でました、ちょースパルタ店長

今どきこんな昭和風の指導あり?!

初めてのバイトが、これって…

でも断れないない…

気付いたらバイト週4…6?

大学も1年があっという間に過ぎてしまった。


そう私達あなたとわたしの物語は

この後から始まる。

遅れた青春ライフを大学に夢見てたけど

大学そこじゃなかった。


はじめは、ただ1日1日を無意味に重ねて

増えていくバイト代の貯金額を

生きがいにしてただけの

ここが青春だったんだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る