Lamrada Horror Show
大福 黒団子
プロローグ とある二人の会話
まるでウロボロスの様だと彼は告げる。その言葉に対して自分は、ごく自然に当たり当たり前に「何が?」と問いかけるしかなかった。
「人間が人間をエンターテイメントにすることさ。ただ、ここ最近はどうも手が入ってる」
「手?」
「あぁ、妙に人為的過ぎるんだ。それも悪意、もしくは選民的な思考が入り混じった何かがね。人間って生命体自体はさ、根本的な生存欲求。もとい、外敵から身を守る為に選民的な思考がデフォルメで入っている。俺様にも、君にも……だ」
彼は自らの頭を右手の人差し指でリズミカルに突き、続けて僕のおでこも一回だけとん……と突いた。
「なるほど? それで?」
「けれどそれはあくまで、自らの安全領域を犯されそうになった時に発動する。相手が敵意や殺意、武器を持っていないのに自ら銃を構える奴はいるか?」
「……一般論的には殆どいない」
僕の答えに対し、彼はその通りと呟きながら軽く頷く。こちら側に害をなそうとしていない無防備な人間に対し、銃を構えるのはさすがに過剰防衛だ。まぁ、その時の事情によって多少なりとも判断は変わるけれど。
「タニクグのおっさんに、ここ最近転がっている死体の身元確認をして貰った。結果、どうだったと思う?」
「そんな事いきなり言われても分からないよ。どうだったのさ?」
「全員堅気の人間。裏社会と繋がっている形跡なし。しかし、やられ方がどうも……芝刈り機で芝を狩る様に無慈悲だ」
絶妙に分かりにくい説明を受けて、僕は思わず顔をしかめる。こんな僕の様子を面白がったのか、はたまた気に入ったのか、彼は愉快そうに笑う。
「どのみち此奴ぁ怪物の仕業だ。だとしたら俺様達の出番なのさ」
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