story.03 十二天将 東雲葵太陰

陰陽局長

「これからの処遇は十二天将じゅうにてんしょうと会議にかけて決める。」


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十二天将とは陰陽局長に次ぐ実力の持ち主である。

その名の通り12人で構成されておりそれぞれ名称がある。

十二天将は十二天将と眷属契約をするか名前に由来した術を継承することがある。多くは、術を継承することとなっている。

十二天将本人たちはどこにいるのかは陰陽局長のみが知っている。

その12人は役職名で呼ばれることが多い。それは、

騰蛇とうだ朱雀すざく六合りくごう勾陳こうちん青竜せいりゅう貴人きじん天后てんこう太陰たいいん玄武げんぶ太常たいじょう白虎びゃっこ天空てんくう

の12人で構成されている。この十二天将の上にいるのが陰陽局長。

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少弐しょうに

「わかりました。」

陰陽局長

「あぁ、頼むぞ。会議が終わり次第、連絡をよこそう。」

少弐しょうに

「はい、ありがとう存じます。」


会議が終わった。

少弐は…


少弐しょうに

「まさか、陰陽局長が直々に会議に出てくださるとは思わなかったぞ。」


それから、何事もなく時間が経って行った。

十数日後…


直江なおえ

「…本部長。あの、陰陽局本部からの使いのかたがいらっしゃっています。」

少弐しょうに

「あぁ、通してくれ。」


本部長室にある1人の女が入ってきた。


???

「ひさしいな、少弐。」

少弐しょうに

「…あなたでしたか。太陰たいいん様。」

???

「太陰は役職の名じゃ。その呼び方はこのまん。あらためよ。」

少弐しょうに

「あぁ、すみません。東雲しののめあおい太陰様。」


東雲葵太陰は、髪が腰までと長く着物をきれいに着飾っていた。それなりの年である。


あおい

「なんじゃ、フルネームで呼びよって。ふふ。そうじゃ、美奈みなの娘に会いにきたのじゃ。紹介してもらえるか?」

少弐しょうに

「わかりました。すぐにお呼びします。東雲太陰様は、ここでお待ちください。」


それから、しばらくして零蘭が呼ばれた。


零蘭れいら

「失礼します。…誰?」

少弐しょうに

「ゼロ!口を慎め!」

零蘭れいら

「知らない人だから…」

あおい

「よい。神楽坂零蘭だな。」


零蘭がすごい勢いで東雲葵太陰を睨んだ。


あおい

「そないに睨むな。神楽坂美奈はお主の母親じゃな?美奈は同僚どうりょうじゃった。私の直属ちょくぞくの部下だったのじゃ。みお健在けんざいか?」

零蘭れいら

「お兄ちゃんは殺された!」

あおい

「そうか。しい人をなくしたものだ。陰陽師にも理解があったからの。澪が15の時に美奈は自分のことを話しておった。零蘭は聞く前に美奈がなくなってしまったからの。無念むねんじゃ。」

零蘭れいら

「それで?」

あおい

「お主には、しばらく私と修行しゅぎょうをしてもらうことになったんじゃ。お主の本名は御神おかみ(陰陽局長のこと)と私と少弐しか知らん。安心すると良い。」

零蘭れいら

「修行?なんで?」

あおい

「お主は、力が強過ぎる。その霊力値は異常じゃ。陰陽師の中でもぐんを抜いておる。まぁ、陰陽師全体で1番じゃ。人間ではないようなあたいだからの。それを制御しなくては周りにいるものを傷つけるだけじゃ。それができなければ、お主は…処分されるぞ。」

少弐しょうに

「それは!」

あおい

「処分は、消すという意味ではない。霊力をほぼ全て無くすということじゃ。」

少弐しょうに

「そうゆうことですか。」

あおい

「そうじゃ。零蘭…いや、ゼロか。ゼロ、一緒に来てもらうぞ。太陰の私としてはこれは、御神の命令だからの。努めるつもりじゃ。修行は、厳しいものになるであろう。だが、安心するといい。この任務は私1人ではない。十二天将が力になると約束しよう。」

少弐しょうに

「十二天将がですか!?」


十二天将が勅令ちょくれいを受けることはあるが、全員が力になることは異例である。本部長クラスではまれにあることだが、末端まったんの養成学校生徒にこのような措置そちが取られることは異例中の異例である。


零蘭れいら

「組長。十二天将って何?」

少弐しょうに

「十二天将は陰陽局のNo.2だ。陰陽局長の次に偉い人だ。そして、とても強い。学べることは多いと思うぞ。」

零蘭れいら

「わかった。太陰さん、お願いします。」

少弐しょうに

「ゼロ!さんじゃなくて様だ!敬語を使え。」

あおい

「別に良い。では、基礎きそは養成学校で学んでもらわねばならん。ゼロ、お主の誕生日はいつだ?」

零蘭れいら

「1月17日」

あおい

「お主がこの学校に入ったのは8月29日だったはずじゃ。今は、9月15日じゃ。ちょうど良いな。1月17日の誕生日にお主を引き取りに来る。4ヶ月あるからの。その頃になればお主も自分の力の問題点がわかるようになるはずじゃ。良いな?」

零蘭れいら

「わかった。」

あおい

「あぁ、良い子だ。では、1月17日まで勉学にはげむと良い。実技も頑張るのじゃ。」


東雲葵太陰が帰っていった。


少弐しょうに

「ゼロ、これは秘密事項だ。引き取られた後のことは、こっちでクラスの奴らに言っておく。だから、安心しておけ。」

零蘭れいら

「わかった。」


月日は流れ1月16日


零蘭・ムラサキ・だいの部屋では


零蘭れいら

「明日から、いないから。」

ムラサキ

「どうして?」

だい

「おい、それって…どうゆうことだよ!」

零蘭れいら

「修行のカリキュラム。特別階級の人はあるんだって。だから、行かないといけなくなったの。帰ってくるのいつになるかわかんない。」

だい

「そうか…寂しくなるな。」(寂しそうに笑った)

ムラサキ

「そうだな。静かになる。」(寂しそうに言った)

零蘭れいら

「2人も霊力値強くて、少し修行したって言ってたよね?」


説明しよう!

ムラサキとだいが入学して3ヶ月足らずで、零蘭の体内たいない封印ふういん制御せいぎょ術と眷属けんぞくが2人いたのは、霊力が常人よりも多く持っていた2人がこれからの実技で暴走しないように特別カリキュラムを受けていたからである!

特別カリキュラムでは、陰陽師が1:1でみっちり教えてもらえるものである。

霊力が不安定なので安定させるためのプログラムでもある。霊力は、感情に左右されやすい。悲惨ひさんな事件で陰陽師となったものなどは特にこのカリキュラムを受けることになっている。

だいとムラサキは、このプログラムを入学してすぐに受けていたため周りよりすぐれた術を行使こうしできた。


だい

「あぁ、あの特別授業な。だるかったぞ。こえーし」

ムラサキ

「俺は、優しかったな。」

だい

「え!?俺だけ厳しかったのかよ!いきなり、お前は眷属とれーとか言われてよ、地下牢?的な場所に連れて行かれたんだぞ!」


説明しよう!

[地下牢的な場所]とは、地下にある収容施設のことである。そこには、悪さをした妖をとらえている。ほとんどが、陰陽師の眷属となる。


ムラサキ

「どんまいだな。」(笑っていた。)

零蘭れいら

「でも、だいちゃんなら連れて行かれそうw」

だい

「おい!ゼロも笑うな!」

零蘭れいら

「ごめんごめん」


他愛たあいのない時間は過ぎていき17日

零蘭たちの部屋で


少弐しょうに

「ゼロ!起きろ」

零蘭れいら

「はい?」

少弐しょうに

「迎え来たぞ。」

零蘭れいら

「はぁい。」(気怠けだるそうに起きて支度したくを始めた)

少弐しょうに

「今は…4時か。10分後にここを出ろ。すぐに、本部長室まで来い。」

零蘭れいら

「わかった。」


しばらくして、本部長室


零蘭れいら

「失礼します。組長。」

少弐しょうに

「だーかーらー、組長じゃねぇ!本部長だ!」

あおい

「別に良いではないか。組長殿。ふふ。ゼロ、お主はまず御神に会う。失礼のないようにと言いたいが…まぁ、そのままでも良い。」

零蘭れいら

「はい。あの、なんて呼べばいいの?」

あおい

「なんでも良いぞ。美奈は姉さんと呼んでおった。」(零蘭の頭をで、笑いかけながら言った)

零蘭れいら

「じゃ、葵姉さんは?」

あおい

「ふふ。いいじゃろ。よし、ではゆくかの。」

零蘭れいら

「うん。じゃ、組長、行ってきます。」

少弐しょうに

「おう、行ってこい。東雲葵太陰様、よろしくお願いします。」

あおい

「あぁ、わかっておる。ではの。」


車に乗り込み、陰陽局に向かった。

陰陽局の最上階にある会議室に来ていた。


陰陽局長

「よく来たのぉ。ゼロや。」




今回の新・登場人物!

東雲しののめ あおい

現在は53歳の女性。50歳とは見えない容姿である。とても美しい。

十二天将の太陰という地位にいる。とても強い。実戦でいくつもの妖を封印して来たとか…

美奈の直属の上司だった。美奈の昔のことなどを深く知っている。

いつも着物を着ており、扇で口元を隠しながら喋るのが多い。扇は必須アイテムである。


story.04に続く

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