第30話

「おーい、お二人さーん、大丈夫?」

「あ、大丈夫です!」

やっべ、あの二人忘れてた。完全に二人の世界だった。

「うん、大丈夫そう。それじゃあ、なんだけど」

と同じノックを続けるらしいが、一段階したためか、それとも、私たちの練習中のイチャイチャのせいなのかどうかは知らないけど、次にやるノックを説明してくれるらしい。


「というわけで、今度は何だけど、ローテーションを実際にどんな感じでやるのか練習ね」

「さっきも2人で話し合ってもらった通り、ローテーションは決めておかないと、お見合いとか衝突するとか起きちゃうから、それの練習」

「どういう球が後衛担当なのかっていうのをしっかり体で覚えるって感じ?OK?」

「ということで、いったん見本を見せたいんだけど、そっちにノック用のシャトル渡すから、奏空ちゃんお願いできる?」

「わかりました」

と箱をもらう私たち。その中から筒を取り出し、シャトルを取り出す。

もう手慣れた。そりゃ、やっとけば慣れると言われればそうかもしれない。

「それじゃあ、琉愛。シャトル渡しお願いできる?」

「あっ、うん」

シャトル渡しってなんだっけ…。たしか、ノッカーにシャトルをほいほい渡す奴だよね。

「どんな感じでやるんだっけ…?」

「あー、えーっとね、シャトルをこんな感じで渡してくれればいいよ」

と羽の方をもって、2つのシャトルを持つ奏空。なるほどね。

「わかった」

「でも、ちゃんとノックの方も見といてね。一応こういう流れってことも見といてね」

「了解」

「それじゃあ、行きますよ!」

と、二人の方にノックを始める。


「てな感じなの。OK?」

「なんとなくわかりました!」

ローテーションのノックとはぐるぐる回るんだけど、スマッシュ、ドライブ、プッシュの順に後ろから前に詰めるようにするという練習らしい。

「というわけで、琉愛ちゃんと奏空ちゃん、やってみようか!」

「了解です!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る