フィーリア・レーギス【レシピ】

【キールのカクテル講座! フィーリア・レーギス】


 というわけで第二回!


 カクテルの由来やレシピを紹介する回だから、物語だけでいいやって人は次に進んでもらって大丈夫。


 今回の話では『テキラーナ』……そっちで『テキーラ』と呼ばれる酒を使ったんだ。


 テキーラは龍舌蘭リュウゼツランの一種『ブルーアガヴェ』のまるまるした茎から作られる酒のこと。


 龍舌蘭の見た目は鋭い剣のような葉がザクザク生えたパイナップルって感じかな。


 葉っぱを切り落とした茎の部分なんてパイナップルそっくりだ。


 このテキーラって名前は太陽の国メキシコのハリスコ州はテキーラ村に由来する。


 山火事で焼けた村から甘い香りがして……焦げて転がっていた茎を潰したら甘い汁が出てきた。それを蒸留して酒にしたーって感じで――まぁこの酒にもいろいろな逸話があるってことだな。


 カクト・リェルの幻想酒譚ではその逸話にちなんで『テキラナ町のテキラーナ』って名前を採用。


 ちなみに度数がすごく高いイメージがあるけどこれはちゃんと決められていて、33から55度。


 ほかの酒と比べてすごく高いかといえばそうでもなかったりする。まあ……決して低くはないんだけど。


 ブルーアガヴェの使用量とか細かく規定があるから『テキーラ』って酒は一回目の説明にある『シャンパン』とある意味似ているかも。


 熟成具合で色が銀から金、落ち着いた黄金色へと変化して……味もよりまろやかになっていくんだけど。カクテルに使われるのは最初の段階、キリッと辛めのスッキリ味である銀色が多い。


 カクテル自体の色を邪魔しないのもいいのかもしれないな。


 しかもテキーラはジン、ウォッカ、ラムと並ぶ四大蒸留酒スピリッツのひとつ。


 ……と、テキーラだけでもものすごく話せることが多いから、そろそろ本題に移ろうかな。


 カクテル【フィーリア・レーギス】だ。


 今回は我があるじにちなんで王女様と名前を付けたけど、もとになったのは【マルガリータ】ってカクテル。


 ジャン・デュレッサーさん考案の国際的なカクテルコンテストで三位になったカクテルなんだ。


 由来はこれも諸説いろいろなんだけど……よく言われるのはこれ。


『一緒に熊狩りをしていたところ流れ弾にあたって命を落としてしまった彼女……マルガリータを偲んで』


 ……うん。そのせいでカクト・リェルの幻想酒譚にアドバイスをくれているマルティさんノッティさんにはあるじの身を心配されたんだけど。


 さすがにあるじが命を落としたら大変だもんな。


 俺の感想だと偲んだ結果あんな強烈なカクテルになるなんてすごいなって感じだけど……酒の由来って本当におもしろい。


 おっと、ちなみに今回【フィーリア・レーギス】に使ったオランジュ果皮の酒は『キュラソー』って呼ばれるオレンジの皮を使った酒がモチーフ。


『真実はいつもひとつ!』で有名なあの推理漫画にも出てくるんだ。


 映画のゲストで登場するこのキャラは『私はどんな色にでもなれる』と言っているけど、言葉通り多種多様な色がある酒である。


 ホワイト、ブルー、オレンジ。緑、赤……って感じで。


 最高の言葉遊びだよな!



【レシピ】


●マルガリータ


テキーラ1/2

ホワイトキュラソー1/4

ライムジュース1/4

塩 適量


 グラスの縁をライムジュースまたはライムそのもので濡らして塩をくっつけ、混ぜた酒を注いで完成!


 用意できればライムを飾ってもお洒落だな!


 見かけるのはフローズンのものが多いみたいだ。


 意外と呑みやすいぞーなんて呑んでいるとそれなりにくるから、ゆっくり味わってみてほしい。



【おつまみレシピ】


●サルサポテト


 じゃがいも

 サルサソース

 油


 じゃがいもは芽を取り5㎜くらいの短冊切りにして水にさらす。

(お好みで皮は剥いてほしい。俺は面倒臭いからそのままにすることもあったり……)


 それを少し多めの油で焼き、こんがりしたらサルサソースをかけて完成!


 サルサソースの代わりに塩だけても美味いし、バター味も最高。


【マルガリータ】は南国にピッタリの辛みに負けない強烈な味を誇るカクテルだからな、このセットは進むんだ!



 それじゃあ今回はこのへんで。


 引き続きカクト・リェルの幻想酒譚をよろしくお願いします。


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