第4話
今日は雨でも眺めようと、外に出る。
じっと立つ。体が濡れていく。
気分が悪くなってきた。
やっぱり僕は雨が嫌いだ。
……ん?嫌い……嫌い?
なんだ、なぜだ。僕に感情があるのか。
だんだんと息苦しくなり、“怒り”が込み上がる。
なんだよ…また感情が出てきやがって。
僕はもう過呼吸になりかけていた。
身体中がすごく痛い。
頭を抱えてしゃがみこんでいると、
どこからか声が聞こえてきた。
辺りは暗くてよく見えなかった。
「……ん…ーくん……むーくん…!」
だんだんと鮮明に聞こえてくる。
誰かが僕を呼んでいる。
「……だれ…?」
「むーくん、落ち着いて、私だよ!」
この声には聞き覚えがあった。
去年、いなくなってしまった、
僕の、たった一人の、
友達。
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