第6話 笑顔
私は今、隣に座っているノエルさんとシアさんの尻尾をモフらせて頂いてます。二人とも、すごいフワフワです。
癒されますね〜。ちなみにレイは、私の椅子の下にいます。
「…で、アヤネはいいかい?」
「?あ、はい。大丈夫です。」
聞いてなくて、適当に答えてしまったので、もう1回聞こうか。もう遅いだろうが、正直に言おう。
「あの〜…。、スミマセン、あまり聞いてなかったので、もう一度お願いできますか?」
「…。ヴィンセント王子、ほんとに触らせてよかったのですか?」
双子揃ってヴィンセント王子をジーっと見ていて、面白かった。
「…。アヤネ、お願いだから、しっかり答えて…。」
そういう王子は、シュンとしていて、私の目では犬の耳が見えた。
「ごめんなさい…。ちゃんと聞きます。もう触っちゃ、ダメ、ですか?」
私の上目遣い、どうか、効いてくれ!
聞くから、モフらせて〜…。
でも、また目をそらされた。門番さんまで…。私の顔、やっぱ変なんだな、うん。きっとそうだ。そうじゃなきゃ、三回目で目をそらす人が増える理由はない。結論を出した私に、王子からの意外な声がかかった。
「あの、な、アヤネ。その可愛い顔をどうにかしてくれないか?その、笑顔といい、上目遣いといい…。」
「僕も同感です。アヤネさんは知っててやっているのですか?可愛すぎますよ。」
「ほんとにね。アヤネさんは自分の可愛さを自覚していない。」
双子からも可愛いと言われ、三人とも目がおかしいのかと納得してたら、ダニエルさんまで言ってきた。
「俺も、アヤネのその顔を見れば何でも頑張れそうだ。」
くっ、カッコいいなぁ!
もう、この世界にはイケメンしかいないのかよ!!
「なにを言ってるのですか?私は平凡な顔ですよ?」
「「その可愛さの、どこが平凡なんですか!?」」
双子、息ピッタリ!と驚きつつ、ちゃんと返事をする私は偉い。
「全体的に普通ですよね?あと、目を背けられるのは地味に悲しいので、目を逸らさないでください…。」
「「「…努力しよう。」」」
王子と双子の声が揃って凄かった。
「まぁ、それはおいといて、話を戻そう。また言うから、アヤネ。今度はちゃんと聞いといてね?」
「はい!聞いてますよ!」
「門番からは話は聞いた。辛かっただろう。もう心配入らないから、安心してこの街にいるといい。それで、この後入ってくる人が保護者になる人だから、アヤネが嫌なら断っていい。大丈夫そうなら、これから一緒に住むため、買い物をしてくるといい。それでいいかい?」
「はい、問題ありません!いろいろと、ありがとうございます。」
「では、入ってもらおう。ノエル。」
「畏まりました。」
部屋を出てから数分して、ノエルさんが戻ってきた。
「お待たせ致しました。こちらが、アヤネさんの保護者になる、アレックさんです。」
「はじめまして。誰が保護者になるか勝負して、俺が勝ち取りました。アレックと申します。よろしくお願いします。」
「はい!私はアヤネっていいます。よろしくおねがいします。」
手を挙げて8歳っぽくやって見たが、どうだろうか…。
アレックさんは、片手で顔を隠して上を見ていた。どうしたのだろうか。
「アレックさん?大丈夫?」
「…問題ない。」
「アヤネ、アレックは大丈夫だよ。それより、どう?アレックが保護者で大丈夫そう?」
「あ、はい!アレックさんがいいです!」
笑顔を向けたら、なぜかヴィンセント王子、ノエルさん、シアさん、ダニエルさん、グリンドさんは天井を見て震えていて、アレックさんだけ後ろを向いていた…。
やっぱり可愛いは気持ち悪いの間違いなのだろう。
こんな顔で笑われたら、嫌だよね。
「すまん、アヤネ。やっぱり我慢できなかった。」
「「僕達もダメでした。、 すみません…。」」
「俺も、努力はした。(ダニエル)」
「頑張った、頑張ったよ、俺。(グリンド)」
「…なんですか…その顔…。(アレック)」
みんな、やっぱり私の顔が嫌だったんだね。ここは謝っとこう。
「ご、ごめんなさい。もう、笑わないようにするから、嫌いにならないで?」
返事が来ない…。怖いけど、そっと顔を上げてみたら、次はみんなが目を見開いて私を見ていた。
「「「いや、笑って!?(ください!!)」」」
「なんで、笑わないようにするんだ?たくさん笑えばいい。」
「そうですよ!もっと笑って欲しいくらいです!」
「…可愛い顔、もう見れなくなるのか?」
ヴィンセント王子、ノエルさん、シアさんがかぶったと思ったら、次はダニエルさんとグリンドさん、アレックさんと続いてきた言葉に驚いた。
アレックさんは、可愛いとか言ってるし…。私は普通!
「みなさん、無理して言ってませんか?」
「言ってない!全部本心だよ!!」
ヴィンセント王子の言葉に、一生懸命顔を縦に振る一同。
「笑っても、いいのですか?」
「「「「「「はい、笑って。(ください。)」」」」」」
試しに1回、笑ってみると…。 ニコッ
「…可愛い。」
「「癒しですね…。」」
「ずっと、見ていたい。」
「最高ですね…。」
「これからずっとこの笑顔を見れるんだ…。」
一人一人が頬を赤らめて言っていたので、嘘ではなさそうだが、そんなに可愛いんだろうか。
小さい頃から変わってないけどなぁ…。
「羨ましいが、アレック。これからは保護者だから、そばに居るように。それから、買い物をしてくるといい。」
「分かりました。では、行こうか。おいで。」
手を差し出してきたので、手を握ってみた。
よく見ると、アレックさんの耳が真っ赤になっていた。
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なかなか投稿しなくてすみませんでした…。
2日おきに投稿しようかなと思っています。
今日は2話分投稿します。
これからもよろしくお願いします。
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