第72話 072

 帰宅後風呂に入って寝ただけで気が付けば日曜日になっていた。


 携帯を確認するとメールが入っている。

 高橋から「今度茜と茜の両親に謝ってくる。色々ありがとうな。」というメールが入っていた。


 俺の目から見て小澤はもうだいぶスッキリしているようには見えたけどな。

 田宮さんのところでイキイキとしている感じを受けた。

 半分とはいえ喜納に制裁を加える事が出来たからかもしれないけど。


 まぁマスターベーションで良いんじゃないだろうか。

 自分で納得出来れば。満足までかはわからないけどスッキリすれば良いんじゃないだろうか。泣き寝入りで終わらないだけ良いんじゃないか。

他の被害者には実刑と賠償しかないけど。


 さて、こうなってくると後は俺は何もすることがない。

 裁判始まらなければ何もない。


 引っ越しも終わったし足りないものは増えたラノベを収納する本棚とフィギュアを置くための場所確保と棚くらい。


 気が付くと加〇恵が5体になってる。英梨〇が3体。ごち〇さからもリ〇とチ〇が1体ずつ。

 小さい方が好きなのだから仕方がない。

 どこがとは言わない。


 でもともえも小さかった。良く似た悠子ちゃんも小さいのは知っている。

 うちの妹も小さいな。だからなぜ知っている。 

 大変失礼なのは承知であるけれど、お隣の小倉さんも小さく見えた。

 大家さんも小さく見えた。娘さんの友紀さんも小さく見えた。


 そういえば喜納の元嫁香奈美氏も大きくは見えなかった。

 少ししか会ってないけど小澤も……

あのお方も。


 「う~ん。」

 小さいのを頑張って挟むのが健気で良いんじゃないかと思ったけれど……

 その姿を想像出来なかった。

 想像の中でさえ反応出来ないというのはまずいな。


 というか誰を想像したんだ。ともえ以外で。


 


 一方その頃、噂に上がった7人は…… 


 「へっくちっ」×7(あのお方とともえ以外)


 

 「あら風邪?気をつけなさいよ。」

 田宮さんが茜を気遣う。


 

 

 「深雪、風邪?」

 「んー誰かが噂してるのかも?」




 「友紀さん風邪?随分可愛いくしゃみだけど。」

 「どうでしょう?それより呼び方が戻ってますよ?」


 

 「ままーかじぇ?」

 「こんこんよくないよね。気をつけないとね。」




 「あら、お母さん誰かに噂されてる?」

 「そこは風邪?とか言って心配するところでしょう?」




 「風邪かな?噂されるにしても今年もお一人様継続だし。それとも昔の仲間が噂でもしてるのかな。」




 「……寒いな。風邪でも引いたかな。お兄ちゃんが噂してる……なんて事はないよね……はぁ」



 

 7者7様なんて言葉はないけれど、7人それぞれがくしゃみをし、思い思いの反応を示していた。


 


 

 「日曜に行くと人が多いからなぁ。歩くと駅から微妙に距離あるし。」

 

 ジョ〇フル本田に行こうと思ったけれど、電車に乗るのも嫌なので通販で買う事にした。

 パソコンを開いて家具を配達しているところを探す。


 事前にスペース幅等は確認している。

 1時間も画面を見ているとそれなりに疲れてくる。

 これで良いかというものを選択すると、家にいる時でないと受け取れないので土曜日到着で発送依頼をした。

 


 「これでなんの変哲もない日常が始まる。そんなに長い期間ではないだろうけど。」

 裁判が始まればそっちに時間を割く必要が出てくるからな。

 


 「なんて言ってる場合でもないか。俺が言わないといけないんだろうな。おじさん達に。」

 裁判の前にともえの子供の事をどうにかしなければいけない。

 俺がどうこうしなければいけない事はないけど、連絡も付けられないだろうし引っ越すな的な事を言った手前、多少の橋渡しをしないわけにもいかない。


 ともえの子供の件でおじさん達と話がしたいと、両親に連絡を入れた。

 確認してみないとわからないけれど、次の土曜黄葉家の実家で話をするという事でお互いの都合を合わせるという事で話してみるとなった。


 

 それから15分後、安堂家から土曜の件了承の返事を貰ったと返信が入る。

 その中には12時に実家に来て欲しいという旨も記載されていた。

 時間については特にないので了承と返事を送った。



 1週間は特筆する事なく過ぎていく。

 家から職場までが公共の交通機関を使わなくなったからか、第三者の女性とすれ違う機会も殆どないので例の気持ち悪さとかがどうなったのかわからない。


 以前の電車の中のような事はアレ以来殆どないけれど、再現出来ない以上治ってるのかはわからない。

 

 ただ、20代男子だというのに朝起きるとふにゃっとしているので不能なのは変わりがないだろうな。



 わざわざ気持ち悪くなっても仕方がないのでタクシーで向かう事にした。

 2千円もあれば足りるので気にはしない。

 

 約束の12時10分前には到着する。

 ついこないだまで住んでいた街なのだから感慨深いものはまだ特にない。

 

 実家の鍵は未だに持っているため、何も遠慮することなく鍵を入れて回すと扉を開けて入った。


 靴はたくさん並んでいた。恐らくおじさん達はもう着いているということ。



 「ただいま。」

 靴棚に靴を収納し、リビングに入ると全員集合していた。

 

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