第28話 四国旅行。いずれ死酷旅行と名前を変える。

 真秋の仕事は土日祝日も交代で出勤しなければならない。

 旅行の話は日にちが近くなってから計画したので後手には回ってしまうけれど。


 真秋はそれを見越していたのか、4月の内に仕事を入れ、GWは5月に満喫出来るよう画策されていた。

 

 連休明けの初日に公休を入れる事でUターンラッシュを避けるためだ。

 4月に2回出るため世間が連休明けても2日の休みがあるというわけだ。

 1日は時差を取り戻すために完全に心身をごろごろして過ごす。



 新幹線は流石に空きがなかったけれど、サンライズ瀬戸はゆとりがあった。

 300円でシャワーも使えるし。

 寝室(部屋)は流石に別だけれど。



 バカップルなので部屋で一回ハッスルしてしまった。

 揺れる車内でする事じゃない。

 頭が少しクラクラしてくる。少し吐き気がするけどつわりではない。


 初めてした高校の時以外では数えるくらいしかゴム無しではしていない。

 もうそろそろ本気で結婚や子作りを考えても良いとは思っているんだけどね。

 いくら清掃するとはいっても、次の利用者に対して後ろめたくならないわけではない。


 シャワールームに二人で入った。時間が限られているので大変である。

 一人一枚購入しているので、普通にシャワーを浴びる分には問題がないのだけれど……


 おバカな私はそこでもついハッスルを求めてしまう。

 真秋にも性欲はあるのでそれに付き合ってくれてはいるけれど、回数が増える度に出てくる量も質も低下してくる。


 それは粘度ではっきりと理解出来た。

 最初と最後で全然違っていた。

 一体何回してるんだって話ではあるけれど、真秋もそれなりに性欲はあるって事だよね。



 私はサキュバスの血でも混ざってるのだろうかとさえ感じてしまう。


 流石に限りのある時間で洗い流すのは容易ではないので、上と中で1回ずつが限度だった。

 洗いっこしていたら、ムラムラくるのは仕方ない事だと言い聞かせて……



 朝、高松に付くと駅の外にあるうどん屋でをうどん食べる。

 香川といえばまずうどんが思いつくので仕方がない。


 うどんを食べ終わると少し散歩がしたくなる。


 地図を見ながら地元のおばちゃんに道を聞いたりしながら目的地を探す。


 栗林公園りつりんこうえん、決して栗林公園くりばやしこうえんではない。

 みんなも覚えておいた方が良い。テストでは出ないけど、道を聞くときに恥ずかしくなる。


 

 高松観光を終えると再び電車に乗り、坂出へ。

 宿泊するホテルまでは駅から20分程歩いた。


 ホテルに入るなり、まずはひとっ風呂浴びたくなるのは温泉好きだから仕方がない。

 これは真秋も同意なので、タオルを持ってれっつらごーで温泉へ。


 肌に触れるとすべすべになる。

 クチコミを参照して選んだのだけれど、とても良い湯だった。

 本当にすべすべになるので病みつきになりそう。


 食事の後、瀬戸大橋の夜景を観光するホテル内のプチツアーがあるので参加してみた。


 周囲もカップルや家族連れが多くホテルの送迎バスはとても賑やかだった。

 夜景を見るのも良いなと感じたのはこのツアーに参加したおかげかもしれない。


 世間で賑わう人工的なイルミネーションよりも、自然と一体化した生きた夜景というのは心を洗わせてくれる。

 光自体は人工的だけれども、同じ動きのないその光景はとても安らぎを与えてくれる。

 蓋を開ければ車の移動によるライトとかだったりするんだけどね。

 それでも心に余裕が生まれるのかもしれない。


 真秋と手を繋いで公園を歩く。周りのカップル達も同じように手を繋いでいる。

 写真タイムも含めてしばしの自由時間。

 甘い雰囲気を漂わせているカップル達。

 周りに民家はないとはいえ、きゃっきゃとはしゃぐ家族連れの子供達。


 公園のベンチに座って瀬戸大橋のライトを見ながら……

 何度目かのボディタッチをしてしまう。

 病気なのかな。


 触れてないと不安で押しつぶされてしまいそうになる時がある。

 日中の仕事している時は平気なのに。

 一緒にいるのに、身体を密着しているのに何もないと突然不安になる事がある。


 自然に触れ、心に余裕が出来たはずなのに、逆に心の奥底に空洞が出来てしまったような感覚が襲う。

 人がたくさんいるのに独りぼっちみたいな……


 私が触れるものだから真秋も反応してしまう。

 「ちょっとここではまずいだろ。」


 その言葉はごもっともだとは思う。手を握るだけで満足しなくてはいけない場面なのに。


 結局私は我慢が出来なかった。


 「コーヒー持ってきていてよかったな。流されて赦してしまった俺もどうかしてるけど。」

 流石にこの状態でバスに乗ったら臭いでバレてしまう。

 コーヒーで口を濯げば少しは誤魔化せる……はず。

 

 他に誰か実演してる人がいるのかわからないけれど、何もしないよりは良いかも。


 「流石に人目に付く恐れのあるところではもう勘弁な。場合によってはなんたら陳列罪でタイーホされてしまう。」


 私はしぶしぶ了承した。

 「それと、宿泊先はどこもそういった事を目的で予約してるわけじゃないんだから、宿の人の迷惑になるような事は謹んでくれな。」


 

 「どうしてもしたくなったらそういうホテル行けば良いんだから。」

 地方にだってあるだろう。それこそ高松に行けば流石にあるだろう。休憩いくらかまでは知らないけど。


 旅先でまでしたがるのが真秋には信じられないようだった。

 たった数日かもしれないけどその数日が人によっては長くも短くも感じる。


 「ほら、そんなこの世の終わりみたいな顔をしない。」

 真秋は私の唇を塞いできた。


 「このくらいは他のカップルもしてるだろうから良いけど。」

 唇同士の擦り合わせなら、雰囲気もあって致すカップルもいるだろうと真秋は言っている。


 確かに……あそこのカップルはキスをしている。こちらから何となく見えるということは、あちらからも見られていた可能性は否定できない。


 戻ってから再び温泉に入った。やっぱりここの泉質は肌をすべすべにする効果があるのだろう。

 Hで荒んだ肌を綺麗にしてくれた感じがする。



 二日目は態々再び高松へ、高松から歩いて琴電こと琴平電鉄に乗って琴平へ。

 二日目の宿、金比羅山とこんぴら温泉へ向かうためである。

 昨日はサンライズで高松だったので正確には予讃線には坂出に向かう時しか乗っていない。

 都会の電車と違うのは何だか新鮮だった。


 都会の常識=田舎の常識とは限らない。

 こういう雰囲気は好きだった。やっぱり人生の軌道に乗ったら田舎暮らしが良いかなと思ってしまう。


 荷物を持っていくのは重かったけれど、まずは金比羅山へ。

 荷物を持ってあの階段は地獄だった……


 熱〇の虎ではうさぎ跳びで昇ってたけど……

 誰もそんな古い漫画知らないだろうけど。

 あれ、広島の新設の高校が舞台だし。

 

 金毘羅さんを堪能したらホテルへ。

 あの石段を昇ったら金毘羅山とは言えない、敬意を込めて「金毘羅さん」と呼ばなければ。

 少し豪華なホテルだった。流石一泊2万超えするだけはあるなぁ。豪華だなぁというのが素直な感想だった。


 とあるやんごとなきお方がイベントで来訪されるらしく、宿泊客には不便をかけるという事でうどんの束を貰った。

 ピンク色の袋に入った贈答用の少しお高いやつである。

 

 外を見てみるとホテルの部屋から琴電が見える。

 さらにホテルの敷地にプールまで見える。もう少し夏に近かったら入れたんだろうな。

 

 金毘羅さんによって足腰をやられたので流石に私の性欲は表に出て来なかった。

 性も根も使い果たすという感じだろうか。

 滝行でもすれば抑えられるのかな。

 


 三日目は再び長距離移動で道後温泉へ向かう。

 その前に途中下車をし善通寺駅へ。

 善通寺には正直某ラノベを読んで気になったから寄ってみたかったというだけである。

 正直な感想……何もない。


 あのラノベでは善通寺か高松かどっちに新幹線を通すかという話題になって、市と協力してプレゼンをして最終的には主人公サイドの善通寺市が勝利した。

 

 だからこそ気になってどんなところだろうか見てみたいと思ったんだけど……

 何もないと言ったら失礼かもしれないけど……

 あ、高校野球で昔は有名だった尽〇学園がある。


 香川といえば、尽〇学園、高〇商、観音〇中央だよ。

 多分野球部だった真秋だったらもっとマニアックなところも知っているはず。


 「尽〇学園てここにあったんだな。」

 真秋も同じような事を考えていたっぽい。

 


 せっかく寄ったので駅から降りてまっすぐ歩いてみた。

 お昼ご飯を定食屋を見つけたのでいただいた。美味しかった。


 再び電車に乗って道後温泉へ。

 ちんちん電車もあったけれど、駅から道後温泉までは歩いて向かった。

 古くからある建物はとても立派だった。

 

 商店街らしきものもあるし、結構栄えているように見える。

 途中公園から見えた松山城には後で寄ろう。

 道後温泉はネットでも有名なだけあってとても満足出来た。


 強いて言えば地元民よりも観光客が多いなという印象だった。

 そのため荷物が半端なく幅をとる。

 

 松山からホテルまでは専用の送迎バスで送って貰える。

 これまた御立派なホテルだった。


 まずは歩き疲れたので温泉で身体を癒す。

 食事は離れでだったけれど、これまでにない程の量が出てきた。

 煮魚なんて珍しく、骨を綺麗の取るのが難しかった。

 

 真秋が綺麗に取ってるのを見て、負けた……なんて思ったのは内緒である。

 流石に量が多かったのでお腹が……妊娠中ですか?状態になっている。

 面白がった真秋に写真を取られてしまった。

  

 こういったホテルの食事は栄養バランスがとてもいいのでお通じも良い。

 汚い話になるかもしれないれど、毎朝快適になるのだ。

 それはもちろん出すからなんだけど。


 「うわっ俺のよりも凄い臭いが。」

 私の後にトイレに入った真秋がそんな事を言うものだから、「もー、もー。デリカシーないんだから。」と言ってぽかぽか胸を叩いてやった。

 H過ぎる性欲魔人の私でもこういうのは恥ずかしい。


 後ろでHする事のある私でも恥ずかしい。

 綺麗にするために浣腸を何度もしてもらってる私でも、自然のものは恥ずかしい。

 しかし実際よく流れたねって思う。

 とても逞しいと思っていたのに。



 四日目、どうしてこういう順序にしたのかは謎だし今更だけど、予讃線で松山を出発し多度津で乗り換え再び土讃線で祖谷温泉へ。

 駅で言うならば大歩危駅だけど。オオボケコボケの大歩危、その前に小歩危も通るけど。


 秘境というだけあって、駅から宿まで山の中を迎えにきてくれたホテルのワンボックスカーが越えていく。

 棚田みたいな感じで家があるのを見ると、本当に奥地なんだなと実感してしまう。

 そういえばアソパソマソの描かれた電車も走ってるよ。車庫にも置いてあった。


 祖谷温泉といえば、栃木の湯西川温泉と同じく平家の隠れ里としても有名だ。

 湯西川と同じように逃げ延びた平家の者達が、山奥に温泉を切り開いて出来たと聞いている。

 昔の人は逞しいと思った。

 


 夜は食事の後に、坂出の時と同じようにホテルのプチツアーがある。

 今回祖谷温泉でこのホテルを選んだのはそのツアーが一つの目的でもあった。

 

 ホテルのバスで一行を案内するのは、山を少し進んだ先にあるかずら橋である。

 日中はイベントもあったり、普通に渡れるのだけれど……

 夜間は封鎖されている。


 かずら橋も先日見た瀬戸大橋のように神秘的に見えた。

 照度はかなり暗くてわかり辛いけど。


 夜間は残念ながら橋を渡る事は出来ないので、橋の入り口から写真を撮りまくる。

 行きの時、運転手であるホテルのおじさんが言うには、ホテルから橋までの道はとても暗く、遠くに見える家も山の中にぽつんぽつんとあって、中には空き家もあるという。

 都会に嫌気がさした人がこういう田舎に移り住むという事も実際にあるそうだ。

 是非移住をするならお待ちしていますとのことだった。


 ホテル内にある独自のミニツアーはとても面白い。

 どれも心を浄化して、こういうところで余生をまったり過ごしたいという気分にさせてくれる。

 まだ23歳になる手前だけれども、余生を感じてしまうのは普段が荒んでいる事なのかな?なんて考えてしまう。



 だからこそ夜空に輝くお星様達に願った。早く真秋としてを築きたいと。


―――――――――――――――――――――――――


 後書きです。


 例のラノベとは代表取締役お兄ちゃんに就任ました 妹株式会社……そんなタイトルだったと思います。

 一度読んだ後、2017年11月に実際行ったのですが、見当たらないのでもう一冊買った記憶あります。

 深くは聞かないで、お金や利権が絡むといけないかもしれないので。

 せっかくご当地(聖地)近辺に行くなら行ってみようと。

 あの時は5年ごとに貰えるリフレッシュ休暇で最初は高松・坂出、次は道後といったので次は徳島か高知だなと計画した時でした。

 大阪の同期と、じゃぁこんぴらいくかーとなってその時に祖谷温泉の話も。

 琴平・大歩危ときたら途中に通るじゃんとなって舞台となった善通寺にも寄ったわけです。


 ともえが漏らした感想は実際自分が漏らした感想です。多少言葉は違いますが概ね合ってます。

 現地の人ごめんなさい。でも途中で寄った飯屋の昼ご飯は美味しかったです。



 さて、前回甘い話は四国旅行までと名言しましたので、次からはいろいろ件の3ヶ月の話に入ります。


 ビール瓶を割る準備は出来てますか?

 ブブゼラを鳴らしまくる準備は出来てますか?

 ペンライトを目玉に照射する準備は出来てますか?

 自分は釘バットで超級武神覇斬をする準備が出来てます。

 セフ〇ロスもこれでフルボッコです。

 巫女みこナースの音楽に合わせてフルボッコ♪

 

 もしくは別曲ですが、がちゃがちゃきゅーとフルボッコ♪と替え歌しても。 

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