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「ブオオオォォォォオオ!!」
視界の先には、一頭の巨大な
「おおー…デケェ…」
「今日は…牡丹鍋?…」
「レベル35…油断するなよー、二人共」
「「りょーかい」」
ステータスを見る限り、物理攻撃のみで、魔法などの特殊な攻撃はなさそうだが…一発の威力は高そうだ。接近はなるべく避けて、遠距離攻撃で仕留める!
「おっしゃ行くぜー!!」
マイルが大剣を抜き放ちながら接近!
俺とノノは対象から距離を取り、左右に展開。
「【
マイルがスキルを発動。マイルの身体を銀色のオーラが包み、手にする大剣は炎を帯びる。
【
マイルが接近し、ヤマノヌシの注意を引く…その間に俺は敵の背後へと回る。ノノも準備に入ったな…いくぞ!
「ブオオォォォオオ!!」
ヤマノヌシが大きな牙を向け、マイルに突進!
「効かーん!!なぜならオレはマイルだから!!」
マイルが訳の分からないことを言いながら、その攻撃を全身で受け止める。…やっぱ良いスキルだよな…馬鹿だけど。
「うおおぉぉぉっ!力つえぇぇぇぇぇええ!!」
マイルとヤマノヌシは押し合いになる。…早くしないと【鋼人化】の効果が切れるな。
「【ライトニング】!!」
俺は下級魔導士にスタイルチェンジし、敵の背後からスキルを発動。指先から一筋の眩い閃光が
「ブガァッ!!!」
背後からの攻撃に一瞬、ヤマノヌシが硬直。それを逃さず…
「隙アリだ!イノシシー!!」
「ブガアアアアァァァア!」
マイルが炎を纏った大剣で切り上げる!!
怒ったヤマノヌシは滅茶苦茶に頭を振りかぶりながら暴れ出す!
「下がれ!マイル!!」
「おう!!」
【鋼人化】の効果が切れたマイルは後退。それを逃すまいとヤマノヌシが追うが…
「【
【
「ノノ!!」
「りょーかい…【
強くなったのは俺やマイルだけじゃない!
ノノがスキルを展開。二体の人形が独りでに動き出す!!
「いくよ、ミハエル…コタロー…【
今は見慣れた、鋭利な爪を生やしたゾンビのようなウサギの人形、ミハエル。そして…三角帽に眼帯、片手はフック…いかにもな海賊の恰好をした猫の人形が舞い踊るように敵を切り裂いていく!……こっちの太った猫みたいな人形はコタローというらしいです。ネーミングセンスが独特なんだよなー…
「ブゴアアァァァアア!!」
ヤマノヌシは堪らずのたうち回る!
人形のセンスはともかく…ノノの大きく変わった点は、【
「ウゴオオオォォォォ!!」
「っと!!」
立て続けの猛攻に混乱したのか、ヤマノヌシが俺目掛けて突進してくる!
「……ーっ!」
俺はその場で弓を引き絞り、迎え撃つ態勢に…
【
風切り音と共に、
「ブ…」
ヤマノヌシは光となって霧散した。
その様子を木の陰からじっと見つめる一羽のフクロウ…。そのフクロウには薔薇の模様の首飾りが着けられていた。
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