クランツ王国 ギルドへ
31
「おぉー!!なかなか様になってるな!」
「ナギ、おめでとう」
宝箱から入手した装備品を早速身に着けてみた。ツールボックスから装備の変更を行うと、対象の装備品が光を放ち、一瞬で装備が切り替わった。付魔のコート…今までの麻布のシャツとは比べ物にならない防御力。特に魔法耐性値が高く、自身のMP総量が増えるというボーナス付き。これはなかなか“都合のいい”性能だ。深い紺色のロングコート。見た目も悪くないし、生地もしっかりとしていて着心地も良い。
そしてこの黒羽の剣。黒い刀身は角度によっては透き通って見える。そして…軽い。だがその性能はこれまた今まで使っていたブロードソードと比べるとずば抜けていた。ブロードソードの三倍以上の攻撃力、さらに敏捷性上昇の効果も付いているようだ。
「これは…上がるなぁ」
思わずにやけてしまう。これなら戦闘でもっと役に立てるかな。
「おい見ろ!」
地面が小さく揺れ、部屋の奥に下へと続く階段が出現。更に、階段の横に青い光を放つ魔法陣が浮かび上がった。
「なんだ?」
『ナビゲーションシステムです』
「おっ、来た、ナビゲート」
『転移魔法陣を発見しました。この魔法陣に入るとダンジョンから帰還できます』
帰還!やったぞ、やっとここから出られるようだ。でも…
「まだ続きがあるみたいだな、このダンジョン…」
そう、魔法陣の隣には下へと続く階段が。このダンジョンにはまだ下層があるようだ。ゲーマーとしてはこの先が気になって仕方ないところではあるが…
「ま、いつか出直して攻略してやるか!」
「そうだな、オレ腹ペコだー」
「ノノも、限界…」
俺達は魔法陣へと歩き出す。
「よし、帰るかっ」
魔法陣の中へ入ると、視界が眩い光に包まれた。
♦
「お…」
目を開けると、俺達は草原に立っていた。俺はツールボックスからマップを開いて確認する。
「最初の街からそう遠くないな!とりあえず街に戻るか」
「「うー!らじゃあ!!」」
俺達はクランツ王国首都、クランツへと向かって歩き出した。
♦
街へと向かう三人の背中を見つめる男。
「【
透明化していた男が姿を現す。
「まさか生還するとはなー…これはなかなか期待できそうだ」
遠ざかっていく三人を見つめながら…
「また会おうぜ、ルーキーズ♪」
男はニヤリと笑みを浮かべた。
♦
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