連戦、激戦そしてボス戦
25
「【
マイルが金属質な外殻を持った巨大芋虫、スチールワームを真っ二つに両断する。スチールワームは消滅。リザルト画面が表示された。
「おぉー!!見た!?見た!?」
「凄い威力だな!」
三体のブラッドマンティスとの激戦を終え、更にダンジョンの奥へと探索を広げている俺達。先に進めば進むほどモンスターの数が増えているように感じるが、ブラッドマンティスとの戦闘でレベルも上がり、コントローラーのコマンド入力ではなく自分の体を動かして戦うという事にも慣れてきた俺達は、案外順調に歩を進めることが出来ていた。
「おっ、なんかアイテムドロップしたぞ!巨大昆虫の体液?…なんかキモ」
現在俺達のレベルは19まで上がり、ちょくちょく遭遇するモンスターとの戦闘にも余裕が出てきたので、各々新しく習得したスキルを試しながら進んでいる。
しっかしほんとにこのゲーム、ジョブランクの差が凄い…。Eランクの下級剣士が覚えるスキルは、重装魔剣士のマイルが習得していくスキルと比べるとどうしても見劣りしてしまう。うーむ…早く何とかしないと、マイルのドヤ顔がうざい。
「…あれ?ノノは?」
「ん?さっきまでそこに…あれ?」
気が付くとノノの姿が消えていた。慌てて周囲に気を配る。
「おい!!ノノ」
どごおおおおおおおん!!!!――――
「「!!?」」
突然響いた衝撃音。俺とマイルは音のした方へ駆け出す。
「ふっふっふ…イイ…これは、イイっ!」
そこにはノノの姿が。そしてその前の地面にはクレーターのような大きな窪みが…。さっきの衝撃音はノノの仕業か。
「おいおいノノ!なんだよ!?今の音!?」
「ふふふーん…ヒミツなのだよ、マイル君」
怪しく笑うノノ。どうやら学校では他の追随を許さない何を考えてるか分からない系不思議ちゃん女子、現在Aランクジョブ人形術師のノノ様が、まーた何かやばいスキルを習得されたようです。
「それより、あれ」
「ん?」
ノノが指差した方に目を向ける。そこには祈りを捧げる女性の石像…女神像か?
そしてその石像の前には小さな噴水台があり、綺麗な水が流れ続けている。
「おおー!水だー!!」
マイルが嬉々として駆け寄っていく。連戦続きで喉がカラカラになっている…今の状況にあの水は魅力的すぎるが…。
「…飲めるのか?」
「飲んだ…美味しかった」
あっさりと答えるノノ。あ、もうお試し済みだったんですね。
「うめえぇぇぇ!」
マイルに続いて俺も噴水台の水を手にくみ取り、口へ運ぶ。冷たい水が喉の渇きを癒していく。…うまい!水がおいしいと感じたのは久しぶりだ。
俺達はしばしの間、この女神像の前で休息を取った。
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