資料【朔のルー・ガルー】

 夜魔の王の侍女たる五人の雌、その一柱。

 魔獣の頂に立つ月の狼が人の形をとった姿、あるいは憧憬の獣に呑まれた姿。


 テーマは「孤独の少女」「相対するもの」「純粋」「無垢なるもの」。


【人狼に捧ぐ小夜曲セレナーデ】開始までは、自身を一夜から解放できるだけの強者を求め、都電沿線を徘徊する。

 挑戦回数、及び一戦闘時間のタイムに応じて好感度が上昇。

 一戦闘に発生した妨害行動の回数に応じて、好感度の上昇にマイナス補正がかかる。

 そのため、搦手を用いない白兵アタッカーが攻略適正となる。

 好感度一定以上のプレイヤーが撃破した場合、壱の偉業ファーストミッション【一夜からの解放】が達成される。

 好感度一定以下のプレイヤーが撃破した場合、他のストラテジーエネミーが攻略されるか、ゲーム進行フラグが規定値に達するか、いずれかの条件を満たせばリスポーンする。


 朔のルー・ガルーは強者を求め、強者を認める精神性を有する。

 刀を武器にした少女は、高潔な戦士でもあるのだ。

強さを示す者に対しては好意的で、そうでないものも不必要に排斥はしない。しかし、その精神性ゆえにイベント開始まではただのエネミーとして立ちはだかりかねない。


 イベント開始前から独自の「キャラクター性」を有する他のストラテジーエネミーと比較すると、朔のルー・ガルーは攻略対象としての個が弱い。

 そのため、弐の偉業セカンドミッション中には攻略者と朔のルー・ガルーのアバターを交換し、攻略者が朔のルー・ガルーの内面と接せられるフェイズを設ける。


 朔のルー・ガルーの好感度を上げることは難しくない。

 彼女の強さを認め、彼女にまっすぐ好意を向ければいい。

「純粋」「無垢なるもの」をテーマとしているため、AIはプレイヤーの好意は素直に受け取るようにプログラムされている。そのため、弐の偉業セカンドミッションの難度はストラテジーエネミーの中でも簡易となる。

 ただし、彼女の強さを疑う、ないし彼女にそう思われる行動をとった場合、好感度が低下。一定以下になった場合、イベント【急襲する獣】が発生する。



使用スキル

【月狼ノ剣】

 詠唱発動型シングスキルと動作発動モーションスキルの複合型。

 全部で八つの型があり、【人狼に捧ぐ小夜曲】の進行度によって使用できる型に変化がある。

全ての型に高倍率の即死判定があり、使用する際はHPを消費する自傷スキル。


【繊月】

 頸部の切断を狙う近距離の斬撃

【三日月】

 心臓を狙う近距離の刺突攻撃

十日夜の月トオカンヤ

 腹部の切断を狙う近距離の斬撃

【立待月】

 頸部の切断を狙う中距離の斬撃

【居待月】

 脚部の切断を狙う中距離の斬撃

【伏待月】

 腹部の切断を狙う中距離の斬撃


満ちず欠けてツキハミ

 六つの型を瞬間的に連続使用する複合の型

 順番は上記の並びに準拠

 弐の偉業セカンドミッションを達成した後は一時的に使用不可となる

 プレイヤーの干渉により、別名の型に昇華される可能性がある型


朔望月ヒトトセ

 弐の偉業セカンドミッションを達成した後に使用可能となる型

 超高速機動からの斬撃を行う

 対象の即死耐性を無視した確定即死攻撃

 回避判定にはAGIではなくLUCを参照し、一定確率で回避行動が行える




幻日のアルターマーナガルム】

 月を想い月を憎み月を喰らい、そして月の獣に成り代わった憧憬と愛憎の獣。


【夜ノ恋ノ譚】の一節【人狼に捧ぐ小夜曲セレナーデ】におけるボスエネミー。

 通常はレイドエネミーとして、アラカワ遊園に出没する。


 その正体は、巨大な狼。

 第一形態では巨躯のままプレイヤーと交戦し、HPが一定数削られると自らの魂を分割する第二形態へと移行する。プレイヤーが交戦することになる群れはその全てがデコイであり、分割された魂【スコル】が安全圏に退避する時間を稼ぐために存在する。


 十五分経過すると、群れは撃破数に応じた強さを持つ個体【ハティ】へと変化する。

【ハティ】を倒すと、ドロップアイテム【嘲る狼の爪】または【幻日の狼の血】を獲得する。


【夜ノ恋ノ譚】の進行中、【朔のルー・ガルー】を同行させた状態でアラカワ遊園に移動した場合のみ、【スコル】が戦闘に参加する。

 第三形態は【ハティ】と【スコル】のことを指し、幻日のアルターマーナガルムを完全に撃破するためには【ハティ】と【スコル】のHPを同時に0にしなくてはならない。

 例え片方が倒れたとしても、月の力を喰らい続ける限り、狼は蘇る。


 月に焦がれて月を墜落させた二頭の狼は、月とその番いによって地に落とされる。

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