妹がブラコンだといつから勘違いしていた?

入戸さる

第1話

4月6日


目を擦りながら洗面所へ向かう。歯を磨き、寝癖を直す。そして部屋へ戻り制服に着替える。

「よし」

制服は届いてから一回着たから、着るのは今日で二回目だ。


流れ的に分かると思うが、今日は入学式だ。俺、内藤大輝ないとうだいきは数週間前に中学校を卒業し、今日から高校生になる。俺が今日から通う高校は、家からまぁまぁ近かったから選んだ偏差値50の普通の公立高校だ。


準備を終えリビングに向かう。扉を開け部屋に入ると


「おはよう!朝ごはん出来てるから早く食べよ!」


元気よく挨拶してきたのは内藤明香里ないとうあかり、中学三年生の妹だ。


「おはよう。明香里はまだ学校ないんだっけ?」


「うん。こっちも入学式だけど在校生は明日からだよ」


「そうか。なら明日は俺が朝食を作るよ」


「ううん。私がやりたくてやってるから別にいいよ。ほらっ早く食べよ」


なぜ妹が朝食を作っているかと言うと、数週間前までは母親が作っていた。しかし急遽父親が転勤になり、母親もついて行く事になった。でも父親が「いつになるか分からないが、またこっちに戻って来るからお前たちはついてこなくていいぞ」と言われ、俺と妹はここに残ることにした。ここと言うのは一般的なマンションの二階にある2LDKの部屋だ。



美味い。

妹が作った朝食はとても美味かった。


朝食を終え、歯を磨いてから部屋に戻ってリュックを背負い玄関へ向かう。


「お兄ちゃん行ってらっしゃい」


「行ってきます。明香里、留守番頼むな」


「うん!」

と言って手を振っている。

そして俺はマンションを出て、学校へ向かって歩いていた。



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