夜と朝の回想録
ヨル
#1 アイアンの涙
沈黙は「優しい」ではない。
相手にとって都合のいい親友を演じるのは簡単な事だ。
それで今日も相槌ばかり。
嫌われる勇気もない。
沈黙こそ罪だ。
ただ、その罪に問われることはない。
今日も話を聞くだけ。
相手もまた、そんなことには気が付かない。
常に私を遠くから見つめてる私が居る。
誰といても、何をしていても、酒に酔っているときでさえも、私は私に支配されている。
冷静でいて、羽目を外さないように。
欲が口から飛び出そうものなら内なる私が全力で邪魔をしてくる。
恥ずかしい。みっともない。どうせ叶わない。
聞こえないはずの声の方がとてもお喋り。
私の中にいる私は、残酷で強欲でひとりぼっちだ。
理性が自分を殺しにくる。
でも悔しいほどにわかる。
きっとそれが私自身だと言うことを。
もっと自分を出せていたら、結末は違ったかもしれないとよく思う。
もっとあなたに「私」をうまく伝えられていたら、と。
人の感情に溺れそう。
自分を大事にできていない気がする。
もう少し私は我儘でいい。
私の永遠の課題かもしれない。
夜と朝の回想録 ヨル @0317asa
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