ありのまま
勝利だギューちゃん
第1話
「寒いね」
「冬だからね」
「そっけないね」
そう、俺はそっけない。
なので、会話が続かない。
それでいい。
正直、人と話すのは苦手だ。
なので、かかわらないのが、互いの幸せのため。
なので、俺は人との交流を絶っている。
それが、俺にとっての当たり前。
なので、つるんでいる周りの方が、俺からしたら、不自然。
だが・・・
得てして物好きな人もいるもので・・・
「私、何とかして、あなたと会話してみせる。」
クラスメイトの女子が、高らかに宣言した。
名前は・・・
知らん。
興味がない。
「待ってなさいよ。必ず振り向かせるから」
何かの罰ゲームか?
冷やかしか?
まあいい。
次の日。
その女の子は、髪をツインテールにしてきた。
「ちょっとあんた。この私が、話をしてあげようと言ってるのよ。
でも・・・話をしてくれて、ありがとう」
もしかして・・・某アニメの双子の姉妹の姉のつもりか?
ツンデレなのか・・・
勝手にしゃべっているので、正確には違うと思うが・・・
俺が、そっぽを向くと、去っていった。
それから毎日、違うタイプの女の子で、俺に声をかけてきた。
その根性は、ある意味凄い。
凄いが・・・
興味はない。
「一体、あんたはどんな女の子が好きなの?贅沢すぎる」
いや、それは違うって。
「ツンデレもだめ、お嬢様もだめ、ドジっ子もだめ。天真爛漫もだめ、どういった子が好みなの?」
やはり、何かのゲームのようだ。
面倒だが、一言だけ言った。
「自分を飾らない子」
「飾らない?」
「ああ。俺は普段のままの子がいい」
その子は号泣した。
俺、悪い事した?
ありのまま 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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