第8話

「まだ時間はあるわ。 報告をするから待っていて。」

 腕時計をみる。

 あと、3日。 次死んだら俺は意識が戻らなくなって、脳死になるか。

 そんなネガティブのことを考えてしまう。

 アンはロッキー博士に報告を終えたようだ。

「次も研究所よ。 ダークマターって知ってる?」

「知ってるさ。 暗黒物質だろう。 まだ見つかっていない物質だ。」

「そうよ。 酸素、炭素、カルシウム、銀などは見つかってるわよね。 マター研究所は日々、物質を研究していてトップクラスのところなの。 そこに行けば何か分かるかもしれない。」

「分かったよ。」

 マター研究所はエックス研究所よりさほど離れていなかった。

 この時代で乗り物に乗るのは危険だ。

 犯罪をすぐに防ぐために誰がどこでいつ乗ったのかの情報が送られる。

 もし、俺がタクシーに乗ったとしたらハロルドが2人いることになる。

 そこから、2100年のハロルドの情報は登録されており2097年のハロルドは偽物あつかいになる。

 この時代に同じ顔をして、同じ名前の人がいることはおかしいことだからだ。

 この時代の俺に会ったとしても協力してくれる可能性は低いだろう。

 今、やってることを未来の俺がやっているとは限らない。

 だから、徒歩か工作員の手を借りるしか手はないだろう。

 マター研究所はいろんなことを可能性にしている。 

 大きいものを小さく。 逆に小さいものを大きくすることに成功している。

 俺には分からないが、見つけた物質を組み合わせて作っているようだ。

 他にも興味をひくものがあったが、アンに止められた。

 目的が違う。 地球の破滅を止めることだ。

「アン、君から見て可能性はあると思うか?」

「可能性はなくはない。 私には何か他の可能性があるかもしれないわ。」

 アンは何か引っかかっているようだ。

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