手紙~私の人生に彩りを添えてくれた貴方へ~
穂高 萌黄
第1話 前書き
古い知人に勧められて、私はエッセイを書き始めました。書き始めて尚、「エッセイとは何か」がきちんと理解できていません。調べても「随筆。思いのままに書く文章。」などと出てくるので、混乱するばかりです。せっかく挑戦するならば、いつか本という形に仕上げてみたい。そして書く事を勧めてくれた知人に恩返しがしたい。そう思う私にはあまりにも説明が曖昧過ぎるのです。誰が私の思いのままの文章を面白いと思って読むでしょう。
そもそも、何故知人は私にエッセイを勧めてくれたのでしょうか。きっかけは、いただいたお手紙にお返事を書いたところ、大変喜んでいただいた事でした。私が書いた手紙のお返事に「文章を書いてみたら?」と書かれていたのです。勧められ、褒められて調子に乗った私は、そこから本当に文字通り思いのままに原稿用紙を文字で埋める日々を始める事になります。
楽しみながら書いていたはずが、何も定まらない文章の羅列は私を不安にさせました。まだスタート地点にも立っていないのに、「こんな文章誰も読みたいと思わない」と決めつけてスランプに陥りました。そんな時ふと、手紙が喜ばれたのだから、手紙を書いてみようと思い立ったのです。音信不通になってしまったけれど、確実に私の人生に彩りを添えてくれた皆さん、中には私の不義理で疎遠になってしまった方、必ずしもいい思い出ばかりでない方もいらっしゃいます。そんな方々一人一人を思い浮かべながら、自分の歩んできた道を振り返りつつ、たくさんの貴方への感謝の気持ち、お詫びの気持ちをまっすぐに書きました。不思議な物で、手紙を書き始めると忘れていた小さな思い出がたくさん脳裏をよぎり始め、懐かしさで胸がいっぱいになります。もう二度と会えないかもしれない大好きな貴方へ、この思い届きますように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます