妖精酒場 イタズラ亭

@kamochan0989

第1話

人族1「あれ?こんな所に酒場あったか?」


人族2「いやぁ?俺は知らねぇな。

いたずら亭?聞いた事ねぇ

新装開店じゃねぇのか?」


人族1「でも結構 古いような雰囲気もあるぞ?

中も結構賑わってるみたいだし

入ってみるか?」


人族2「そうだな、

つまらん店なら一杯飲んで出ればいいさ」


翡翠「やぁ、いらっしゃい。人族ひとぞく

が二人かな?」

人族1.2「「妖精!?」」

翡翠「あれあれ?お客さん

さては妖精を見るの初めてかな?

そいつはお客さん

ラッキーだね。

どうも、はじめまして。

この酒場の主あるじにして

マスコットキャラクター的存在の

激カワ妖精こと

翡翠ヒスイちゃんだぜ。

いぇーい、ピースピース。」


人族1「なぁ、2聞いてくれるか?

俺、昔は冒険者目指しててさ・・・。

立派な冒険者になって 、

妖精に出会うのが夢だったんだ・・・。

賢くて神秘的な存在って聞いててさ、

すっげーワクワクしてたんだよ・・・。」


人族2

「そうか、今日は飲もうぜ。俺奢るからさ」


翡翠「ねぇ、君達その反応酷くない?

このボクも、思わず目が点になっちゃったよ」


人族2「酷いのはアンタだよ!!

見ろ、こいつの夢の砕け散った顔。」


翡翠「えぇ~そんなことを言われても、

ボクはこう言う性格なんだもの。

人族だって一人一人違うだろ?」


人族2「むっ、確かにそれは一理ある」


翡翠「一理どころか、

百里も万里もあると思うんだけど・・・。

まぁ、良いや。ご注文は?」


人族1「エールを二杯」


翡翠「エールも結構 色んな種類あるけど

どれにする?」


人族2「おぉ・・・凄まじいレパートリーだ」

人族1「翡翠ちゃんのおすすめは?」


翡翠

「うーんとね、翡翠ちゃん的には

クローバーエールなんてオススメかな〜

爽やかな芳香と優し目の苦味が

呑みやすいんだよねぇ」


人族1「じゃあ、それを一杯ずつ貰おうかな」


翡翠「毎度あり~♪」



人族2

「ゴクゴク、ぷはぁ~。

こりゃあ確かに美味い

喉を抜けた後から来る鼻に抜ける 香り

まるで草原に居るような 爽やかな香りだ

コレは堪らないな」


人族1「それに色も良いな。

エメラルドの様な緑色で、

最初は驚かされたが。

飲んでみたら、

いい色だなって思えるようになったよ。」


翡翠「そうだろう、そうだろう。

激カワ翡翠ちゃんの

目と舌に狂い無しってもんよ。」


人族1・2「「うん、そーだね(棒)」」


翡翠「うーん、心が篭もっていない(泣き)」


人族1「まぁ冗談は置いといてさ、

翡翠ちゃんも何か飲む?」


翡翠「おや?良いのかい?」


人族1「気にするなって、

今日は2の奢りだからさ。」


人族2「普段なら聞き捨てならん一言だが。

まぁ確かに、

今日は俺の奢りだから遠慮なく飲んでくれ。」


翡翠「いやぁ、悪いねぇ~、

それじゃあ水晶酒すいしょうしゅを・・・」


人族2「ちょっと待て、

その手に持っているその酒。

見た目からして

値段が、えげつない事になりそうなんだが」


翡翠

「うーんとね、

今の相場なら白金貨はくきんか

3枚分 位くらいかな」


説明 翡翠 役


(日本円に換算すると

白金貨は1枚あたり

5万円に掃討するものである)


人族1「白金貨3枚!?

半月程は遊んで暮らせるじゃないか!!」


翡翠「アッハッハッ、流石に冗談だよ(笑)

ボクもクローバービール頂くね♪

頂きま〜す♪

んくんく、ぷはぁ!!美味い!!」


人族2「冗談にしては凶悪過ぎるんだが・・・」


翡翠「ウチは、イタズラ亭だからね。

よくこう言う、イタズラを仕掛けるのさ。」


人族1「よく今まで怒る客居なかったな」

人族2「確かにな」


翡翠「ん?たまに怒るお客さん居るよ?」


人族1「なら 何で?」


翡翠「イタズラは、

ボクたち

妖精の本質みたいな物だからね。

たまにやらないと、

どうも落ち着かなくて。

その後、

お客さんにはちゃんと謝ってるし。

最後にはちゃんと、

機嫌良く楽しんで貰えるように

努力はしているよ。」


2「なるほどなぁ、本質か」

1「それなら、まぁ仕方ない・・・のか?」


翡翠

「ちなみに向こうの席で飲んでいる

狼の獣人じゅうじんのお兄さん居るでしょ?

彼には、

ドラゴンステーキの注文を頼まれた時に

犬用の骨っ子を

出す小ボケをしたよ(笑)」


回想


狼の獣人「ドラゴンステーキを一つ

焼き加減はブルーレアで」


翡翠「はいよー、

ドラゴンステーキをブルーね」


翡翠「お待たせ~(笑)」


狼の獣人「おい、コレはなんだ?」


翡翠「ワイルドホーン(牛系魔物)の

骨だけど?(笑)」


狼の獣人「俺が頼んだのは

ドラゴンステーキなんだが(静かに怒る)」


翡翠「あぁ(笑)

そうだった、そうだった。

ドラゴンステーキだね、直ぐに出すよ。」


狼の獣人「ドラゴンステーキをブルーでな?

頼んだぞ(呆れ)」


翡翠「お待たせ〜(笑)

さっきのお詫びに

付け合せとソース増やしといたよ

どうぞ召し上がれ♪」


狼の獣人「さっきの骨に、

ソースともう少し小さい骨が

追加されただけじゃねぇか!!」


翡翠「アッハッハッハッハッ!!

オオカミくん。

君はいつも最高のリアクションをしてくれるね!!

ひぃ〜、お腹が痛い(爆笑)」


狼の獣人「ふんじばって

谷から突き落とすぞ、このクソ妖精が!!」


翡翠「アッハッハッ、

出来るものなら、やってご覧よ(笑)

でもでも〜、

恩人にそんな事を言っていいのかなぁ?

あの時の誓いはそんなものなのかい?

んー?どうなのかなぁ?(笑)」


狼の獣人「がぁぁあ!!ちくしょう!!

嘘じゃねぇよ!!ちくしょうめが!!」


翡翠

「あ〜、楽しかった(笑)

はい、ドラゴンステーキ

君が好きそうな

良く身のしまった尻尾付け根部分だぜ」


狼の獣人「お、おう。

ちゃんとステーキは作ってあったんだな

ん、んぐ。やっぱり

此処のステーキはうめぇな♪」


翡翠(全く本当に、

この子はいい顔をする様になったな)


翡翠「ねぇ、オオカミくん。」


狼の獣人「ん?ゴクッ。なんだ翡翠」


翡翠「やっぱり骨くわえて みない?」


狼の獣人「絶対に断る」


翡翠「えー、ワンちゃんみたいで

可愛いと思うだけどなぁ(笑)」


狼の獣人「誰が犬だコノヤロウ!!(激怒)」


翡翠「アッハッハッハッハッ(爆笑)」


回想終わり


翡翠「いやぁ、あの時の

あの顔と来たら

最高だったよ(爆笑)」


人族1「えぇ・・・、あの獣人のお兄さん。

目付き悪くて、めっちゃ怖いんだけど・・・

苦労してるんだなぁ・・・(しみじみ)」


人族2「翡翠ちゃんよく生きてるな・・・(絶句)」


翡翠「まぁ、彼には貸しもあるからね(笑)」


遠くからの声

狼の獣人

「翡翠てめぇっ!!こっち来やがれ!!」


人族1「翡翠ちゃん呼んでるよ?」

人族2「すげぇキレてるんだけど・・・」


翡翠「プププっ(笑)

彼の元に仕掛けが届いたらしい♪

ゴメンね、ちょっと行ってくるよ」


人族1・2「「行ってらっしゃい」」




翡翠「やぁ♪オオカミくん

折角の新規様 接客中になんだい?

騒がしいなぁ」


狼の獣人

「なんだ だと?翡翠

お前、よく言えるな(静かに怒る)

よく見ろよこれ、

犬用の飲みざらじゃねぇか!!(激怒)」


翡翠「良くお似合いだぜ♪ワンちゃん♡」


狼の獣人「よし決めた。

今日がてめぇの命日だオラァァア!!」


翡翠「アッハッハッ、

まだまだ修行が足らんよ

チミ~♪

ほれほれ、ボクに勝てたら

約束の件忘れてあげてもいいよ?」


狼の獣人「言ったな?

絶対後悔させてやらぁぁあ!!」


side1・2


人族1「おぉ、

獣人のお兄さんが銃剣じゅうけん

使って暴れ始めたぞ」

人族2「ソレに対して、

翡翠ちゃんは魔法で対抗してるな」


side再び 狼の獣人と翡翠


狼の獣人

「ちょこまかとしつけぇぞ

翡翠!!(激怒)」


翡翠

「君がノロマすぎるのさ、ワンちゃん♪」


狼の獣人「まだ言いやがるか!!

とっておきを見せてやるよ!!」


狼の獣人

「我等は狩る者、喰らう者

その瞳は獲物を追い続け

その爪で敵を裂き追い詰める

そして その牙もって 獲物の命を喰らう

血で潤し、肉で自らを満たせ!!

来たれ!!我が祖なる幻獣!!」


翡翠「おぉ、

幻獣を魔弾と化す魔法を作り上げたとは

少しは、腕を上げたじゃないか

恐れ入ったぜ、ワンちゃん♪」


狼の獣人

「オラ、獣共!!

さっさと食い尽くしてこい!!」


side 1・2


人族1

「おっ、獣人のお兄さんも魔法使い出したぞ」

人族2「あの、兄ちゃん、かなり強いな。

見比べてみて、やっと分かったけど

翡翠ちゃんの魔法の展開速度と精度 凄いな」


人族2「それじゃあ、

お店もある意味で忙しそうだし。

そろそろ帰るか」

人族1「そうだな、見てて結構楽しめたし。

また飲む時は、此処にも来ようぜ」


人族1・2

「「翡翠ちゃん!!

俺たちそろそろ帰るから!!

代金は此処に置いとくよ!!

また来るから」」


遠くからの返事


翡翠「毎度あり!!

あぁ、また待っているとも!!」



そして時間は過去へと 巻きもどる



翡翠「ちょっと買いすぎたかな・・・

おや?あれは・・・」


騎士団長

「草根のをかき分けてでも見つけ出せ!!」


翡翠

「やぁ、騎士団長くん。なにか探し物かな?」


騎士団長「ん?これは 先輩!!お久しぶりです」


翡翠「あはは、

すっかり騎士団長に相応しい感じになったね

でも先輩は良してくれないかい?

あとついでに言うなら、その敬礼も。」


騎士団長「ですが・・・」


翡翠「僕は、

もう引退した妖精にんげんなんだし。

それに団長ともあろう物が

一般人にペコペコするのは頂けないよ」


騎士団長「そう・・・ですね、

お気遣い感謝致します。」


翡翠「うん、感謝されてあげる。

それで話を戻すけど、

団長まで出張って来て

何か重要な探し物かな?」


騎士団長

「一応、内密なお話なのですが。

せんぱ・・・翡翠さんならば、

よろしいでしょう。

実は、国宝が盗まれた可能性があり

現在その容疑が掛けられた者の

捜索をしております」


翡翠

「それは大事じゃないか

国宝が無くては

国を守る為に掛けられた結界に

支障が出てしまうね・・・」


騎士団長

「はい、ですので

騎士団の多数を国の防衛に当て

私が捜索の指揮を

とって居ると言う理由わけです」


翡翠「良し、その犯人の捜索に

僕も協力しようじゃないか。」


騎士団長「宜しいのですか?」


翡翠

「引退したとは言え、

僕も騎士だった妖精にんげんだ。

まぁ、お店の開店準備もあるから

その合間にという感じになるけどね♪

それで、

犯人の風貌どのような感じなんだい?」


騎士団長

「それでも構いません、

感謝します。

目撃した衛兵からの証言では

狼の獣人であると言う

情報が回って来ております」


翡翠

「狼の獣人だね、分かった。

まぁ、期待は し過ぎないで待ってておくれ

それじゃ、バイバイ。」


騎士団長「はい、それではまた。

お店がオープンした暁には

出向かせてもらいます」


翡翠「うん、待ってる。

団長になって

増えた貯金を使い果たす勢いで飲んでくれよ(笑)」


そして店へと戻る


翡翠

「風の精霊君、

僕を上まで運んでくれないかい?

よいしょ、うわっぷ。

結構ホコリ溜まってるなぁ・・・

ふぅ、ありがとう

お陰で高い所の掃除が出来たよ」


翡翠「安売りされいた

この建物を買い取ったのはいいけど

この調子なら

まだオープンまでは掛かりそうだなぁ、


・・・獣も入り込んでるみたいだしね。

そうは思わないかな?出ておいでよ」


狼の獣人「いつから気づいてた?」


翡翠

「それに答えるなら、

帰ってきた時からかな。

強盗なら、掃除して隙を見せたら

襲ってくるかと思ってたけど。

そうじゃ無いみたいだね

何が目的だい?」


狼の獣人

「勝手に上がり込んだのは悪かったよ・・・

ただ少し追われてて

身を隠す場所が欲しかったんだ」


翡翠

「追われているって言うのは・・・

騎士団に、かな?」


狼の獣人「・・・アンタ騎士団の関係者か?」


翡翠「元関係者さ、

今はただのお節介なこの店の主あるじさ」


狼の獣人

「頼む、匿ってくれないか?」


翡翠

「そんな事を言われてもねぇ」


狼の獣人「頼むよ!!

俺は、何も悪いことなんか・・・。

いや、少しはしたかも知れないが

騎士団に追われるようなことは、何もっ!!」


翡翠「どういう事かな?理由を・・・」


騎士団長「お邪魔しますよ、翡翠さん。

近隣から、

コチラに入る

不審な獣人を見たと情報が・・・。

君の事かな?」


狼の獣人「よりによって騎士団長か・・・」


騎士団長

「そこを動くな、指一本動かせば・・・

分かるな?」


翡翠「はい、ちょっと失礼するよ〜」


狼の獣人「アンタ・・・助けてくれるのか?」


騎士団長「先輩、どういう事でしょうか?

いつもの悪ふざけですか?」


翡翠「別に?

この子がやったとは思えないってだけさ」


騎士団長「何を根拠に?」


翡翠「ちょっと、

この子の身体の中の魔力を見て

何となくやって無いって思っただけさ」


狼の獣人「アンタ・・・

俺を信じてくれるのか・・・」


騎士団長

「君は黙ってなさい・・・

全く・・・、

【知恵の悪魔】

と戦場で恐れられた

先輩の観察眼も落ちたものですね」


翡翠「その名で呼ぶなよ、

ボクに、悪戯されて

いつもピーピー泣いてた君が、

騎士団長になって

随分と生意気な口を

聞くようになったじゃないか。

試してみるかい?」


騎士団長

「良いでしょう、

先輩が引退してから

成長してないと思ったら

大間違いなんですよ。

今すぐ

そのニヤケ面出来なくしてあげましょう」


翡翠

「へぇ・・・言うじゃないか

やれるものなら やってご覧よ

久しぶりに可愛がってやろうじゃないか」


狼の獣人「おっ おい、

なんでアンタらが争ってんだよ

アンタら昔の仲間なんだろ!?

俺が捕まれば良いだけじゃねぇか!!」


騎士団長「と彼は言ってますが?」


翡翠「あそこまで、

言われて引き下がれないよね?

それに・・・

傲慢になった後輩に

少しお灸を据えてやらないと

この先危ないからさ」


騎士団長

「それはあなたの経験からですか?

それに・・・

いつまでも子供扱いしてんじゃぁ

ねぇですよ!!」


翡翠「おっと、危ない。

不意打ちとは、

騎士団長ともあろうものがやる事かい?」


騎士団長

「五月蝿い(うるさい)んですよ!!

今は騎士団長としてでは無く

個人的な、恨みを返す為に

動いてるようなもんです、よっ!!」


翡翠「くっ・・・!!

今のは結構ギリちょんだったよ・・・

しかし、まだその事を言ってるのかい?」


狼の獣人「恨み?アンタ何したんだ」


騎士団長

「教えてあげましょうか?

この妖精ひとはね、

ある戦争から帰ってきた時

いきなり、

ボク引退するからー

って言って。

私に、騎士団長の肩書きを

擦り付けてきやがったんですよ」


狼の獣人

「んな、めちゃくちゃな・・・

しかも

あの妖精ひと、騎士団長だったのか。」


翡翠「辞めたくなったんだから

仕方ないだろう?」


騎士団長

「仕方ないで済ませれるか!!

アンタが、いきなり辞めたもんだから。

私は引き継ぎの書類を何日も徹夜したし

アナタの引退で

動揺する団員達を纏めあげ・・・

どれだけ苦労したと思ってる!!」


翡翠「それは、君ならこなせるだろう

って思ったからだよ!!

書類の事は面倒だったからだけど・・・(小声)」


騎士団長

「しっかりと聞こえてんですよ!!」


狼の獣人(すげぇ戦いだ・・・

もう何やってるのか、すら目で追えない。)


翡翠「そろそろ決着付けようじゃないか」


騎士団長「私もそう思っていた頃ですよ」


翡翠「彷徨う姿なき精霊よ」

騎士団長「我が身に宿る 神の祝福よ」


翡翠「集いかたまり 我に力を授けん」

騎士団長「その祝福は全ての害を拒絶する」


翡翠「その瞳は全てを見通し

この身は神・魔

全てを蹂躙じゅうりんする」

騎士団長

「この身体は神の物であると知れ

そして、全ては神の意のままに」


翡翠「世界演算ラプラス」

騎士団長「神の偉光かみかづち」


狼の獣人

(2人の魔法がぶつかり合った衝撃で

何も見えない!!)



翡翠「ボクの勝ち・・・だね、

今回は、本当にギリギリの戦いだった。

本当に強くなったね」


騎士団長「くっ・・・私の負けです

初撃を躱す事は

アナタなら容易にやると予想してましたが

その後 全てを予測

演算し終わっているとは思いませんでした」


翡翠

「確かに演算は終わっていたし

予測もし尽くしていた、けど

初撃でさえ ギリギリだったよ

その後は、殆ど運みたいな物だった」


騎士団長「慰めはやめてください・・・」


翡翠「いや、本当さ・・・。

ボクの世界演算ラプラスだって

完璧では無いからね、

数ある選択肢の中から

一番最適とされる行動を取れなければ

それで終わり になりかねない

まさに 神のイタズラ の様な魔法なんだ

今の君になら、

ボクが、

もし騎士団を辞めていなかったら、

この命預けられる そう思ったよ」


狼の獣人

(あの衝撃の中

それ程の攻防が起きていたのか・・・

騎士ってすげぇ・・・

俺もあれだけで強くなれたなら・・・)


騎士団長

「今さら、そんなに言葉

狡い(ずるい)ですよ・・・

私は・・・

あなたの背中をひたすらに追いかけて

アナタと何時までも

一緒にこの国を守っていけたらって・・・

そう思って

がむしゃらに頑張ったのに・・・(泣き)」


翡翠「君に

それ程、背負わせてしまって居たんだね。

すまなかったね・・・」


騎士団長「そこの君」


狼の獣人「はっ はい!!」


騎士団長

「先輩が信じる君を信じていいんだね?」


狼の獣人「俺は

この牙と一族の誇り誓って

やってません!!」


騎士団長(いい目をしている・・・)

「分かった、私も君を信じよう

それでは失礼した、

私は犯人探しに戻らせてもらいます」


翡翠「それなんだけど、良いかな?」


騎士団長「なんでしょうか先輩」


翡翠「さっきの

世界演算ラプラスを発動した時に

判明したんだけど

犯人は 他国から送られて来たスパイらしい」


騎士団長「・・・(思考)

最近外交で来ていた奴か・・・

この男ですか?」


翡翠「そう、そいつだ。」


騎士団長「協力感謝致します、

それと君、疑ってしまい、すまなかった」


狼の獣人

「いや・・・俺も逃げちまったから・・・」


騎士団長

「このお詫びは必ず償わせて貰う」


狼の獣人

「それじゃあ、

一つ頼みがあるんだがいいか?」


騎士団長「何でも」


狼の獣人

「俺を騎士団に居れて くれないか?。

アンタらの戦いを見て

感情のぶつけ合いを見て

今みたいに日の元を歩けねぇ様な生活を捨て

誇りを守れる様な、強い男になりたい。

そう思っちまった」


騎士団長

「・・・分かった、

君を騎士団長として歓迎しよう

だが、

コレはお詫びとして入れるのではない

という事は分かって欲しい。

君の目に宿る意思に心を撃たれた

私の独断なのだから


だが約束は果たす

私は、君を強くする。

どんな誇りも守れる様な、

日の元で凱旋を受ける事ができるような

強い男に育て上げると

騎士の誇り、

そして私の中の神の祝福に誓おう」


翡翠

(まるで、ボクが騎士団長君を

迎え入れた時を思い出すかのようだ・・・)


騎士団長

「では、済まないが

私は犯人確保に向かわせてもらう


獣人の君、

騎士団には

君のタイミングで来てくれ

騎士団長に呼ばれたと言えば

通れるようにしておくから」


狼の獣人「分かりました!!」


騎士団長

「良し、いい返事だ、

それでは先輩 失礼しました。

お店がオープンした暁には、

客として寄らせてもらいます」


翡翠

「うん、行ってらっしゃい

その時は歓迎するよ」


狼の獣人

「もう姿が見えなくなった・・・、

あれだけの戦いの後なのに

やっぱりすげぇな・・・。」


翡翠「ボクの自慢の一番弟子だからね」


狼の獣人

「そうだ、本当に助かった!!

お陰で騎士団にも入れる様になった

このお礼は何でもさせてもらう」


翡翠「そうかい?

それじゃあ・・・

君、酒は飲める年齢かな?」


狼の獣人

「今はまだ・・・」


翡翠

「それじゃあ

呑めるようになったら

ボクのお店で

毎日一杯呑むこと・・・なんてね、冗談だよ」


狼の獣人

「分かった、その約束は絶対に守る

この牙と一族の誇り

それに、これから成る騎士の誇りにかけて」


翡翠(いい顔して笑う子だ)

「そっか、それじゃあ楽しみに待ってるよ」



そしては、時は現在に戻る


狼の獣人

「翡翠、てめぇ!!

世界演算ラプラス使ってんじゃねぇ!!

当たんねぇだろうが!!」


翡翠「当たらないために

やってるだけど

ワンちゃんには分かんなかったか〜(笑)」


騎士団長

「こんばんは先輩・・・と 獣人君

何してるの?(冷たい目)」


翡翠「おぉ〜♪いらっしゃい騎士団長君

聞いておくれよ

僕は、何もしてないのに

オオカミくんが僕を虐めるんだ!!」


騎士団長「で、獣人くん

何されたの?」


狼の獣人「

団長、聞いてくださいよ!!

翡翠のやつ、俺の酒を

犬の水飲み皿に入れて

出して来たんですよ!?」


騎士団長「やっぱり先輩が全部悪かった」


翡翠「愛する先輩をガン無視!?」


騎士団長

「愛して無いです

寝言は永眠してから言ってください」


翡翠「あの事件以来、

君の当たりきつくないかな?」


騎士団長

「全部ぶっちゃけたら、

気にすることが無くなったんです」


翡翠「およよ・・・(嘘泣き)

あの時の、騎士団長君の泣き顔は

あんなに可愛かったのに・・・」


狼の獣人

「団長、そいつ背を向けてるけど

こっちから見たら笑ってますよ」


翡翠「オオカミくん!?」


騎士団長

「大丈夫、知ってるから

それと獣人君」


狼の獣人「なんでしょう?」


騎士団長

「今から合同訓練しようか?

対象は目の前の妖精の討伐 (静かに激怒)」


狼の獣人「いいですね、

俺も丁度提案したかったんですよ

(黒い笑顔)」


翡翠「ちょ、ちょっと君達?」


騎士団長

「我が身に宿る 神の祝福よ

その祝福は全ての害を拒絶する

この身体は神の物であると知れ

そして、全ては神の意のままに

神の偉光かみかづち」


翡翠

「うぉぉぉお!!

後輩君まで魔法使うなんて

本気じゃないか!!

世界演算ラプラス

再演算!!最高速度!!」


狼の獣人「させるか!!」


翡翠「危なっ!!」


騎士団長

「先輩、ちょっと痛いですよ♪」


翡翠「あっ…(察し)」


狼の獣人「よしっ!!

団長のゲンコツが決まった!!」


翡翠「うぅ・・・(悶絶)」


騎士団長

「素晴らしい動きだったよ

流石は副団長だね」


狼の獣人「そんな・・・、

でもありがとうございます!!

団長の鍛えられた成果が出たからですよ!」


翡翠「いい笑顔で

握手してる・・・んじゃ・・・ないよ・・・(気絶)」


騎士団長「さぁ、

今夜はお祝いに飲み明かそう!!」


狼の獣人「良いですね!!

酒は・・・コイツ(翡翠)は気絶してるし

勝手に取って呑んだらいいか。」


騎士団長

「こら、騎士なんだから

そんな賊の様なことをしたら駄目だよ?」


狼の獣人

「じゃあ、どうします?

書き置きでも残しましょうか?」


騎士団長「いいアイディアだね」


狼の獣人「じゃあ、

俺、カウンターからメモ取ってきますよ。」


騎士団長

「いや、それには及ばないよ♪

先輩の顔に書いておけばいいよ(含み笑い)」


狼の獣人「団長も、

意外といたずら好きですよね・・・。」


騎士団長

「この妖精ひとの後輩だからね〜♪」


狼の獣人

「多分起きたら

翡翠ブチ切れますよ?」


騎士団長「そうかもね〜♪

でも、いつもされてるんだ。

こっちもやり返さないと♪(笑)」


狼の獣人

「言えてますね(笑)

あっ、俺にもペン貸してくださいよ!!

次は 一人で勝つ からな っと

良し、それじゃあ呑みましょう!!」


本日も妖精酒場 いたずら亭は大騒ぎ

しかし今日の騒ぐ声に

翡翠の声は混ざってなかったのでした


おしまい♪



後日談


翡翠

「うぅん、寒い・・・

あれ?

なんでボクはこんな所で寝てるんだ?・・・

いてて、なんだか頭が痛いな。

昨日、オオカミくんを

からかって喧嘩して

それから〜思い出せないや、

眠気覚ましに顔でも洗うかな・・・。


って、なんだこれ!?(驚愕)

酒の名前や、簡易的なツマミに

代金は取りに来てください と

次は絶対に一人勝つ?

・・・思い出した、

昨日 二人がかりで

ボクに襲いかかってきて

見事に、後輩君の魔法ゲンコツで

気絶させられたんだったねぇ・・・(思考)」


翡翠「ふふふ・・・(黒い笑い)

妖精ひとが気絶してる間に

随分と好き勝手やってくれたじゃないか・・・

代金は取りに来い、ねぇ・・・

良いだろう、

取りに行ってあげよう じゃあないか

代金と二人の命をね!!(大激怒)」




本当に終わり

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