第4話 入学式

浅間は、国立魔法高校の入学式に来ていた。


国立魔法高校の体育館は、外から見ると普通の高校(と言っても大きい方ではあるが)と同じぐらいの大きさだが、中に入るととてつもなく広い。3000年前の東京ドームぐらい広い。いや、それは言い過ぎか、東京ドーム行ったことないから分からないけど、相当広い。パッと見、

80×160ぐらいはある。



そのことに驚いていると、後ろからこえをかけられた。

「ねぇ、キミ。なんでそんな驚いた顔してるの?空間増幅魔法なんて、国立の競技場行けば結構あると思うんだけど?」

振り返ってみると、美少女がいた。茶髪のポニーテールに、目の色は黒、顔のパーツはすごく整っている。男子にも女子にも分け隔てなく話していくタイプだ。

「そうなの?俺は田舎育ちだから、実際に見たのは初めてなんだ。」

「へぇー、そうなんだ?なんか田舎育ちって感じしなかったから。田舎ってどこら辺の?」

「京都の山奥かな?俺の家の周りには木と動物ぐらいしか居ないぐらい田舎だったよ」

「えっ?!まだこの世にそんな場所あるの?」

「うん。学校に行くには、山を下りて、川を渡って2時間ぐらい掛けて行かないとつかないんだ」

「それは、大変だねー。だからそんなに引き締まった体してるんだ?」


「天竜、こっち来てー」


浅間が、美少女とのお喋りに勤しんでいたところ、美少女の友達らしき人が邪魔に入った。


「わかったー」

友達らしき人の方を見て返事をした後、またこっちを見て、

「私は、軽井沢 天竜てんり。きみは?」

「俺は、浅間 京斗」

「じゃあ、呼ばれてるっぽいから、また今度ね」

「また」


(あぁ、至福のひと時が.....)


「よう!そこのイケメン!」


(なんか、話しかけられたような気がするけど俺じゃないよね?前世ではモテてる感じしなかったし、実際告られたことないし)

「おい!お前だって!」

「俺?」

「お前。」

(やっぱ俺だったか、イケメンとか言われたの初めて)

「いきなりお前呼ばわりか」

「ごめんごめん」

「いや、俺もあの子との会話が終わって少し情緒不安定になってた」

「そうか?雰囲気は暗くなかったと思うけど?」

「ポーカーフェイスは得意だからな」

「いいよなー、ポーカーフェイスできるやつは。俺はそんなの出来ないから結構苦労するんだよ」


この世界は、自分の感情などが、無意識に周りの魔素に干渉して、自分の感情などが、雰囲気とかオーラみたいになって見ることが出来る。

また、それを出さないように制御することを、ポーカーフェイスという。


「それで、なんか用か?」

「いや、別に用があるってわけじゃないけど、なんかこの入学式、入学式って感じしないよな」

「確かにな。どちらかと言えば、パーティーって感じがする」

(前世も合わせて、5回も入学式したけど、こんなのは初めてだ)

「ってゆーかこれ、入学式なのか?入学前の前夜祭的なものとか?」

「なんだよ、入学前の前夜祭って、しかも昼だから前夜じゃないし」


「国立魔法高校入学式に来ている皆さんこんにちは。そして、ようこそ国立魔法高校へ。」


(これ、入学式だったのか)


「私は、この高校の校長の、佐桑 凛時りとです」


「あれが校長だって。結構若くね?」

「確かに、まだ20後半といったところだろう」


「突然ですが、今から新入生の皆さんには、入学試験をやってもらいます」


(え?)

浅間が、周りを見回して見ると、他の生徒も、唖然としている。というか、隅にいる先生らしき人も同じ反応を示している。


その原因の校長は、一瞬微笑みその次の瞬間、この体育館が急激に広くなった。

(いや、正確に言えば、容積が大きくなったのか)


「ルールは簡単です。今皆さんは体育館の入口付近に居ますが、今私がいる場所、つまり反対側まで来ることです。といっても、君たちから私までには2キロ程あります。また、様々なトラップや課題など、試練が待ち受けていますから、気をつけて下さい。では、試験開始!」

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