第23話 不吉のお告げ
ふぅぅ―――――
深呼吸よ。
っちょっと待って?
『早く食べろ』ってどういう事?
その言葉に違和感をもった。
不吉のような、何かを感じる。
これはどういう事。
何かが引っ掛かっている。
そして、その結末に私たちは驚愕した。
看守がそういうと、奥からメイドさんが大きな鉄の台を押して歩いてきた。
そのメイドさん達は台からパンを取り出すと房の前に置いて行った。
スープのようなものを運ぶメイドさん。
皆に配り終わると、彼女立ちは去って行った。
どういう事?
私たちが運ぶのではないの?
私はミゲルを見た。
「知らない、知らないよ。
こんなの昨日までは、ずっと俺たちが運ばされてたんだ
だから、今日も、きっと、」
ミゲルの目から光が消えていた。
どういう事なのだろうか?
今日の結果に私も座りこけた。
「お姉ーちゃん」
「はい。これ」
忘れていた。
アルヤとマルクが私の分のごはんを持ってきてくれていた。
スープのようなものからは湯気が出ている。
ミゲルの前にも御飯が並べてあった。
この子たちがきっと持って行ったのだろう。
「元気出して」
「落ち込まないで」
この子たち。
「ありがとう」
そういってアルヤとマルクは自分たちの御飯のある方へ帰っていった。
そういえば、昨日の晩御飯の後も回収はメイドさんが来ていたわね。
これと何か関係があるのかしら?
「ねぇ?ミゲル、」
………………
だめだ、返答がない。
ふぅー、御飯は持っていくのは子供たち。
でもそれを回収に来るのは毎回メイドさん達だったのかを聞きたかったのだけれど。
だけど、ミゲルの話し方的に、持ってきていたのも、片づけに運んだのも、子供だったんだと思う。
だとすると、私が来た、あの夜からメイドさんが運び出した。
「ねぇ、アルヤ、マルク 」
「なにぃー? 」
「どうしたのぉー? 」
私が来る前にご飯をここの房の子たちで運んでいたんだよね?
食べ終わった食器とかは?どうしていたの?
「うーんとね。 運んだよ」
「そう。運んだよー。 私たちで」
やっぱりそっか。
だとすると、これはどういう事?
どうして急にメイドさんを使う事にしたの?
いや、急ではないか。
メイドさんが捕まって、子供じゃなく、メイドにやらせた方が早いとなるなら、それは合点がいくわ。
だったら今後は私たちが運ぶことは無くなるということよね。
ならまずいわね。調べる手段がなくなった。
逃げる機会も。
それにあのメイドさん。ここのメイドさん?
ではないような気がする。
ここのメイド服でもないし、もし、捕まった人が着せられているだけだとしても、この城にいた人達には何故だか思えない。
どことなく、彼女らの仕草からそう感じさせられた。
とても、まずいスープ。野菜は少し入っているけど、味がないわ。
それにこのパンは、いつのものかしら少し硬い。
そのスープはとてもではないが出されたパンに合うものではなかった。
私が食べ終わると、丁度、またメイドさん達が入ってきて私たちの食器を回収していった。
「なぁ、ティターナどうしたらいい」
流石に困った。
「そうね、
今のところは打つ手がないわ……」
暫く沈黙が続いた。
「あっは、あははははは、
そ、そうだよな。
これじゃ打つ手ないよな。
けど、まだ何かできる事はあるんだろ? 」
私はできる事はという事に頷いた。
「だ、だよな、
わかった。じゃあ思いついたら教えてくれ。
俺、どうしても、母さんに恩返しがしたいんだ。
だから絶対、離れる訳にはいかない。
いっぱい迷惑かけたから。
だから今度は俺が、家族を守るんだ」
私と一緒。
「任せて、必ず、何かいい策を考えるから」
ディアンカとレベッカじは私たちを呆れる様に見ていた。
「あぁ、そうだ、今日は選別の日だ
お前らの行き場所が決まる。 良かったなー」
部屋が凍り付いた
私にはまだ選別人と言う人がよくわからなかったが、相当良くはないらしい事だけはわかった。
「そんな、」
ミゲルは絶望していた。
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