第十六話 けつばん
貴族と……いや、この際分かりにくいし“支朝”で統一しとこう。
兎にも角にも、コネクションをゲットした俺は、実の所を言うとこの支朝の事を余り知らなかった。
その支朝とやらはどんな役職でどんな仕事してるのか、そもそもあのアックスとかいう親子以外にもいるのか、そんな事も知らないで仲良くなれる訳が無い。
という訳で俺は車に戻った直後ホフマンに聞いて見ることにした。
「はァ〜!? アックス家に猫の飼い方を教える?!」
「電話……いや、遠話ですけどネ」
「あのな! 俺たち冒険者がどんな奴等なのか知ってんのか?」
「ええ、知ってますよ。危険冒すならず者っすよね。」
「ならず者だぞ? お前な……一歩間違えりゃ不敬罪でまたあの地下牢獄にぶち込まれるとこだったぞ。」
「嘘ォ!?」
いつのまにか車内にいた烏丸が驚愕する。どうでも良いから今は静かにしといてくれ。
「あいつらが超・ハト派で助かったな…。」
「それくらい見極めますよ。相手がどんなやつかぐらい。でもまぁ、そんな奴らに会えたって事は僕たちツイてたんですよ。」
「それに、また逃げりゃいい話ですからね。あんなジジイが余生過ごすようなとこ、すぐに逃げられますから。」
「完ッ全にイカれてやがる……。」
完全に狂った何かを見るような目で見るホフマンだが、そんなことはどうでもいい。
「それよか、支朝のこと詳しく教えて下さいよ。 偉い人ってことしか知らないですよ僕たち。」
「あとろくに知らないまま接近してトチるの嫌だし」
「いきなり関わったのによく言うよ本当……まぁいい、教えてやるよ畜生。」
「えっそれって俺もやる感じ?」 「当たり前だろ。」
「えっ暴君……?」
「いい加減始めるぞ」
支朝とは朝、つまり国を支える存在であり、死ぬ程簡単に言えば政治家である。
この国の王は朝皇ただ一人であるが、人間一人に大国を治めさせる訳にはいかない。
そこで何人かの人間が集まって国を治め権力の分散を行い、かつ政策をそれぞれの人間が相互に批判し続けることによってより良い政治をすることが出来る。
近い例なら、日本の与党と野党の関係性に近い。大きな違いといえば野党が政策を批判して磨き上げる仕事ができているか否かだ。
日本とヴェルメリオ、どっちが出来てないって?それを言ってしまうとそのうちすごく面倒な事になってしまいそうなので、言わないでおくことにする。
話を戻そう。
そしてその役割は子に代々受け継がれ、現在末裔が国の為に粉骨砕身真っ最中というワケである。
つまり文字通り政治“家”という事だ。
支朝は基本的に4つの家が担っており、
さっき会ったアックス家、クックス家、ドルックス家、そしてエクス家が存在し、こいつらを合わせて“御家”と呼ばれるらしい。
御家……。間に数字を入れたくなる名前だ。
「えっじゃあすごい偉い人じゃないですか!?!?何でこんなギルドに依頼してきたんですか?!!」
「武藤、こいつぶっ転がしていいか?」 「良いですよ」
「ちょっと待って!辞めろ!やめろ!」
———
「アックス家はな、とりわけ変人しかいねぇンだよ。さっきも見たろ? あんなんでも御家の中でも一番優秀だけどよ。」
「へぇ…そうなんですか」
「何も顔がダリみたいになるまで殴らなくて良くないすか? 僕の顔今すごい超現実主義なんですけど?」
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