応援コメント

言わ猿」への応援コメント


  • コメント失礼します。

    どのくらい鳥肌が立ったか、何秒間心拍数が上がったか、などの刺激量で怪談を語ってしまうと、本作はきわめて高ランクの恐怖譚とは呼べないのかもしれませんが、短編として、あるいはホラー奇譚としては、なかなかに読み応えのある"濃ゆい"作品だと思います。

    冒頭、主人公が老人を痴漢と言い立てたあたりの経緯が最低限の描写で、真相はどうだったのか、なども結局藪の中なんですが、逆恨みにしろ冤罪にしろ、どこに行っても猿がひたすら視線を当ててくる、というシチュエーションは十分に怖気をふるう設定で、少なくともこういう場面を構想し得たのはすごいと思います。

    墓参りに行って一応は礼を尽くしたところでのこのオチも、私個人は高いポイントとしたいです。片手の指がなくなっただけでは因果応報として生ぬるいと見る読み手もいるかも知れませんが、そこそこリアルで微妙に中途半端な報いの方が、かえって不条理感が生々しい気がします。突然の心臓マヒでばたっと倒れたりするよりは、よっぽど陰惨で圧迫感があり、はっきり言って好みです w

    計算ずくではなかったのかもしれませんけれど、ほどよくテンプレから外れた非対称感が何とも言えないいびつさを醸している、味のある短編と読みました。

    作者からの返信

    コメント、ありがとうございます。
    短編用にと考えた話でしたが、文字数を気にせず深みを追記すれば新しい可能性がありそうであると気付きました。
    新規の作品として改稿できる機会がありましたら、アドバイスを参考に挑戦してみたいと思います。