14話 簡潔なキャラ解説では

 前回の乙女ゲームの攻略対象者は、以下の人物達である。通称はゲームでの通称及び、現実での通称を含む。


公爵令息だった、ハイリッシュ・キャスパー(通称:リッシュ)

侯爵令息である、アルバルト・ナイル(通称:バルド、アル)

伯爵令息である、ハウエリート・レンドレフ(通称:ハウエル)

男爵令息である、タリムード・サラライス(通称:タリム)

王立学園理事長 ロベールスト・ホスキンス(通称:ロベルト)

王立学園の教師 スラリートン・サイス(通称:スラリー)

王太子となった、ライトバル・カルテン(通称:殿下、ライト)


以上の男性7名であるが、今回の乙女ゲームでは続編と言えども、攻略対象が一部異なっている。先ず、ハイリッシュが前回で脱落しており、今の身分は公爵令息ではなく、平民となっている。彼のゲーム続編での出番は、ない模様だ。


王太子ライトバルには前回から王太子妃がおり、政略結婚とは言えども仲が良く、現実の王太子は王太子妃を溺愛しており、彼もゲーム続編での出番がない。また、王立学園理事長であるロベールストは、前回は隠しキャラの扱いで謎が多かったのだが、現実の彼は既婚者であると最近になって告白しており、彼もゲーム続編には登場しない。残りの4人は前回とものの、ゲーム続編にも登場するようだ。


そして、攻略キャラ・チェンジということで、今回のゲームに追加される人物達も一部、存在する。追加される男性キャラは、以下の人物達である。


公爵令息である、カイルベルト・アーマイル(通称:カイル、カイ)

公爵令息である、ラングルフ・キャスパー(通称:ラング)

侯爵令息である、モーリスバーグ・ハミルトン(通称:モーリス)


以上の3名である。現実のカイルベルトはフェリシアンヌの婚約者だが、ゲーム続編では彼には別の婚約者がおり、然も隠しキャラだという。ラングルフは、前回の攻略対象ハイリッシュの実弟で、兄とは違い真面目で勤勉な人物だ。今年から王立学園に入学したばかりの1年生、フェリシアンヌより1学年下となる。


モーリスバーグはフェリシアンヌの3歳上の実兄で、ハイリッシュとの婚約を反対していた人物の1人であり、彼女自身がハイリッシュに一目惚れし、彼女が家族の反対を押し切って婚約した、という経緯がある。彼女の今の婚約者カイルベルトのことは、勿論兄も大賛成しており、の兄なのだ。


前回の乙女ゲームと、続編のキャラが異なるのは、攻略対象だけではない。当然ながらヒロインが交代したので、悪役令嬢も追加キャラが存在する。先ずは前回にも登場していた悪役令嬢は、以下の人物達である。


王太子妃である、ユーリエルン・カルテン(旧姓:ハーバー、通称:ユーリー)

侯爵令嬢である、フェリシアンヌ・ハミルトン(通称:フェリーヌ、アンヌ)

侯爵令嬢である、ミスティーヌ・フェンデン(通称:ミスティ)

伯爵令嬢である、ハーモニア・ケイブル(通称:ハーモニ)

伯爵令嬢である、クリスティア・モニータ(通称:クリス)

商家令嬢である、ジェシカ・リンド(通称:ジェシー)


以上、女性6名となる。隣国の王女だったユーリエルンは、数年前に隣国から嫁いで来て、前回のゲーム時には既に、正式な王太子妃となっていた。彼女は王太子に溺愛されており、彼女自身も対策を練っていたことから、アレンシアは王太子に出逢うことさえ叶わなかった。彼女は王太子同様、ゲーム続編には登場しない。


フェリシアンヌの最初の婚約者ハイリッシュは、女性関係にだらしなくアレンシアにも簡単に篭絡され、彼が婚約破棄をする為に結果、逆に彼とヒロインが断罪された…という状況だ。ゲーム続編のフェリシアンヌは、断罪後に幽霊となった悪役令嬢として、登場予定とされている。


アルバルトの婚約者ミスティーヌは、色々と対策したことで幼少から彼に溺愛されており、アレンシアは彼を堕とせなかった。スラリートンの婚約者ハーモニアは、婚約を隠す程にスラリートンから溺愛されており、彼もまたアレンシアに振り向かなかった。ハウエリートの幼馴染クリスティアは、前編ヒロインの退場後に、彼と正式な婚約者となっている。ハウエリートは前回のゲームでは、ヒロインとも幼馴染という設定で恋していたが、現実でもアレンシアに一度堕とされている。


そしてジェシカだけは、王立学園に通っていない部外者だが、タリムードと幼い頃から接点があり、長年彼に片思いをしていた。現実では彼も一度アレンシアに堕とされており、現在は今年になってから漸く2人は婚約している。平民のジェシカはサラライス男爵家に嫁ぐことで、貴族の一員となる予定だ。






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 男性同様女性側も、今回のゲームから追加される人物達が一部、存在している。追加される女性キャラは、以下の人物だけである。


侯爵令嬢である、アリアーネ・スイセント(通称:アリア)


男性キャラに比べて、女性キャラの方は変動が少なく、1名減って1名増えただけだった。アリアーネは、モーリスバーグの幼い時からの婚約者であり、単に政略として結ばれた関係でも2人の仲は頗る良好で、モーリスバーグも彼女を大切に扱っているようだ。彼女はフェリシアンヌの年上の親友でもあり、姉妹のように仲も良くて、また家同士が家族ぐるみの付き合いだ。


最後に今回のヒロインであるという、テレンシス・ルノブールは、ルノブール公爵家の養女になったばかりであり、王立学園には途中から入学してくることになる。現在の年齢は14歳で、1年生として入学予定である。燃え上がるような赤毛に赤い瞳の容姿で、かなりの美少女という噂だ。本来は商家の家の娘として生まれていたが、公爵家の養女となる以前は、病気がちの所為で田舎暮らしだったらしい。


以上ここまで、アレンシアの談となる。テレンシスは養女と言えど今の身分は公爵家令嬢であり、フェリシアンヌも他の悪役令嬢達も、本気で逆らうことが出来ない立場にあった。唯一彼女にのが、ユーリエルンであろうか。しかし、王太子妃は一度も学園に通っていない為、また王立学園では王家と言えども、簡単には口を出せない立場となっており、決定的な問題でもない限りは、王族が口を挟めないこととなる。


他にも、モブキャラなどが登場するようだが、アレンシアも詳しくは思い出せないようだ。ユーリエルンもカイルベルトも続編の存在は知ってはいても、肝心のゲームは遊んでいなかった。今のところ、アレンシアの情報だけが頼りである。但し、新ヒロインの正式な名は、カイルベルトが調べた結果だが…。


ユーリエルンとお茶会をした後日、フェリシアンヌは早速、悪役令嬢達である自分の友人達に探りを入れることにする。今現在、彼女と親しくしているのは、4人。アリアーネ、ミスティーヌ、クリスティア、そしてジェシカである。ハーモニアとはこれ迄に接点がなく、年齢も彼女よりも3歳年上であることから、真面に話したこともなく挨拶程度である。


…まあ、この場合、仲の良い4人を探れば…良いですわよね?…ハーモニア様は、前回のゲームではモブキャラ扱いで、名前もその存在も隠されておりましたもの。気になるお人ではありますが、今直ぐにお知り合いとなるには、難しい状況ですわよね…。今回は諦めた方が、良さそうですわ。


そう頭を切り替えたフェリシアンヌは、4人をハミルトン家のお茶会に招くことにした。行き成り王城に呼ぶ訳にもいかず、特に今はまだ平民のジェシカには、無理がある。それにユーリエルンが自分は転生者だと、夫や国王・王妃にまだ秘密としている限り、今後もだ。


要するに、フェリシアンヌに一任されたのである。念の為に転生者という言葉は、確信が持てるまでは使わないつもりだ。転生者ではない場合、此方の秘密だけがバレるのは得策ではない。どうやって聞くつもりかと言えば、転生者だけが通じる言葉を使えば良い。日本語の文字を見せるのも、良いかもしれない。アレンシアとの手紙のやり取りでは、実際に彼女が使用して来た手である。


前世のフェリシアンヌが、日本語の読み書きも得意な外国人だった為に、通じたのだけれど。何しろ前世の彼女は、日本人でもなく日系ハーフでもない西欧人の為、日本語が読み書き出来なくても、不思議でも何でもない。


 「フェリーヌ様、お招きいただきまして、ありがとうございます。」

 「まあ、アリアお姉様。ようこそ、お出でいただきましたわ。」

 「まだ、他の皆様はいらしておられませんの?」

 「ええ。アリアお姉様が最初ですわね。どうぞ、此方でお寛ぎになって?」


先ず最初に現れたのは、スイセント侯爵令嬢のアリアーネだ。スイセント侯爵家の1人娘である彼女が、ハミルトン家のモーリスバーグに嫁いだ後は、スイセント家の跡継ぎが居なくなる為、スイセント家は親戚から養子を取ることになっていた。現在彼女は王立学園の3年生で、前世風に言えば大和撫子のような雰囲気を持つ、大人し気な性格で保守系の清楚な美少女だ。彼女は清楚で綺麗なカーテシーを披露し、またそれに対してフェリシアンヌも、完璧なカーテシーで応えていた。


 「フェリーヌ、お招きくださり、ありがとう。ごきげんよう、アリア様。」

 「あら、クリス。ようこそ、いらっしゃい。」

 「ごきげんよう、クリス様。お先に失礼しておりますわ。」


こうして挨拶を終えた2人が話していると、また1人新たな人物が現れ、クリスと呼ばれる令嬢とフェリシアンヌは、気軽に呼び合っていた。この令嬢もまた、優雅で完璧なカーテシーを披露する。


 「今日は此方こちらには、ジェシーもお呼びするのでしょう?…ハミルトン家で5人でお茶会をするのは初めてで、楽しみですわね。」






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 後半途中まではアレンシアが語る、乙女ゲームの設定情報となります。


その後は、フェリシアンヌ達の女子会再び、に続いて行きます。


今回は乙女ゲーの設定における、登場人物の役柄と役割等の情報が、大部分を占めました。この情報を書くに当たり、前回と今回の乙女ゲームを比較するような形式で、分かりやすく纏めてみました。(前作では名前がほぼないので…。)


設定の後には、フェリシアンヌが女子友をお茶会と称し集めます。さて、他にも転生者が見つかるのかな…?



※前作の攻略対象・悪役令嬢も含め、今作の攻略対象・悪役令嬢の名前が、今回でもハッキリして来ましたね。今後、攻略対象達が正式に登場するかどうかは、神のみぞ知る状態でしょうか…。

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